「知らない環境だから行動を制限しなければ。とは思わない」
Katharsisに一番最近入ったスタッフである伊藤浩太郎は今の運営での自分の立場についてこう語る。
今回は、スタッフになって約1ヵ月で広報や企業営業に携わる浩太郎がなぜ行動を続けられるのかを彼のターニングポイントと共に紹介する。
皆さんは「誰にも信じてもらえなくなったこと」があるだろうか?
「21か月目の合宿が地獄だった。」
高校で野球部に所属し、先輩の引退と共にキャプテンに就任した浩太郎は、21か月目で仲間からの信頼を失っていた。
1年生の4月に入部して、3年生の夏に引退する。
それを月換算にすると28か月になる。この独特の表現の仕方は、彼が所属していた野球部の文化だそうだ。
「野球部の仲間から、言ってること毎回違うじゃんって指摘された」
キャプテンになって初めての冬合宿。浩太郎の精神が打ち砕かれた瞬間だった。
その場しのぎの対策、その場しのぎの会話をしていたからどんどん人が離れていったと彼は語る。
人は誰しも、目標がなく、軸のないリーダーになどついていけない。野球部のような目指すもの(甲子園)が明確な部活ならなおさらだ。
彼は、完全に部員からの信用を失った。
このやりきれない状態を身をもって感じた合宿から彼の行動は変わっていった。
現状を変えるべく、まずミーティングの体制を疑問点を共有するだけの会から、議論する場へ変えた。仲間もそれを見て、意識が変わっていった。
監督に言われてやるのではなく、自分たちで必要となる力を見極め、練習メニューを考えて提案した。
監督の意思を仲間に伝える方法を考えた。
徐々に信頼も戻りはじめ、26か月目が転機となった引退までの二か月間は今振り返っても「悔いがない」と言い切れる活動になったという。
彼はその野球部時代の経験を活かして、大学生になってからも自分で未来を考え、能動的に活動してきた。
TOMORROWGATEのイベントのスタッフをし、U-25 Kansai Pitchにもスタッフとして参加している。そして、現在はKatharsisで自らの活動基盤を固めつつある。
いったい世の中の何人の人が自分の知識のないフィールドで働くときに自分から能動的に情報を取っていけるだろうか?
その中でどれだけの人が“この人になら仕事を任せても大丈夫”と思われるだろうか?
彼は、大学生として、人間として大切なものを挫折の経験から学び、そこで折れずに今につなげている。
私は広報部長として、浩太郎になら仕事を任せたいなと思うし、任せたら求めた以上のものが返ってくる。そんな信頼関係が気付けているのはひとえに彼の今の自分の軸を持った人柄がなせることだろう。
(文/インタビュー:山下栞奈)