僕がKAPに入った理由|「海外」×「衛生支援」×「子ども」×「ボランティア」

こんにちは。KAP11期の川合光です。

 

僕自身は、2018年の夏にカンボジアを訪れました。

今回は、そもそも団体に入った理由を絡めながら、KAPの活動で得た価値観についてお話します。


まずは、僕が考える関西あおぞらプロジェクト(通称:KAP)の方程式を紹介します。

 

「KAP」=「海外(カンボジア)」×「衛生支援」×「子ども」×「ボランティア」

 

で表せると思っています。実は、この方程式の構成要素すべてが、僕がこの団体に入ることを決めた理由です。

 

この4つの要素を中心に、お話しできたらなと思います。

 

☆「海外(カンボジア)」

 僕は高校生の頃に、洋楽や洋画に夢中になり自然と海外に目を向けるようになりました。外国というものに抵抗が少なく、また日本国内より新しい刺激が得られると思いサークルに入りました。

 実際にカンボジアを訪れると、そこには自分の領域外の世界が広がっていました。

カエルやワニ、サソリやタランチュラを食べる食文化も、発展途上の光景も(繁華街は整備され夜まできらびやかな一方で、貧困地域では何もない草原が広がっていました。)すべて、初めてで、刺激的な体験でした。

この経験から、異文化への関わりの大切さについて学びました。なぜなら、異文化に触れることは、自分自身の視野が広がるきっかけになるからです。例えば、カンボジアに行かなければ、「歯磨き習慣が根付いていないにも関わらず、最近のお菓子が普及したことによって、子どもたちの虫歯の割合の高さが異様である」ということは知らないままだったと思います。そしてこのように多文化を知ることは、1つの物事に対して多角的に視る力を養ってくれます。将来、ある課題が浮上したときに、他の人とは違う切り口から課題解決を図れるかもしれません。グローバル社会といわれる現代において、多様な経験が価値を生むのではないかと考えています。


☆「衛生支援」

 海外ボランティアについて、学校を建設するなどの箱モノ制作を行うイメージが強いのではないでしょうか。そのようなハード支援がある一方で、衛生支援というソフト支援をしているKAPの活動に惹かれました。

 そして実際に手洗い・歯磨きの講習会を行って思ったことがあります。それは、私たちの活動が「物じゃなくて事(=体験)を創っている。」ということです。そして体験というのは、作り手と受け手がいて初めて成り立つものです。つまり、僕たちKAPメンバーと現地の子ども達のつながりが大事になります。お互いのつながりを感じながら、何もない空間を楽しい空間に変えていく共同作業をすることが、講習会、ひいてはソフト支援の本当の楽しさなのだと思います。僕たちと子どもたちの共同作業が、歯磨きが習慣となる文化を創り上げてくれることを願っています。

 

☆「子ども」

 幼少期から、お世話好きな性格でした。たぶん、感謝されることが好きだったのだろうと思います。ボランティアを選ぶ際も、子どもたちと密接に関わることのできる団体に絞っており、実際子ども達に向けて、手洗い歯磨きの講習会を行うKAPに決めました。

 そしてカンボジアに訪れて最も思ったことは、「年齢が幼くなればなるほど、言語は十分条件でしかない。」ということです。語学については、社会においても重要視されます。勿論、講習会の際のクメール語の通訳の方を交えて行っています。しかしながら、「遊び」という場面において、言語は十分条件でしかありません。外遊びをしているときに、子ども達がちょっかいをかけてきて追いかけたら、鬼ごっこが始まります。また、紙ヒコーキを創ってあげればみんな取り合って遊びます。言語を使わなくても、コミュニケーションが可能なわけです。この経験は、僕の将来を考えるうえでも印象に残る出来事でした。

 僕は大学でコンテンツビジネスについて学んでいますが、これらの経験から、将来はどのような国籍の子ども達も楽しめるようなモノを作りたいと考えるようになりました。日本の子ども達も、カンボジアの子ども達も楽しいと思ってもらえて、彼らの成長につながるようなエンタテイメントを創ることが今の目標です。

 

☆「ボランティア」

 最後にボランティアについてです。この文章を見てくれているほとんどの方はボランティアをすることに対して憧れがある人も多かったりするのかなと思います。僕自身、大学に入ったら、ボランティアとして「誰かの為に何かをしたい。」と思っていました。なぜそのように思うのか考えたところ、幼少期の経験にたどり着きました。幼少期を東北で過ごした僕は、東日本大震災を経験しました。そのなかで食べ物や飲み水を手渡してくれるボランティアの方を見た時に、「直接手を差し伸べられる人の偉大さ」というものを感じていました。そのため、ボランティアに対して憧れを抱いていたのだと思います。

 実際に僕がボランティアをしたときに、正直なところそのような偉大さというものは感じることはできませんでした。なぜなら、カンボジアの子ども達の為に手洗い・歯磨きの講習会をしたことで、(これまで述べてきたように、)僕自身が得るものが多かったからです。

ボランティアを自己満足ということは、あながち間違いではないのかもしれません。しかしながら、その場所に求める人がいてそこで誰かの為に(無料で)行うことは、確実に価値のある行為だと思います。そもそも、社会に存在するどのような仕事であれ同じ縮図であり、ただ一点お金を貰わないことが仕事とボランティアの違いなのではないでしょうか。ボランティアをしたという経験は、将来社会に出て仕事をするときに必ず活きてくるでしょう。

 

 

以上、

「KAP」=「海外(カンボジア)」×「衛生支援」×「子ども」×「ボランティア」

から、カンボジアでの経験を振り返ってみました。

長らくお付き合いいただきありがとうございました。