一世一代限りの命を守る

お久しぶりです。春が訪れたと思ったら、もう葉桜になりつつありますね。不安定な気候に振り回されている今日この頃です。
 今回の話は「あるねこ」にクローズアップしたお話です。

 その子は地域で一番長生きな子でした。一時期近隣トラブルによりその地域のねこほぼ全滅したときの数少ない生き残りでもありました。
 TNR済だったこともあり、わたしたちはその子を見守っていました。ある時からその子はあまりご飯を食べなくなり、水ばかり飲むようになりました。
 老衰かもしれない。でもどのように対応するのがいいのか。このまま見守るだけではだめなのか。てくねこでも話し合いがされました。すると、その地域のおばあさんがその子のために簡易的なお家を作ってくれました(もちろん土地管理者には了承を得て)。
 そして、ある日。その子はそのお家で眠るように亡くなっていました。お家をつくってくれたおばあちゃんは「この子は座布団で今まで眠ったことはなかっただろうから最後はそこで眠れて幸せものだ」とのようなことを言っていました。

TNRには去勢手術をしたねこ、その一世一代の命を責任持って管理するところまで含まれます。考え方は人それぞれかもしれませんが、私はおばあさんのようにその子に対して特別な思い入れを持って行動することも大切なのかなと思いました。猫だけではなくそのおばあさんの生きがいにもつながっていくのが猫と人との共生にもつながるかと思いました。

命が尽きればもうそれでおしまいです。未来の話はできません。過去しか話せません。それは時々虚しさを伴います。
それでもこのねこの話を私は忘れたくないし、これからも伝えていきたいと思います。