着物 〜加賀友禅とその歴史〜

着物。 今では七五三や冠婚葬祭などでしか着ませんが、その美しさは国内にとどまらず海外の方までをも魅了しています。今回は中でも特に個人的に思い入れのある加賀友禅と、その歴史について書こうかと思います。私が7歳の時の七五三で着た着物は加賀友禅でした。当時はきついし暑いしとそこまで好きではなかったのですが、今写真を見返すと、綺麗で細かい模様や色彩などに見入ってしまいます。

⚫︎加賀友禅の歴史

加賀友禅の始まりは今からおよそ500年前、加賀国独特の染め技法であった無地染の「梅染」に遡ります。そして17世紀に入り模様が施されるようになりました。江戸時代の中頃、当時京都で人気の扇絵師であった「宮崎友禅斎」が金沢に移り、斬新なデザインの模様染を次々と創案します。友禅糊の技術も同時に広め、加賀友禅の発展に大きく貢献しました。


⚫︎加賀友禅の特徴

加賀五彩( 臙脂 黄土  古代紫)と呼ばれる色彩を主に使い、写実的な草花模様が描かれた絵画のような図柄が特徴です。そもそも友禅とは絹布などに、豊富な彩色で花鳥、草木、山水などの模様を鮮やかに染める日本の代表的な着物の彩色方法の一つです。先程出てきた、友禅染めを考案した「宮崎友禅斎」という人名に由来しています。加賀友禅は有名な日本三代友禅の一つであり、京友禅、東京友禅と並びます。ただ模様は京友禅とは対照的に金銀箔や加飾や刺繍はせず、染色以外の技法を用いないことで知られています。着物に美しい自然の息吹を封じ込めた加賀友禅には、繊細な日本人の心が絶えることなく脈々と息づいているように感じます。


⚫︎加賀友禅の興味深いところ

ここからは完全に私の独断と偏見で面白いなと思ったところを挙げていこうと思います。

加賀友禅の自然をそのまま取り込むという精神から、虫が食った葉や、変色した病葉(わくらば)もあえて書くそうです。変に美化した世界観ではなく、現実の自然を美しく表現する考え方は非常に興味深いと思いました。

先程紹介した加賀五彩はどれも武家好みの渋い色です。これは北陸の曇り空の多い気候で見られる色と同じでとも言われています。北陸の気候と質実剛健な武家の気風が加賀友禅の落ち着きがありつつも優美な作風に大きく影響を与えました。

⚫︎まとめ

今回リサーチをして初めて知ったことばかりで、加賀友禅の奥深さに気付きました。皆さんも是非七五三などで着た着物について調べてみてはいかがでしょうか。今度加賀友禅を見る、着る機会があれば模様や肌触りなどにも目を向けてくださればと思います。






chinatsu
2020.06.02

着物の彩色方法の種類や、そこに込められた土地に根差した精神があることを知りました!
浴衣と違って着物を着る機会は少ないですが、着る時はその色や細かい模様にも目を向けようと思います

まこ
2020.05.31

最近は着物を着る機会が少なくなっているので、着物の肌触りや細かい刺繍に目を向けることが少なくなっていて残念です。本当に伝統衣装って素敵ですよね!

T
2020.05.31

部活で着る着物はほとんどが祖母のおさがり、七五三できた着物や成人式で着る予定の着物は母のおさがり、と自分自身で着物を買うことがなく、どの着物かも注目したことはなかったけれど、母や祖母に話を聞いて調べてみようと思いました。

あん
2020.05.31

加賀友禅の着物着てみたいです!普段着物を着ることがあまりない(浴衣はよく着るのですが)ので、今度機会があったら着てみたいと思います!加賀五彩素敵です✨

Ayaka
2020.05.31

私も着物が大好きです!細かくて上品な模様がとても素敵ですよね。加賀友禅のことはあまり知らなかったのですが、自然をそのまま取り込むという精神はとても興味深いです。

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