猫のいるべき場所

ご無沙汰の投稿です。
今回のテーマは「捨て猫について」。

私はこの活動を始める前まで、猫ってすごい生き物だなと常々思っていました。
住宅地や公園、街の路地裏のような、人の生活に近いところで野良猫もまた生きていますよね。やんちゃな子供や車なんかに囲まれて、時には保健所に捕まって、毎日生命の危機に面してさぞストレスだろうに、どうしてわざわざこんな私たちに近いところに住んでんだろう。こんな哺乳類って今時猫しかいないんじゃない?なんて吞気に考えていました。
ですが、活動を始めてようやくその理由を知りました。
野良猫って生きてもせいぜい3~5年らしいんです。暑さ寒さに弱く、狭い範囲で繁殖するが故の他の猫との頻繁な争いや交配により起こる伝染病への感染(猫エイズや猫白血病など)。先ほど言ったように、人に近いところで生きる上で、交通事故にあったり、殺処分されたりして、命を落とす危険に囲まれて生きているんです。他の哺乳類ならこんな環境、すぐに逃げ出します。ですが、野良猫が人の周りにこだわるのは、ここでしか生きられないからなんです。
人間が猫を家畜化したのは、紀元前4000年のエジプト文明が起源だと言われています。
飼われ始めた当初は狩猟を得意とする、ヤマネコのような大きな動物だったそうですが、それから約6000年の年月をかけ、ニーズに合わせて愛玩動物としてブリーディングされ小型化し、今ではイエネコと呼ばれる小さな動物になりました。
そんな、人間に飼われるために変化してきた猫が、なぜか現代で野生として外で暮らしているのです。
お分かりの方もいらっしゃると思いますが、それは捨てられた猫もしくはその子供たちなんです。人に品種改良されて、狩猟能力や体内環境が自然界に適応し辛くなった猫たちは、外に放たれると生命維持の難しさに驚くことでしょう。
もう6000年前のように中型哺乳類や魚を狩ることは叶いませんし、野草の大半は体に合いません。外の気温の変化にも耐えられなければ、雨風も体にこたえます。
そうなってしまうと、やはり人間の周りでおこぼれを分けてもらい、車のボンネットで暖を取り、路地裏の屋根の下で雨風をしのぐしかないわけです。
猫は人間の隣でしか生きることが出来ないんです。
現に野良猫は3~5年しか生きられないと言われている一方、室内で大事に飼われている猫は平均的に10年以上生きることが知られています。
猫は人間の元に帰りたいから、捨てられてもなお人間の近くから離れないんだと思います。
人間にはもっとこのことを分かって貰えるように、これから先猫を捨てないこと、脱走させないことを意識して飼って頂けるように、私はこの先活動していきたいと考えています。

定期投稿
12件