大土村のホープ!【編集部の春休み14】

新年度のはじまり、久しぶりに会う友達とも、はじめましての人とも、
「春休み何してたの?」から会話が始まることって、よくある。
食べタイ編集部員にも「春休み何してたの?」と聞いてみると、それぞれの分野での活動がたくさん出てきた。
そんな編集部員の春休みを紹介しちゃおう!という企画が、この【編集部の春休み】。
第14弾は、食べタイ編集部員岩田なつこの春休み。

聞き手:和仁奈緒子(食べタイ編集部/鳥取大学)

 

明治大学農学部の彼女が、春休みに向かったのは、石川県。
100年前の最盛期には、297人が大土村に住んでいたそうだ。
しかし現在の住人は、たった2人+猫1匹

2人しか住んでない村があるの??!

地域活性化に興味がある彼女は、こう言う。
「シャッター街や空き家などには魅力がいっぱい。だからとにかく魅力を引き出したい。」自らこの活動を見つけ、さっそく大土村に。

都会で生まれ育った彼女だが、大学生になり、知人に紹介されたNIPPON TABERU TIMESの活動を続ける中で、多くの農家さんや村に足を運んできた。

行ってみよう!そう思ったら行動する力をめきめきとつけている。

大土村では、彼女を含め6人のボランティア一緒に畑での作業と空き家活用プロジェクトを中心に行った。


畑でやったこと

イノシシなどの獣害対策のために、畑の周りにフェンスを巡らせる。試行錯誤して納得できるものができた。しかし、彼女はここでは終わらない。

作ったら作りっぱなしではなく、本当に効果があるのか、現場を再び調査し、改善したいと考えている。

3月になると、豪雪地帯の大土村も冬を越し、春らしくなる。
「自分で野菜を自給するということの充足感と大変さを知るきっかけにしてほしい。」
自給自足に関心をもつ村の人と、春野菜や夏に向けて種をまいた。できるだけ自分たちで野菜を作り、調理するときは火をおこし、みんなで囲炉裏を囲みながら一緒に時間を過ごす。

現代の私たちが、もっと大切にしたいことがここ大土の暮らしの中にはあると言えるのではないだろうか。
これも村の活性化の引き出しの一つになることだろう。

空き家活用プロジェクトのハードルは高い!

今回6人のボランティアの中で2人はロシアとドイツからやってきていた。
日本の田舎暮らしを体験してみたかったそうだ。

なぜ彼女は、空き家活用や地域活性化に興味があるのか。

「空き家は文化的には価値の高いもの。誰からも必要とされていないことが悲しい。」 最初にこの答えが返ってきた。

空き家をゲストハウスにし、日本国内外から人が来て滞在できる場所をつくる。
近々、このプロジェクトは法人化し、本格始動する。

一方で、空き家を活用することは必ずしも容易ではない。
「いわゆる田舎のしがらみのようなものを強く感じた。」と言う。

例えば、村には多くの空き家が存在している。しかし、その一軒一軒、一つ一つのモノには、所有者がいて、彼らの合意や了承を得なければならない。

モノのみならず、家や土地に対する、村には住んでいない所有者の執着が強い。これが空き家活用を始める際のハードルを上げてしまっている。

村を活性化するための活動をしたい若者達がいる一方で、所有者の人たちの中には、同意しない人も多い。

「人の意見だから仕方がないのかもしれないけれど…。
柔軟で、現代的な思考の大切さにも気づいてほしい。自分の殻やコミュニティーに閉じこもり依存するのはよくないと思う。」 と彼女は考える。

彼らをどう説得し、巻き込んでいくのかがこれからの大きな課題と言えるかもしれない。

先人たちの知恵が詰まった大土村の魅力をどんな風に引き出していくのか。
今後の彼女の活動が楽しみだ!

彼女は、村の活性化のために、大土にインパクトのある名物的なものを考案したいと思っている。彼女たちのような若いボランティアたちが村を盛り上げ、注目されていくと私は思う。


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