近年日本では、人材や、それに伴って行われている産業が首都圏一極集中になっている傾向にあります。これは人々が情報を求めて、より条件の良い場所に集まることが要因になっています。ただこれによって日本では過疎や過密問題が進行し、地域格差が生じてしまいます。格差が生じるとさらに一極集中が進行し、歯止めが利かなくなると考えられます。これからの時代はさらに情報化が進むため、各都道府県が地域創生に力を入れても人材流出がさらに加速することになります。
そもそも首都圏とその他の地域では、当初想像していたよりも環境が異なると思います。私自身、大学に入学する際に上京し、それまでの環境との違いにかなり驚かされました。情報量、学生団体の数、専門家による講演の数などは多く、いろいろなことに関わると自然と様々な人とつながることが出来ました。ただこのようなつながりが全国に展開できているかというと、難しい部分があります。プロジェクトを立ち上げるにしても首都圏のみで活動するということになる場合が多いと思います。
そのためには情報社会であっても首都圏以外の地域を盛り上げる産業が必要になってくるのではないでしょうか。その中でも特に地域関係なく関わることが出来ると思うのが宇宙産業であると考えます。宇宙産業は理工系だけではなく、医歯薬系や農学系、国際学、法学など様々な学問が絡んでいるので、一つのプロジェクトとして立ち上げた場合、産官学での連携が強くなり、日本中の機関とつながりを持つことが出来ます。首都圏だけのつながりに留まらない活動が展開されると考えられます。
地域創生は、それぞれの地域にある既存のものや文化を発信していくことが主流です。そこで宇宙開発という新規産業を地域事業に参画させることで、さらに盛り上げていくことができると考えました。首都圏だけが有利になる、または首都圏以外の地域だけが有利になるような一極化するようなプロジェクトではなく、日本全体で産業を底上げすることが出来ます。これからの時代、さらに発展していくためには双方の良さを取り入れながら産業を活発化させていくことが重要視され、それに適している産業が宇宙開発であると考えています。