ほとんどの患者さんは病院にいない

医療という単語を聞いたら、聴診器を付けて白衣を着たお医者さんが病院の診察室にいたり、手術室でオペをしたりする姿が思い浮かぶのではないでしょうか。医療者が患者に関われるのは、病院のみであることがほとんどです。

ということは、病院に行きたくない、行きたくてもいけない人は、見過ごされてしまうでしょう。実際、忙しくて病院に行く時間がなかったり、経済的余裕がなかったり、精神科や婦人科に行くことに抵抗があったり…と、様々な理由で病院に行かない人がいると思います。

そのような潜在的な患者さんを見過ごさないためには、
①病院に来るハードルを下げる
②病院の外に医療者が出ていく
ことが必要だと思います。

訪問診療、オンライン診療、ネット相談など、「病院」が拡大したという意味で①は様々な試みが行われるようになってきたような気がしています。それが充分かはさておき、ここで取り上げたいのは②に関してです。


病院の外というのは、病院にいない人々が暮らしている生活の場です。
病院の外に医療者が出ていくというのは、もっと人々の生活に溶け込んだ形で、医療が行われるということだと考えています。

医学を学び始めて、想像以上に分かっていないことが多い、治療法がない病気も沢山あるということを知りました。病院で治せる患者さんはとても一握りなんだと感じています。
また、最近は生活習慣病、依存症をはじめとする精神疾患など、薬で治るというよりは患者さん個人個人の生活が変わらないと治らない病気も多いです。

でも病院でしか会わない医療者が「運動しましょうね」「お酒はやめましょうね」と言ったところで、患者さんの行動を変えられるかといったら、限界があるなぁ…と思います。私は冬休みに筋トレを続けようとして1週間で挫折しました。

そう考えると、これからの医療は、人々の生活にもっと関わって、考え方や行動変容を促す仕組みづくりをしていかなければならないのではないでしょうか。
それは今までの医療とは違って、まちづくりだったり、学校教育だったり、何か違う形をしているんだと思います。

もちろん既にそういった取り組みは始まっていますが、「医療=白衣、聴診器、病院」以外のイメージが広がるには、まだまだかかりそうです。

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