私を変えた人たち ~部活動での人間関係を通じて~

部活動での「人間関係」について、私自身の思いを綴ったブログの第2回目になります。

前回は「行動力」に関する内容でした。今回は、「物事に対する向き合い方」に関して、私が影響を受けた先輩についてご紹介します。


「自分自身、仕事はできない方だと思っている。だから、幹部の仕事をする時には同期に逐一連絡を取り合うようにした。」 ー松下先輩ー

卒業式での一コマ。学科の先輩ということもあり、憧れの先輩でした。


松下先輩は、本当に謙虚な方でした。

(松下先輩も、前回ご紹介した鵜飼先輩と同様、自分より学年が3つ上の先輩です。大学卒業後は院に進学され、今年の春、院を卒業されました。)

 技の指導をお願いした際、先輩はよく「自分はそんなに上手な方ではないし、もっと上手な先輩に教えてもらった方がいいよ」と仰っていました。しかし技を受けたとき、なぜ謙遜されるのだろかと思うほど、一つ一つが精密で、「止めようと思っても止められない」技をかけていました。体術は勿論、武器術、特に杖術のバリエーションが豊富で、先輩が道場に来られた時は必ずといっていいほど杖術のご指導をお願いしました。指導されるときも、「この動きまでは良かったから、その後の、この部分の動きをもっと意識して欲しいかな」と非常に具体的でわかりやすいアドバイスでした。



 「公式の飲み会では、ビールを含めたアルコール類が切れてしまうのが一番まずいから、常に補充できるような工夫はしていたね。現役生の部員何人かを別々の席に配置して、その席のアルコール類が切れそうなら自分に報告するようなシステムを作っていたね。」

先輩が幹部時代を振り返り、自身が意識していたことを話された中で、印象に残った内容です。しかし同時に、「仕事をする能力」に関しては先輩自身は否定的であり、冒頭のようなこともよく仰っていました。


 幹部が交代すると、就職活動や院進学のため、殆どの4年生が道場に来なくなります。院生の場合、講義や実験で4年生以上に道場に来ることが難しくなります。しかし、松下先輩は院進学後も忙しい中で道場に来てくれました。(文武両道を実践されていたのが印象的だったので、先輩のことをブログに書きたいです!と相談したところ、両立はできてなかったけどね、と仰っていました。4年生で引退し、そのまま一度も道場に来られることなく卒業される先輩も多いため、松下先輩は両立されていたと私自身は思っています。)


宅飲みでの一コマ。関節技をかけている場面でしょうか?


 「自分に自信を持つ」という生き方は自己嫌悪に陥ることが少ないように思えたこともあり、私はそのような考え方ができる人を羨ましいと思ったことがありました。一方で、その考えが強すぎるために他人と衝突するような場面も数多く見てきたため、「自分自身を厳しく見つめる」先輩の姿勢には非常に大きな影響を受けました。


 4年生となり、卒業研究に携わるようになってから、自分が忘れていたこと、知らなかったことに多く出会うようになりました。それらに対する素直な反省、それをものにするための取り組みを続けています。他人が何らかのミスをした際は、自分もするかもしれないということを念頭に置き、ミスに対処しています

仮に自分に自信を持っていたならば、現状を変えようという気にはならないはずですし、他人のミスにも目くじらを立てていたことでしょう。先輩の姿勢は、研究室という「社会生活」を送るうえで、非常に参考になっています。


 私は「謙虚な姿勢」の大切さを、松下先輩から学びました。