自分は中学生のころ、家にお金がなくて塾に行けなかった。
もともと学校や学ぶことは大好きだったが、片親家庭のため家も忙しく、勉強もわからなくなると授業をさぼりがちになった。
このままじゃいけない。でも、どうしたらいいかわからない。そんな思いでネットを見ていたとき、たまたま「無料塾」という存在を知った。
そこは、学びたい気持ちさえあればお金がなくても勉強できる場所。「こんなところがあるのか！」と驚きと期待をもったのを覚えている。しかし、中学生の自分が家から通える範囲に無料塾はなかった。
そのため無料塾に通うことは諦めたが、3年生になった自分はなんとか県立高校に合格した。
高校の入学式を終えると、「自分の受験は終わったけれど、後輩や近所のこどもの中に、まさに今そんな状況の子がいるんじゃないか」と疑問をもつようになった。
それからだんだんと社会や地域のこどもについて考えることが増え、「これからのこどもたちには望んだ時に学びの場を手にしてほしい」と強く思いはじめた。
でも、今の地元にはそんな場所がない。
だったら、まずは自分からはじめてみよう。
自分たちで、だれでも通える学びの場をつくろう。
こうして、今自分にできる一歩としてボランティア団体をつくることを決めた。
目標にしたのは、「自分と相手の可能性に気づける場所」「未来に自信と希望をもてる場所」をつくること。
これに共感してくれたメンバーとともに、2017年5月にあすのち（当時の団体名：夕暮れ学級さつき）を設立した。
こうして立ち上がったから、自分にとってあすのちはただそこにあるだけで奇跡で、希望の詰まった存在だ。
それは、こどものもつ環境や可能性と関われること、そのひとりひとりに関わり応援している人がいるということだから。
あすのちのビジョンは、こどもが自分の明日を信じていける社会の実現だ。
今までもこれからも、楽しかったり、大変だったり、いろんな1日に出会うと思う。
だから、今日がどんな今日だったとしても、明日をつくろうと思えるような社会をつくりたい。こどもが地域や人との多様な関わりを通じて、自分の可能性を感じたり、自分の力を発揮する体験をして、これから先がちょっと楽しみになるような場所を目指したい。
4年目も変わらない思いのまま、でも変わり成長し続けながら、あすのちは活動していく。自分たちが好きな場所を、見てみたい明日を、自分たちの手でつくっていく。
もしよかったら、あすのちのこと、応援してください。
一緒にそんな未来をつくりたいです。
