皆様、はじめまして。日和のhinakoと申します。
日本文化を国内外に発信し、その楽しさ、美しさを感じる気持ちを共有して頂けたらと思っております。
沢山ある日本文化の中で、私は将棋についてご紹介したいと思います。
将棋をはじめる前に
日本の伝統文化は礼儀作法を重んじる『美』の世界です。将棋を学ぶときは、棋力(将棋の実力)上達だけでなく、礼儀作法も学びます。お茶に茶道、お花に華道があるように、将棋には棋道とよばれるものがあります。将棋という競技が文化と呼ばれるのは、この棋道があるからなのです。棋道は棋力だけでなく、競技としての美しさ、品格を追求し、人間としての精神を成長させようというねらいがあります。
棋道の出発点「あ・し・か」
「あ」は挨拶
「し」は静かに
「か」は勝っても喜ばない
自制心を育てる
そもそも将棋は勝利が第一義に存在しない稀有な競技です。競技の終了は、「負けました」という敗者の宣言によってなされます。その後に勝者が確定し、勝者は「ありがとうございました」という言葉で確定します。知力を磨くのに協力してくれた相手に感謝の念をこめて挨拶をします。勝利の喜びを表現せぬという点が、日本人が培ってきた競技文化の美学とも言えます。興奮を自制せねばならないのです。
将棋の歴史
約4000年前、インドで遊ばれていた『チャトランガ』というゲームが、世界中に現存している『将棋の祖先』だと言われています。時代を経てそれぞれの国の文化の特徴があらわれて、さまざまな色や形の違う西洋のチェスや中国の象棋や日本の将棋へと変化していきました。
家元と御城将棋
江戸幕府は将棋の大橋宗桂に俸禄を支給し、宗桂は家元として将棋所を唱えるようになりました。大橋本家以外に、大橋分家・伊藤家の将棋家元があり世襲制でした。八代将軍徳川吉宗は、将軍の御前で指す「御城将棋」を年に一度、11月17日に行うことを制度化しました。現在、日本将棋連盟ではこの日を「将棋の日」と定めています。しかし江戸幕府が滅亡すると、将棋三家は経済的な基盤を失い終焉を迎えます。
日本将棋連盟の創立
11世名人伊藤宗印を最後に家元制度は終焉を告げます。しかし庶民の間に根強く生き残った将棋は、東京の棋士と関西の棋士の合流により、現在の「日本将棋連盟」となりました。団体が結成されることによって、賞金による安定的な収入が得られるようになり、将棋を専業とすることが可能になりました。
日本将棋の特徴
日本の将棋は他の国にはない独特なルールがあります。それは、取った駒を自分の駒として再使用できること(持駒)です。このルールのためにゲーム性をより面白いものに高めています。
将棋の駒の種類
駒は8種類あります。駒の一文字目は「玉」「金」「銀」「桂」「香」で宝物に由来するとされています。「桂」は想像上の『宝木』のことで、「香」は『香木』より名づけられたようです。「歩」は宝物の運搬の役目です。動きの多い「飛」「角」は、「歩」では宝物の運搬がむずかしくなった場合に必要だったのかもしれません。駒はそれぞれ動き方が違います。
「玉」は「玉将」と「王将」の2種類があります。働きは同じですが、年長者や上級者が「王将」を持ち、対局することになっています。
将棋の基本ルール
- 先手、後手が決まったら挨拶をしてまず先手が、次に後手が駒を動かす
- 一手ずつ交代
- 駒を進めるマス目に相手の駒があるとき、その駒を取って自分の駒を進めることができる
- 持駒は空いたマス目に打つことができる
- 相手の「玉」の逃げ場がなくなる状態(詰む)にするか、次の一手で「玉」を取る状態(王手)にすると勝ち
駒を成る
将棋盤の手前から三段目までを「自陣」、向こう側を「敵陣」といいます。敵陣に入ったとき、もしくは敵陣にいる自分の駒が動いたときに、駒を「成る」ことでパワーアップすることができます。「成る」か否かは、駒の特性をいかすためによく考えて決める必要があります。
将棋会館
将棋のことが少し分かってきたら、対局してみるのはいかがでしょうか。盤を挟んでの対局は、国籍、老若男女を問いません。言葉のいらない交流を楽しんでみませんか?
是非、将棋会館に足を運んで対局相手を探してみてください!
東京都千駄ヶ谷 将棋界の総本山 将棋会館
大阪府大阪市福島 関西将棋会館道場
お値打ちなプラスチック駒を買いました。
適当な盤があるので、終了後磨く必要のないプラスチック駒。けっこう手触りは良いです。
二枚とも王将でした😁。
始めまして。有段者ですが対局はしません。勝敗に興味ないので。しかしひなこさんからあしかのことを知り、将棋を見直しました。ありがとうございました。
定石はあまり好きではないですが、力戦もいまいち。結局木の駒と盤と、それらを指先で扱うことが好きみたいです。囲碁も有段です。
これからも棋道としての文化、人間性について教えて下さいませ。
将棋はただの遊びではなく、心の面でも鍛えられるというのを理由も含めて深く知れました!
時間があるとたまに将棋をやっていますが、「あしか」初めて知りました。
負けず嫌いなので勝ち負けにこだわってしまいがちですが、精神の成長も意識するようにしたいと思います!
小学生ぐらいの頃に将棋をやっていたのですが、そのときに将棋の目的などは考えおらず、「あ、し、か」も全く守れていなかったなと思いました。
今後、将棋をする時にはしっかりと意識して精神を成長させていきたいです。