Magadipitaへの想い—はやと

実は私…

こんにちは!Magadipita制作メンバーの1人、鈴木颯人です。学生総選挙に向けた記事ということで、普段はあまり口にすることのないMagadipitaについての思いを書いてみようと思います。

見出しの「実は私…」。皆さんはこの後に何が続くと思いますか?気になる答えは…「メンバー唯一の理系」です!そう、実は私、Magadipitaでたった1人の理系なのです。ここでは、理系の私がなぜ、一見文系色の強いMagadipitaの制作に関わろうと思ったのかを交えつつ、この雑誌について語っていきたいと思います。

 

1つ目の理由「TopGear」

そもそも私がなぜ理系の道に進んだのかというと、幼いころからの「自動車の設計者になる」という夢を叶えるためでした。まだ背の小さかった頃の私は、典型的な車好きな男の子で、フェラーリやランボルギーニといった名だたるスポーツカーに憧れを抱き、いつか自分の手でスポーツカーを設計するのだと、常にそんなことを考えていました。

 

そんな私の車好きのルーツは、小学生時代に出会ったイギリスBBCの「TopGear」にあります。TopGearは、現在までに日本を含む世界215の国と地域で放映され、3億5千万人が視聴している、BBCを代表する人気長寿自動車番組です。その人気の秘密は、抱腹絶倒必須のおバカ企画と、歯に衣着せぬ3人の名物司会者にあります。コンパクトカーをスペースシャトルに改造して宇宙に発射する企画や、出来の悪い新型車の試乗レビューでは徹底的にこき下ろして放送禁止用語を連発する、といったものがその最たる例でしょう。何気なくつけていたBSチャンネルで偶然この番組を見つけてからというもの、友達との遊ぶ約束を断ってまで番組を視聴するほどドハマりし、テレビの前で笑い転げていたのはいい思い出です。

 

さて、このTopGearがどう繋ってくるかというと、この英国製の番組で、価値観の違いというものに衝撃を受けたことが肝になってきます。というのも、当時の私は典型的な日本人の集団主義的的思考に支配されており、かなりムラ意識の高い子供であったと思います。日本で育っているので当然といえば当然かもしれませんが、当時習っていた合気道の精神的哲学が強く影響していたのかもしれません。それはともかく、そんな集団主義的意識の強かった私にとって、個人主義の権化であるような、強力な自己主張をするTopGearの司会者たちはかなり衝撃的で刺激的でした。また、この番組を通じて西洋の合理主義的思想に感化されて科学に興味を持ち、理系の道に進んで夢を叶えることを決意したり、世界には様々な国があり、多種多様な文化や思想があって、さらにはそこに住む人たちの中でも異なった考え方を持っているのだと、幼いながらに気づいたりしました。この時から私は「世界」に興味をもつようになり、それと同時に、いかに自分の住んでいた「世界」が小さかったかを痛感しました。

 

私がMagadipitaに入ったのは、実際に自分自身が国内外の社会問題について学び、情報発信することで、私自身の「世界」を広げることに繋がると考えたからです。さらに、そうして制作されたMagadipitaが手に取ってくれた方にとっての偶然の出会い、すなわち誌名の由来である「Serendipity」になり、「世界」を広げる一助となれば、これほど嬉しいことはないと思います。私の人生を変えたSerendipity、TopGearのように。

 

2つ目の理由:理系だからこそ

皆さんは文理融合というワードを耳にしたことはありますか?漢字から意味は想像に難くないと思いますが、文系理系の区分にとらわれない領域横断的な学習方針のことです。近年の教育業界の中ではトレンドになっているので、なんとなく知っているといった方も多いかもしれません。実際に、私の出身校である横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校(名前が長いし厨二病っぽいので以下YSFH)にもそういった授業がありました。それはYSFHが文科省指定のスーパーグローバルハイスクール、通称SGHだったためです。SGHとはなんぞやというと、国際社会で活躍できる人材の育成を行う学校のことです。SGHとしての活動は授業科目の一つとして時間割に組み込まれ、NPOやNGOの代表の方の講義を聞いたり、社会問題の解決に向けた討論などを行ったりしました。

 

細かいことはともかくとして、高校時代にそうした環境にいたことで、これからの社会には文理融合的思考が不可欠であると思っています。例えば環境問題について考えたときに、プラスチックごみの削減目標を立てたとて、方法が「社会全体で削減するよう呼びかけ、意識する」では根本的な解決には結びつかないのではないのでしょうか?確かに一人一人の努力で多くのごみを減らせることは何ら間違ってはおらず、削減を呼びかけるというのもとても重要なことではあるのですが、様々な知識があればより効果的で根本的な解決策を打ち出せるはずです。

 

Magadipitaの母体である、学生団体S.A.L.の名前の由来はSend out(国際問題を伝える)、Aid(助けを求めている人を救う)、Learn(世界の現実を知る、学ぶ)にあります。実社会では極端に言うならば、従来は文系理系の区分でSend outやAidを分業し、解決を図るといった形態をとっていたと思います。しかしながら、私は、文理の区分なくSend out、Aid、Learnのすべてを全員で行うべきだと思っています。そうすることで、これまでにはなかった問題解決への道が開けると信じています。私は、Magadipitaの「日常生活における身近なものを切口に社会問題を取り上げる」というコンセプトに深く共感したため、制作メンバーとして活動することで、今現在は実現が難しくとも、将来的に自分自身の文理融合的Send out、Aid、Learnを行う糧にできればと考えています。