繋がりを大切にしたい。



私はこの夏、カンボジアに渡航する。

私の所属団体の支援先である、カンボジアに。入会して支援を始めて1年。やっと支援先を自分の目で見ることができる。



「支援」に「実際の訪問」は必要なのかという問いに自分なりの答えを用意した。

自分の答えとしては「必須の過程」である。

そもそも私は子供が好きとかカンボジアという国に思い入れがあるとか、そういうのはなくて、さらに言うとこの風の会に所属してきて、子どもたちを対象として「直接的な支援」を行ったことはない。どちらかと言うと社会への広報啓発活動を主に行ってきており、みんなが考える「支援」とは少し離れた「間接的な支援」を中心に活動してきたメンバーの一人である。

「直接的な支援」に携わることなく、「間接的な支援」を行ってきた私がなぜ、「支援に実際の訪問が必要だ」と主張するのか、ここで記していきたい。(まとまらないかもしれないけど最後まで諦めずに書く!!!!)




異文化交流事業部の元TLの先輩がこう仰っていた。「国際協力って結構身近なことからできるんだよってことを伝えたいから出張授業をしている」と。これは自分の中でものすごく大きな収穫だと感じた。

「国際協力」って聞くと、漠然とすごいこと、難しいこと、ってイメージを持っていた私はなんだかその言葉にホッとした。ファンドレイジング事業部に所属して、広報啓発活動を行う上で「まずは知ってもらうことが大事」だとは思っていたが、そもそも知ることも国際協力に繋がるんだって自分の中で腑に落ちてから話は早かった。

『まず知ることが国際協力の第一歩』

そう捉えられるようになってから、より一層、広報啓発活動の大切さを感じるようになり、「ファンドレイジング事業部のひとりのメンバー」から、11月からは「第25代広報部長」として活動してきた。


広報をする上で私は「現地の子どもたち」とか「カンボジアの子どもたち」とかそういった言葉でしか私達の相手、支援や気持ちの送り先を表現する言葉が見つからなかったのはものすごく苦しかった。
「子どもたち」で括りきれないような世界が広がっているはずなのに、「子どもたち」と集約してしまうような、自分の表現のために彼ら・彼女らの世界や可能性が狭まってしまっているのではないかと不安になることもあった。

またカンボジアのリアルを知らない私たちが、少し手を動かして検索した先で見つけた情報を広報啓発活動に使用するには限界があると感じている。何も伝わらない。数年前の渡航の際に撮ってきた写真を使っているとやはり、「リアル」からは遠ざかる。

情報があふれるこの時代に求められている情報素材は何よりも「新しい」「リアル」「美しい」これに尽きると思う。TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSを例に上げると、「新しさ」の欠けた情報はオワコンとして流れていくし、「リアルさ」が乏しい情報は信憑性が疑われるし、そもそも「映え」のない写真はバズらない。
今の風の会の広報にはこの全てが欠けていると思う。

「まずは知ってもらうことから国際協力が始まる」というのに、知ってもらうって段階に苦戦しているのが現状である。
これを打破するためにも情報の発信源である私達が支援先であるカンボジアの最新のリアルと美しさを含んだ写真や広報材料を調達する必要がある。



ここまでは広報部長として、風の会の団体としての問題意識を踏まえた「渡航する理由」を述べた。
ここからは個人的な「支援に実際の訪問が必要だ」と考える理由についてお話する。


私の所属している風の会(特定非営利活動法人 国際協力NGO風の会)は「早稲田大学の学生を中心としたカンボジアやラオスの子どもたちを対象とした、教育自立支援を行う」団体であり、所属メンバーの多くが東京の大学に通う学生である。メンバーの多くが東京や周辺の県に在住しており、対面での活動も行っている団体である。

そんな団体に、大阪の大学に通う、大阪在住の私が所属している。
ちょうど1年前、私が入会した頃は感染症の影響で、完全にオンラインで活動しており、物理的距離はそこまで大きな問題ではなかった。

幸いにも常に距離を気にかけてくださる先輩方がいらしたし、自分が勝手に開いていた同期ZOOMにたくさんの同期が集まって定期的に座談会をしていたしで、オンラインのおかげで物理的距離を弊害だと感じる瞬間は少なかった。

7月になって初めて東京へ行って、みんなと会ったとき。私はあのときの感動を忘れられない。今でも昨日のことのように思い出すあの瞬間。


画面上でしかお話ができなかった人たちが目の前にいて、触れることができて、空気感を感じられる…

本当に嬉しかった。感動した。いつも画面上でしか顔が見れなかった顔が360度から見れて、機械音として流れてきていたみんなの声がちゃんとそこの空気を伝わって私の耳に届いて、触れることなんてできなかったのに、手を握って抱きつき合って、なんか、ああやっぱり会わないと何も伝わらないなって。

オンラインでの繋がりの希薄さとオフラインでの繋がりの重要性を痛感した瞬間だった。


私は広報部長としてこの春、新歓を行った。
自分の団体を画面上でアピールして、入会を促しておきながら、私は8月になるまで入会してくれた誰一人とも対面で会ったことはなかった。なんて無責任な…って感じだけどつい先日、自分が新歓して入会してくれた子たちと初めて会えた。やっぱり感動した。
去年は頻繁に東京を訪れて、みんなに会えていたけど今回は3ヶ月ぶりの東京だった。
普段はみんながオフラインでの活動でも私は必然的にオンラインでの参加を余儀なくされるため、なんだか寂しかったり、読めない部分だったりが多くて、物理的距離だけでも十分なのに心理的距離も感じるようになっていたけど、1度会うとその距離がてんでなかったかのように消え去る。不思議。

オンラインでも繋がれる世界だからこそ、オフラインでの繋がりを大切にしたいと思った。

やはり、オンラインはオフラインに劣る。人と人との繋がりを大切にするのであればなおさらだ。
オンラインで得られる情報量はオフラインで得られる情報量のほんの一部で、本当に本当に小さな一部分だけ。オフラインだと相手の目線とか動作やしぐさ、小言も態度も含めたあらゆる情報から何を考えているのか推測できたり、空気感を図れたり、その人がどんな人かを判断したりすることができる。ちょっとした小さな疑問だって投げかけられるし、一対一で話してる周りで別の話題が飛び交うこともある。
オンライン上ではどうしても「遠慮」というか「配慮」というかが邪魔をして、意見を飲み込むことだってあるし、疑問を解消できないことだってあるし。

人と人との関係性を築くためにはオフラインで会って、相手の情報を集めて、相手を知ることが重要だと思う。
これまでの活動では支援先の子どもたちとオンラインで交流企画をしたり、学校の先生と連絡を取ったりして関係性を継続してきたが、これだけでは本当の、私達の目指す支援ではないと断言できる。

「支援」という言葉を定義するのを忘れていたが、個人的には「支援」をなにか別の言葉に言い換えたい。あまりいいのは浮かばなかったけど「応援」とか「手助け」とか…んー、イマイチかも。
ただ別の国に生まれたからって偉そうにする理由はないし、経済が発展している国の人だからといって偉いわけでもない。一緒に頑張ろうって応援するのもなんか違うくて。上とか下とかそんなんもなくて、あくまで同等の立ち位置で、一緒に進んでいこうって、私はそういう「支援」の形を理想としている。

そのためには子どもたち一人ひとりと向き合って、彼ら・彼女らそれぞれのことを知りたいし、本人たちから直接話を聞きたい。
これが私が「支援には実際の訪問が必要だ」と考える理由である。



最後に
私は広報啓発活動に力を入れて活動している。
情報や熱量の「広がり」を重要視している。
今回の渡航を通じて、渡航した全員の中できっとなにか収穫があって、それを基に新たなアクションを起こしたり、取り組み方が変わったりするということを大いに期待している。
この一人ひとりの変化が、風の会の他の会員になにか影響をもたらすだろうし、その熱量がどんどん派生して、私達が発信した情報からその熱量を広げられるかもしれないし。そうすることでどこかの誰かが国際協力の第一歩を踏み出すきっかけになるかもしれないし。

また支援先で仲良くなった子どもたちが大学生に興味を持ってくれるかもしれないし、あわよくば日本に関心を持って実際に来日してくれるかもしれないし。私たちの団体の活動を知った村の人達は教育の大切さを知ってくれるかもしれないし。



自分たちの活動や渡航が、他の人へ何かしら影響を与えるかもしれない。
この可能性を信じて、期待して、そこから派生して起こるなにかに私はワクワクしている。

​人と繋がることで得られるなにかへのワクワクは自分の想像以上のなにかを創るだろうし、
その全部の繋がりの無限の可能性に私は期待したい。

明言はしないけど、その「なにか」は私にとって、風の会にとって、子どもたちにとって、日本社会にとって、世界にとって、大きな変化を生むと思うから。

2022夏WC 渡航への想い
16件
三浦紘花
2022.08.10

晴香は本当に多くのつながりを作ってきた人だし、だからこそ、「全部のつながりの無限の可能性に期待したい」って言葉の中身がすごく詰まっているように感じる。
晴香はオンラインでも2.5次元くらいの存在感があるけど、対面で初めて会えた時の感動と衝撃は私も忘れられない!
渡航に行って、相手を本当に知った上で、その後の広報活動も一緒に考えて語り合いたいです!

がっちょ (古賀大勢)
2022.08.09

「知る」って、凄まじいことだよね。
きっと大学生になって1年過ぎて、色々なことを知ったと思う。
知ると世界が広がって、
及ぶ意識も広がって、
話せることが変わって、
これから会う人に与えられる気づきも多くなる。

広報部長の難しさや、オンラインで参加するもどかしさを感じてきた晴香は、人に想いを伝播させることの重要性を誰よりもよく理解していると思う。本当によく動いてくれているし、外からもあなたの動きは見えています。

晴香の熱をこのまま四方八方に散らしまくって、永遠に回り続けるコマみたいな人になってほしい笑 風の会を中心から回す力が晴香にはある。今回の渡航も、晴香のおかげで今持ってるよ。

今、一番大変な時かもしれない。
だからこそ、こっからも、さらにエネルギーを発信し続けていこう!

Superkokeji
2022.08.09

ワクワクを実現しよう!!