物乞いに対する観光客の正しい振る舞いとはなにか

みなさんは、海外に行ったとき、物乞いや物売りと出会った時どうしていますか?

その時、お金を渡す人、物を買ってあげる人は中々いないんじゃないかなと思います。ぼくもそうです。僕たちにとってみれば1ドルなんて安い金額ですし、買うことなんて容易なことのはずです。なのになぜ買わないのか。

よく言われるのが、一回彼らにお金を渡した事で問題の解決にならないだと思います。僕もそう思います。ただそれと同時に渡さなくても問題の解決にならないよね。とも思います。今日、彼らにお金を渡す事で彼らはご飯を食べることができます。渡さないことで何も食べることができないかもしれません。だったら問題の解決にならなくても渡す方が良いか。と思います。

しかし、なぜか躊躇してしまいます。

なぜ心の中に物乞いにお金を渡すことや、物売りから物を買うことが全面的に善い事であるという認識がないのか。もてないのか。

ぼくはずっとこの感情を説明、理解することができていませんでした。

そこである一冊の本に、僕の求める答え、欲しかった答えが書いてありました。

以下本文参照 

『「彼らに一々お金をあげても何の解決にもならないし、キリがない。だからあげるべきじゃない。」

たしかにそういう見方もできるでしょう。しかし、彼らの収入を見ればわかるように、みなギリギリでその日暮らしをしているのです。もしあなたが買ってあげなければ、彼らはその日ご飯を食べることができないかもしれないのです。もしそれが何日も続けば体を売ったり、犯罪行為に手を染めるしかなくなってしまうのです。そうした現実を前に、「解決にならない」とか「キリがない」と理屈を並べてたった数十円をケチるのはどうなのでしょう。そもそも、なぜその程度の買い物や喜捨を小難しく、高尚に考えなければいけないのか私にはわかりません。私はもっと簡単に考えるべきだと思うのです。物売りを目にしたら「がんばってるなー」ぐらいに思って、安い物を買ってあげればいいと思うのです。お菓子にしたってティッシュにしたって十円程度です。ぼられたって大したことはありません。」

これを読んだ瞬間、ハッとさせられました。現実を深く考えず思考を止めてしまっていたと気づきました。

みなさんは、途上国の、いや途上国だけではありませんが、物乞いや物売りに対する観光客の正しい振る舞いってなんだと思いますか?

〈参照〉『絶対貧困-世界リアル貧困学講義- 石井光太 著 新潮社

ぜひみなさんも。