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青空の下、風にたなびくロシア国旗の写真。写真ACでダウンロードしました。
皆さん、こんにちは。東大ロシア文化愛好家ブロガーのSullivanです。
今回は連続投稿企画「ろしあごであそぼ」の第1段として、ロシアが一体どんな国なのか、ザックリと解説していきます。ロシアという国を知り、ロシア語に興味を持つきっかけにして頂けると幸いです。
ロシアってどんな国?
ロシアは日本との距離が最も近いヨーロッパ圏の国です。また、ロシアは近年経済成長を遂げると共に、良くも悪くも政治などの分野で存在感を増しており、ニュースなどで取り上げられる事も多くなっています。
しかし、そんなロシアが日本人にとって身近な国になっているかというとそんな事は無く、むしろ「謎に満ちたよく分からない国」「近くて遠い国」「おそロシヤ(恐ろしや)」などのイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「ロシアはこんな国なんだよ」「ロシアにはこんな文化があるんだよ」というザックリした情報をお伝えして、皆さんに少しでも「ロシアって面白い国だな」と感じて頂き、ロシアへの親近感や興味を持って頂けるようにしたいと思います!
ロシアってこんな国。
⑴ 多様な民族と波乱万丈の歴史を擁する超大国
ロシア(正式名称「ロシア連邦」)は、17,098,242㎢(日本の約46倍) という、世界最大の国土面積を持つ国家です。地球の陸地全体の面積の11.5%を占めており、アジア圏とヨーロッパ圏の双方にまたがって位置しています。
このような巨大さを反映して、ロシアには数多くの民族がいます。その数はなんと182。その内80%はロシア民族ですが、広い国土には様々な文化が息づいており、それらの文化が交流し合う事で産み出されたロシアの文化は繊細かつ複雑な味わいを持っています。
また、ロシアを語る上で欠かせないのが、その波乱万丈の歴史です。ルーシ・カガン国、キエフ公国、タタールのくびき、モスクワ大公国、ロシア帝国、その後1917年のロシア革命を経てソ連の成立、そして1991年のソ連崩壊を経て、現在のロシア連邦の成立。国家のあり方が目まぐるしく変遷していく波乱万丈の歴史もまた、ロシアという国の存在の独自性を産み出してきたのです。
⑵ 厳しい気候が美しい自然を織りなす大陸国
ロシアの気候は基本的に大陸性の気候なので、夏と冬の気温差が大きく、特に北極海に面した地域では氷点下の厳しい寒さが半年以上続きます。例えば極東のオイミャコンという町では、1926年に−71.2度という想像を絶する低さの気温を記録し、北半球で最も寒い場所になりました。
北方ではツンドラという草原地帯が広がっています。ツンドラでは寒すぎて木が育たないので、コケ類や地衣類が生えています。南方ではタイガという巨大な針葉樹林が広がっています。
また、東部のブリアート共和国にあるバイカル湖は、世界で最も古く、最も深く、また最も透明度の高い湖として知られており、世界自然遺産に登録されています。
⑶ 食文化の豊かなグルメ国
広大な土地と多様な文化を包含してきたロシアは、実に豊穣な食文化を有しています。
まずはロシアの農民(つまり庶民)の伝統的な日常食を見ていきましょう。ロシアは寒いので、食事の基本の組み合わせは主食と温かいスープ料理になります。代表的な主食としてはカーシャ(お粥)や黒パン(ライ麦粉を使った酸味のあるパン)、代表的なスープ料理としてはシシィー(キャベツなどを煮込んだスープ)やウハー(魚を使ったスープ)やボルシチ(ビーツを使って赤く染めたスープ)などがあります。
次は少し贅沢な食事を見ていきましょう。ロシアの正餐は、前菜から始まり、スープ料理、メインディッシュ、デザートと順番に一つ一つ料理を出す、いわゆる「コース料理」という手法によって差し出されます。というよりも、実は、このコース料理という手法はロシアで誕生したものなのです。この手法は元々、ロシアの寒冷な環境の中で温かい料理を冷めないうちに味わうために産み出されたものでした。しかし、この出来たての味を最大限に活かす手法が世界中で評価された結果、現在はフランス料理などの各地の料理でこの手法が用いられています。
前菜として主に出されるのは、キャビアやイクラ、ニシンの酢漬け、ブリヌイ(ロシア風クレープ)などの各種パイ料理、サラダなどです。日本では重ための食べ物だとされているピロシキ(具入りの揚げパン)は、実はロシア料理だと前菜に該当します。前菜とはいえ凄まじいボリュームですね……。この事から分かる通り、ロシア料理の前菜は非常に量が多くガッツリしており、初めてロシア料理を食べた人の中には、前菜だけでお腹がいっぱいになってしまう人も多いようです。
次がスープ料理です。先ほど述べたシシィーやボルシチやウハーが出てきます。コース料理だと、これらの料理もより凝ったものになります。
ここまで来てようやくメインディッシュです。魚料理も沢山ありますが、ここではよりメジャーな肉料理をいくつかご紹介します。ビーフストロガノフ(牛肉の細切りと玉ねぎなどをバターで炒め、サワークリームなどで煮込んだ料理)、ロシア風カツレツ、シャシリク(カフカスや中央アジアが発祥の肉の串焼き)、などなど……。どれも非常に豪華ですね。
まだ終わりませんよ。デザートが残っています。数え切れないので、ここではキセーリ(キイチゴなどの果物のゼリー)とアイスクリーム(ロシアでは大人気のデザート)の2つだけを紹介しておきます。
ロシア独自の飲み物としては、クヴァス(ライ麦などを発酵させて作る清涼飲料水)やウォッカ(ロシアの国民酒!アルコール度数の高さで有名)があるのですが……。正直、いくら美味しい料理でもここまで大量に続いてしまった後だと、皆さんもうお腹一杯でこれ以上料理を見たくもないというか、かなり食傷気味になってしまっているかもしれませんね。
とにかく! ロシアは食文化が非常に豊かなのです !
ロシアはとってもメシウマな国なのです !
⑷ 文学と芸術とバレエとスポーツが盛んな文武両道の国
ロシアは、ドストエフスキーやトルストイなど数多くの文豪を輩出した文学大国であり、また数多くの美しい芸術品や建築などを有している芸術大国でもあります。『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』などの世界的名作が産み出されたバレエ大国でもあり、アイスホッケーやフィギュアスケートなどの競技で優秀なアスリートを輩出しているスポーツ大国でもあります。まさに文武両道の国です。
(なぜこの章はやけに説明があっさりしているのでしょうか? それは、この記事で長々と説明するよりも、各自興味のある分野の参考サイト(後述)を見てもらう方が良いと考えたからです。と言っても、残念ながら私はスポーツには疎いので、スポーツに関する参考サイトだけは省略させて頂きます。申し訳ございません。)
⑸ 最後に、日本でも実は使われているロシア語について
ロシア語というと、日本とは縁が遠い言葉に思えるかもしれませんが、実は、日本国内でごく自然に私たちが使っている言葉「イクラ」「ノルマ」「ピロシキ」「ウォッカ」は、全てロシア語由来なのです。意外ですね。このように、日本語の中にもロシア語が存在していて、身近な所で使われている言葉だと思うと、親しみが湧いてきませんか?
(「後半2つはロシア料理なのだからロシア語由来なのは当たり前だ」という意見もあるかもしれないですね。本当にその通りです。すみません。あれ? そう考えると、ロシア語由来の日本語ってやはり少ないのかもしれませんね……。どうしよう。)
おわりに
最後が少しグダってしまいましたが、ここまで読んで頂き、本当に有難う御座いました!
これを読んで、少しでもロシアへの親近感や興味を持って頂けたら幸いです!
次回、第2回では、東大のロシア語の授業について解説する予定です。どうぞお楽しみに!
【参考サイト一覧】
・ ロシアについてザックリと知りたい
http://www.kids-au.net/i-box/ja/about-northeast-asia/each-country/russia
https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/worldculture/russia/
・ ロシア料理について詳しく知りたい
https://www.cookdoor.jp/family-restaurant/dictionary/13659_resta_050/
http://www2.odn.ne.jp/i-ton/syoku/syoku14.html
・ ロシア文学について詳しく知りたい
https://gomibon.hatenablog.com/entry/russiaclassics
・ ロシアバレエについて詳しく知りたい
https://jp.rbth.com/longreads/ballet_top5/
・ ロシア語についてザックリと知りたい