Magadipitaへの想いーりお

Magadipitaに入ったのは新歓期に立ち寄った時に見せていただいた紙面に魅了されたことがきっかけでした。ポップながらもどこか落ち着いた、安らぎを感じる色に彩られ、おしゃれなイラストがワンポイントで描かれたシンプルな表紙。ついページをめくりたくなってしまうような不思議な魔力が潜んでいると思うのです。そんなところに惹かれました。 

「Magadipita」とはmagazineとserendipityから作られた造語です。少し個人的な話をすると、私が好きな映画の3本指に入るものに、「serendipity」という映画があります。ニューヨークが舞台の、偶然の出会いを重ねて結ばれてゆくカップルを描いたラブストーリーで、ホワイトクリスマスがよく似合うロマンティックな映画です。Magadipitaもそのようなロマンティックさに触れる瞬間があると思っています。優しく語りかけてくれる文体と寄り添いを感じるデザイン。都会にも自然にもおうちにも一人時間にもなじむ、Magadipita。それぞれのシーンで受け取るメッセージは異なるとしても、いろんな可能性につなげていく汎用性を持ち合わせているのだと思います。情報過多な現代でそっと大切なことを教えてくれる雑誌でありたいと感じます。さらに紙面制作に関わりはじめて気づいた新たな魅力もあります。それはコンセプトについてです。母団体のS.A.L.では長期休暇を使って海外にスタディーツアーに行く活動をしていて、私は昨年の夏にカンボジアを訪れました。政治や国民性、カンボジアの抱える社会問題について多くを学びましたが、一番の気づきは「どんな物事も対象化し、自分ごととして考えることで無限に知見が広がるということ、どんな些細なことでも少しの意識を持つだけで知識がつくのももちろん、新たなものさしや考え方を得ることができる」ということでした。グローバル化が進み社会問題も複雑化していく中で当事者性を持つことが未来への第一歩になると思うのです。こうした姿勢を投影することは「読者に日常から何かを見つけ出すきっかけになる雑誌」というmagadipitaのコンセプトにも近しいものであり、magadipitaには「制作側に母団体の経験を活かす場を与える役割」があったことを認識しました。これから制作していく中で、自らが得た経験を読者の主体性に寄り添いながらいかに身近な次元で巻き起こせるかを追求していきたいと思っています。 

そして素敵な出会いのきっかけになれる雑誌であり続けたいなと思います。