共に働く仲間への感謝、伝えたいこと。麺食が目指す未来。

1988年の創業から32年。歴史ある麺食を二代目として率いている中原誠社長のインタビュー。後編では、中原社長の職業観とともに、スタッフへの思い、麺食が目指す会社の姿をお聞きしました。

従業員一人ひとりの幸せが、会社にとっての幸せ

-中原社長の仕事観を教えてください。

僕は、ワーク・ライフ・バランスの名のもとに「仕事とプライベートをきっちり分ける」という考え方には大反対なんです! ワークとライフが何故分けられるのかが、分からない。
ライフがベースに合って、その一部にワークがあるし、ライフとワークを明確に分けて考えるということは「仕事に気持ちが入ってないじゃん!」という風にしか僕には思えない。仲間との絆が生まれたり、想い、達成感もありますから、仕事は仕事で人生のかなり大事な部分だと考えています。

嬉しいこととしては、麺食には感極まって泣くスタッフが結構いて。
 外食産業って、原材料の調達からお客様のもとへお届けするまで、たすきを繋いでいろんな人の手を渡るので、自分が思うように上手くいかない状況も沢山発生してしまうんです。

そんな時に悔しくて泣けるのは想いのこもった仕事をしている証拠ですよね。
ライフとワークを切り離していたら、泣けないと思います。それだけ全力で、一生懸命仕事できるって幸せなことですよね。

「就社」という言葉もありますが、ワークとライフを分けてしまうとライフを会社に頼ることになってしまいます。それだと、会社がなくなった時に生きていけなくなるような気がするので、会社に依存するのではなく、自分の足で立てるようになることが重要だと思います。

-麺食のスタッフにも「自分の足で立つ」ということを望みますか?

そうなってほしいです。今はどんな企業が潰れてもおかしくない時代ですから、やはり自分で立たなければいけないし、会社に就職するなんて甚だ間違っていると思いますね。

「あなたの職のプロフェッショナルは何ですか?」と聞かれたときに
「私は一人でやっていけます」と答えられる。
そういう人を増やしていくことが課題でもあり、楽しみでもあります。

 そのためにも、まずは自分のやりたいことを見つけてほしい。
若い方の中にはやりたいことが見つかっていない方も多いので、麺食がゴールではなく通過点であってもいいと思っています。さらに言えば、一度転職しても帰って来られる制度を作ってもいいなとも思っていて。その間、大学院で勉強してもいいし、IT企業やリクルート系の会社に行ってもいい。そこで、自分ができることを増やし、やりたいことを見つけられればすばらしいですよね。色々な経験を通して学んだことや得た技術を、再び麺食に戻ってきて生かしてもらえば、お互いにとっていい関係が築けるんだと思います。

プロフェッショナルであれ

-自分の足で立つためには、日頃からどのような心構えが重要だと考えますか? 

麺食という会社が通過点でもいいけれど、働くからには“腰掛け”ではなく、本気を出してもらいたいですね。

クサイ言い方をすれば、お店は“ステージ”。そして、飲食業は毎日がライブ。毎日300人、400人のお客さまに対して、さまざまな表現でメッセージを届けられるのです。だからおもしろい。
接客や商品、掃除、こまごまとした準備にいたるまで、全てが重要なメッセージになり得ると思っていますし、ライブですから、やはり惰性や慣れでやってはいけない。本気で頑張ればその分スポットライトも当たります。僕はもうステージに上がれなくなってしまったけれど、スタッフには常にそのような思いで働いてほしいですし、そう思える職場にしていきたいですね。

僕は音楽が好きなので音楽で例えるのであれば、昔から受け継がれる名曲のようになりたいんです。みんなが知っていて、好きな人が多くて、時を経ても古臭くならない曲。そういうものを、お店というステージでスタッフ一丸となって表現できたら嬉しいですね。

最も大切にしたい「想い」。そして、仲間への感謝。

ーこれからの麺食が目指す「会社の姿」を教えてください。

会社の将来ということでは、自分が死ぬ時のことを考えていますね。
自分がいなくなって誰かが社長になるときにも、麺食に在るものや麺食の商品、想いを受け継いでいきたいです。
明日会社が潰れていない保障なんてない中で会社が生き残るためには、 本気でその会社の理念を実現したいと思う仲間がどれだけいるか、が一番重要だと思います。

創業者は、何を想ってこの会社を創ったのか。
時に創業者は、何も考えずに勢いで会社を立ち上げたようにストーリーに見えることもありますが、もっともっと掘っていくと
「誰かの役に立ちたい」とか、「日本の技術をもっと外に発信したい」とか、そういう“想い”が見えてきて。

これを一番守らなければいけない。
 どんな組織においても、ずっと変わらず守り続けられている、ベースにある想いや魂を伝えていくことが大切なことなんだと思います。

「一番もうかることをやる」という理念なら、もうかるビジネスをやればいいと思いますが、僕らは違う。
「食を通じた、気持ちの温もりを伝えていく」という理念を掲げ、お客さまに喜んでいただいたり、疲れている方がホッとできる場を提供したりしたい。だから手作りであることも大切にしていますし、逆に、それさえ守っていれば、ラーメンである必要はないんです。

-中原代表の夢を聞かせてください。

「いつかは海外で仕事をしたい」という自分の夢も、麺食の商品や仲間によって実現できましたし、会社にいるスタッフは何よりも大切な存在です。

 何か判断を迫られた時に、「俺たちはこれをやろうとしていたんだよな」「これを大切にしてきたんだよな」と、麺食の理念を軸にしてスタッフ一人ひとりが生き生きと働ける場所が用意できれば、お互いにとって幸せですよね。スタッフには、自分にとっての幸せをどんどん大きくして欲しいと思います。

その先に、全員が「私に会社をやらせてください!」と代表に立候補する状態をつくっていけたら最高です。なれ合いや空気ではなく、本気で立候補してくれる。そんなチームをつくっていくことを、目指しています。

みさと
2020.12.22

中原さんの想いにとても感動を受けました。「その本気でその会社の理念を実現したいと思う仲間がどれだけいるか、が一番重要だと思います。」という部分から特に、中原代表がご自身の想いと、会社としての軸を失わずに今まで行われてきたということを感じました。自分自身これから就活を迎えたり、団体でも組織運営に携わる中で、今回の記事を読ませていただき自分自身とても深く考えさせられました。自分/自分たちの軸をブラさずにできているのか、その上で一人一人は幸せか?これから就活する上で、自分が共感する理念を持っている会社はどこだろう、など、自分個人の生活で、また団体の活動で今回呼んで感じたことを振り返させていただきます!!!

古味 元希
2020.12.21

初めまして。大阪府枚方市を拠点に活動をしております。
NPO団体KEY代表の古味です。
記事を読ませていただきました。

何事にも本気で取り組むという記事に共感を持ちました。
本気で取り組むことでわかること,できるようになることがあると思っています。
その時に意味を感じなくても近い将来,点と点が線で繋がり形になる。
僕自身そう思い,本気でvision達成に向けて取り組んでいます。

今後も,初心忘れず日々精進して参ります。

No Name
2020.12.21

はじめまして。大石と申します。
記事を読ませていただきました。

私は教育ボランティア団体の代表を務めているのですが、
メンバーが卒業をするときには胸を張って社会に出ていけるような団体にしたいと改めて感じました。

また、子どもたちがやりたいことに向かって自分の足で進んでいけるように、
設立当初の思いを大切にして活動を続けていこうと思います。

杉原 伸次
2020.12.21

大石 紗矢香さん
記事を読んでいただきありがとうございます。

私ははじめましてではないですね。
ビジョナリーコンテストの審査をしました。

ココだけの話・・・
「Cafe de 寺子屋」に一番の採点をしました。
オモイのある優しい活動に共感しました。

私も世界の子供たちのために麺食を通して何かできないか、思案しています。
お互い頑張って行きましょう。

No Name
2020.12.21

杉原さま

ビジョナリーコンテストではお世話になりました。
ビジョナリーコンテストでは想いを伝えきれなかったと悔しく思っていたので、
そのように言っていただけてとても嬉しいです。

今後も精進して参ります。
麺食さまの益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

2020.12.16

コメント失礼します。
記事を読ませていただき、「自分の足で立つ」という言葉がとても心に残りました。
ただ生活するために就職をするのではなく、会社の理念に共鳴して生き生きと働けるような人生を歩もうと中原社長のインタビューを読み、思いました!
ありがとうございました!!

杉原 伸次
2020.12.21

川幡 柚太朗さん
記事を読んでいただきありがとうございます。

川幡さんの引退の記事も拝見しました。
引退~社会に出ることは逆にスタートですね。
オモイを叶える社会人となってください。

私たち麺食も頑張ります。

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