路上生活者と社会的排除

あなたはホームレス路上生活者を見て何を思いますか?

路上生活者問題として度々取り上げられるのが、失業、不安定な就労、日雇い労働者の問題です。そうした人が集まる場所に代表されるのが、大阪市西成区釜ヶ崎です。路上生活者の数は年々減少傾向にありますが、今もなお釜ヶ崎には多くの路上生活者が暮らしています。釜ヶ崎は日雇い労働者の街とも呼ばれ、生計をその日暮らしで立てている人もいます。

路上生活者の就労状況として、特掃、土木・建築、廃品回収、清掃があります。しかし、彼らの多くが現状の就労に満足しておらず、より良い就労の機会を求めています。

そんな中、社会的排除という言葉が、この路上生活者問題と密接にかかわっているのです。

社会的排除とは、
「社会的排除は、過程と結果としての状態との双方を指す概念である。社会的排除は、もっぱら所得を指すものとしてよく理解されている貧困の概念よりも明確に、社会的な統合とアイデンティティの構成要素となる実践と権利から個人や集団が排除されていくメカニズム、あるいは社会的な交流への参加から個人や集団が排除されていくメカニズムの有する多次元的な性質を浮き彫りにする。それは、労働生活への参加という次元をすら超える場合がある。すなわちそれは、居住、教育、保健、社会的サービスへのアクセスといった領域においても感じられる」(欧州 委員会 1992)

つまり、居住などのさまざまな領域において、個人が排除され、社会参加がしにくい状況が生まれてしまっているのです。

しかしながら、この言葉は欧州連合(EU)で生み出された言葉でもあり、日本ではまだまだなじみの薄い言葉であるといえます。

私たちは、路上生活者の社会的排除という点に焦点を当て、どうすれば社会参加の機会を得ることができるのかを考えています。












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