今回のテーマは「多頭飼育崩壊について」です!
集中して書いていたら少し長くなってしまいました。。最後まで読んでいただけたら幸いです☺
多頭飼育崩壊という言葉を皆さんご存じでしょうか。
お家でペットを雌雄揃えて飼っていらっしゃる方は、その子たちが勝手に繁殖しないように気を配っていると思います。
小動物なら雌雄を別々のケージに入れて飼ったり、犬や猫だったら去勢避妊手術を受けさせたり、外で知らないうちに妊娠して来ないように完全室内飼いをしたり、色々対策していることと思います。多頭飼育崩壊というのは、この管理が杜撰だった場合に起こることで、ペットが勝手に繁殖して、その子供たちがまた繁殖して、ということを繰り返して飼い主の手に負えなくなってしまうまで頭数が増えてしまう現象のことを言います。
私は猫の多頭飼育崩壊についてはいくつか事例を知っていますが、感覚的には中高年の1人暮らしの世帯で起こっている場合がほとんどな気がします。恐らく一人暮らしであるために、一歩間違えた時に周りでブレーキをかけてあげられる人がいないことが大きな原因の1つとなっていると思います。
ご高齢の独り身であれば、退職していたり、属しているコミュニティが少なかったりすることが多いので、猫にそそぐ愛情が増えるのは必然である気がします。ですがそれと同時に経済的に、去勢避妊手術を受けさせる余裕も無くなりがちです。ここで頼れる人がいないとなると、増えていく猫をどうすればよいか分からず、誰にも相談できず、けれども餓死させるわけにはいかないのでとりあえず餌だけでも与え続ける、そしてまた増えて、餌代がかさんで、もっと経済状況が悪くなる、指数関数的なスピードの負のスパイラルが生まれてしまうのです。
その状況に陥ってしまったけども、たまたまその状況に気づいた外部の人が背中を押してくれたことで、NPOやボランティア団体、もしくは行政に相談を持ちかけることができて、問題解決に一歩踏み出せた人を何度か目にしたことがありますが、どなたも皆、半分安心、半分罪悪感の涙を流していました。
こんな後悔をしないためにも、一番大切なのは、飼う前にちゃんと計画を立てることですね。
人間にも人生設計というものがありますよね。人生スケールの長期的なスパンで、「夢をかなえる」だったり、「幸せになる」だったりの様々な目標からそのために必要な行動を逆算していくことによって、時期ごとにやらなければならないことを明確にできるアレです。
ペットを飼うなら、ペットの人(?)生設計も飼い主がしてあげないといけないと思うんです。もちろん無意識にでもちゃんと将来のイメージを持っている飼い主さんがほとんどだとは思いますが。
その一部には、ペットの繁殖に関することも当然含まれますよね。
ペットに繁殖を望むのか否か、もし望むのなら何匹までなら責任をもって飼えるのか。飼うことのできる限界頭数を超えて生まれてきた場合の譲渡先はどうするのか。生まれてきた子供たちにももちろん繁殖能力はあります。それ以上必要ないなら、どうやって繁殖を防ぐのか。去勢避妊手術を受けさせるのか。その費用を支出する余裕はちゃんと持てているのか。先に考えておかなければならないことが沢山あります。
綿密に計画をたてることは本当に大変ですが、これを怠ると前述のような辛い場面に立ち会うことになります。
時には想定外の事態も起こりますが、そんなときは迷わず“早期”に、地域の保護団体等に頼っていただきたいです。
調べる手段が無かったり、勇気が出なかったりするときは、まずはどうか周りの人、近所の人を頼っていただきたいです。そして周りの人は頼らせてあげてください。規模が大きかろうが小さかろうが、そもそもこれは個人で解決できる問題では無いので。
余談ですが、大学の講義でコンクリート構造物について学んでいるとき、「補修」の単元で、ライフサイクルコストを考慮すると、小さな異変(微細なひび割れとか)が見つかった時点で逐一補修を行うのが結局一番安く済みますよという話がありました。
小さな異変というのは頻繁に起こるものなので、いちいち補修しているとキリが無い気がして見過ごしちゃいがちなんです。しかしそうしていると、その小さなひび割れから雨水が中に浸透して、内部の鉄筋を錆びつかせ膨張させ、さらに早いスピードで劣化が進み、ひび割れ箇所が増え、大きくなっていくのです。
こうなってしまうと、中の鉄筋ごと取替えなければならないのでそこの周りのコンクリートを全部砕いて剥がさなければならなくなり、そのためにはかなりのコストがかかってしまうのです。ひび割れが小さい時点で補修するなら、ペーストを隙間に塗り込むだけで済むわけですから、そのコスト差は一目瞭然です。なので、小さな異変も、見過ごさず後回しにせず早いうちに補修を依頼しましょうねという話です。
動物を飼う上でも同じことが言えるなとこれを聞きながら考えていました。問題が起きても早期に解決に踏み出すことが、結局猫の命にも、人間のお財布にも一番優しいのです。
何かやらかしてしまって、心がひび割れても、さっさとペーストを塗り込んでやってください。ほったらかして劣化が進んで、心を砕くような辛い思いをする前に。
ネット記事チックに締めてみました(笑)
ありがとうございました。
集中して書いていたら少し長くなってしまいました。。最後まで読んでいただけたら幸いです☺
多頭飼育崩壊という言葉を皆さんご存じでしょうか。
お家でペットを雌雄揃えて飼っていらっしゃる方は、その子たちが勝手に繁殖しないように気を配っていると思います。
小動物なら雌雄を別々のケージに入れて飼ったり、犬や猫だったら去勢避妊手術を受けさせたり、外で知らないうちに妊娠して来ないように完全室内飼いをしたり、色々対策していることと思います。多頭飼育崩壊というのは、この管理が杜撰だった場合に起こることで、ペットが勝手に繁殖して、その子供たちがまた繁殖して、ということを繰り返して飼い主の手に負えなくなってしまうまで頭数が増えてしまう現象のことを言います。
私は猫の多頭飼育崩壊についてはいくつか事例を知っていますが、感覚的には中高年の1人暮らしの世帯で起こっている場合がほとんどな気がします。恐らく一人暮らしであるために、一歩間違えた時に周りでブレーキをかけてあげられる人がいないことが大きな原因の1つとなっていると思います。
ご高齢の独り身であれば、退職していたり、属しているコミュニティが少なかったりすることが多いので、猫にそそぐ愛情が増えるのは必然である気がします。ですがそれと同時に経済的に、去勢避妊手術を受けさせる余裕も無くなりがちです。ここで頼れる人がいないとなると、増えていく猫をどうすればよいか分からず、誰にも相談できず、けれども餓死させるわけにはいかないのでとりあえず餌だけでも与え続ける、そしてまた増えて、餌代がかさんで、もっと経済状況が悪くなる、指数関数的なスピードの負のスパイラルが生まれてしまうのです。
その状況に陥ってしまったけども、たまたまその状況に気づいた外部の人が背中を押してくれたことで、NPOやボランティア団体、もしくは行政に相談を持ちかけることができて、問題解決に一歩踏み出せた人を何度か目にしたことがありますが、どなたも皆、半分安心、半分罪悪感の涙を流していました。
こんな後悔をしないためにも、一番大切なのは、飼う前にちゃんと計画を立てることですね。
人間にも人生設計というものがありますよね。人生スケールの長期的なスパンで、「夢をかなえる」だったり、「幸せになる」だったりの様々な目標からそのために必要な行動を逆算していくことによって、時期ごとにやらなければならないことを明確にできるアレです。
ペットを飼うなら、ペットの人(?)生設計も飼い主がしてあげないといけないと思うんです。もちろん無意識にでもちゃんと将来のイメージを持っている飼い主さんがほとんどだとは思いますが。
その一部には、ペットの繁殖に関することも当然含まれますよね。
ペットに繁殖を望むのか否か、もし望むのなら何匹までなら責任をもって飼えるのか。飼うことのできる限界頭数を超えて生まれてきた場合の譲渡先はどうするのか。生まれてきた子供たちにももちろん繁殖能力はあります。それ以上必要ないなら、どうやって繁殖を防ぐのか。去勢避妊手術を受けさせるのか。その費用を支出する余裕はちゃんと持てているのか。先に考えておかなければならないことが沢山あります。
綿密に計画をたてることは本当に大変ですが、これを怠ると前述のような辛い場面に立ち会うことになります。
時には想定外の事態も起こりますが、そんなときは迷わず“早期”に、地域の保護団体等に頼っていただきたいです。
調べる手段が無かったり、勇気が出なかったりするときは、まずはどうか周りの人、近所の人を頼っていただきたいです。そして周りの人は頼らせてあげてください。規模が大きかろうが小さかろうが、そもそもこれは個人で解決できる問題では無いので。
余談ですが、大学の講義でコンクリート構造物について学んでいるとき、「補修」の単元で、ライフサイクルコストを考慮すると、小さな異変(微細なひび割れとか)が見つかった時点で逐一補修を行うのが結局一番安く済みますよという話がありました。
小さな異変というのは頻繁に起こるものなので、いちいち補修しているとキリが無い気がして見過ごしちゃいがちなんです。しかしそうしていると、その小さなひび割れから雨水が中に浸透して、内部の鉄筋を錆びつかせ膨張させ、さらに早いスピードで劣化が進み、ひび割れ箇所が増え、大きくなっていくのです。
こうなってしまうと、中の鉄筋ごと取替えなければならないのでそこの周りのコンクリートを全部砕いて剥がさなければならなくなり、そのためにはかなりのコストがかかってしまうのです。ひび割れが小さい時点で補修するなら、ペーストを隙間に塗り込むだけで済むわけですから、そのコスト差は一目瞭然です。なので、小さな異変も、見過ごさず後回しにせず早いうちに補修を依頼しましょうねという話です。
動物を飼う上でも同じことが言えるなとこれを聞きながら考えていました。問題が起きても早期に解決に踏み出すことが、結局猫の命にも、人間のお財布にも一番優しいのです。
何かやらかしてしまって、心がひび割れても、さっさとペーストを塗り込んでやってください。ほったらかして劣化が進んで、心を砕くような辛い思いをする前に。
ネット記事チックに締めてみました(笑)
ありがとうございました。
多頭飼育崩壊での設計プランから人生プランにつながる話、すごく興味深かったです!!
以前、里親から猫を譲り受けたときは、ゲージの準備や様々な制約を準備しなければ飼えないといった説明を受けました。
そういった入念な設計をしてこそ、動物の幸せや飼い主の幸せに繋がりそうですよね。
こんな素敵な記事を書いていただきありがとうございます。
みやいさん
いつも記事を読んでくださってありがとうございます。
保護猫の譲受は決まりが多くて大変ですよね。ですがそれをクリアできたときに更にその子への愛情や覚悟が深まることと思います。
みやいさんのように、互いの幸せのために未来を設計できる方が増えるといいなと願っています☺️