私はベトナム・ミャンマーに教育支援を行うNPOに4年間所属しています。
そんな私が、教育支援に参加してみたい方、ボランティアの学生団体に所属したての方に一つだけお伝えしたいことがあります。
「企画を立案・運営するのってボランティアにおいて最もエキサイティングな体験で、支援することの価値を肌で、原体験として、知ることができるよ」
ですが現実をいうと、不本意なことに時間を割かないとそんなエキサイティングな瞬間を達成できないことが多々あります。
企画作りの過程なんかまさにそうです。
・自分にはパッションも成功する勝算もあるのに、先輩に反対されて企画の方向を捻じ曲げられてしまった。
・ミーティングで企画を説明する度に同じような質問やレスをされて全然前に進まない。
・企画を作り上げていく途中で思わぬ壁にぶつかり、断念せざるを得ない。
なんて苦い経験がある方は少なくないと思います。熱意があって企画を立案した方なんて特に、、
そんな障害に直面したときになにか参考になればと思い、この記事を書きました。
私はベトナムの学校を対象に教育支援を立案・運営するプロジェクトに参加し、小学生から高校生までを対象に、プレゼン大会、運動会、将来について考えるワークショップなど多種多様な企画を運営してきました。その中で得た知見の中で活用できそうなものをいくつか紹介します。
①一番意見が合わない先輩にまっさきに相談する
『自分には想いも成功する勝算もあるのに、先輩に反対されて企画の方向を捻じ曲げられてしまった。』
先輩は当たり前のことを理路整然にレスポンドしたつもりが、後輩にあたるメンバーは裏腹に意見がねじ伏せられたと感じ、悔しい想いをすることがあるかもしれません。
先輩に悪気はなくとも、後輩は「鼻っから企画書を否定された、、」としょげてしまうこともあるでしょう。ですがあなたの貴重な時間をそんなブルーな気持ちに費やしていたら勿体ないです。
私は、先輩のレスポンドでつまづいたとき、必ず下記のような行動を心がけています。
「根回し抜きで大きな挑戦はできない」
具体的にいうと、私は企画を立案するにあたって初めに議論において反対意見を出しそうな先輩にアイデアを共有し、アドバイスを求めていました。
この利点は3つあります。
- 一点目は、ミーティングの本番に円滑な議論を阻害されるリスクをヘッジできる。
- 二点目は、そういった先輩ほど企画の欠点を把握することに長けているため、ミーティングに先立ってより完成された企画を他のメンバーに共有することができる。
- 三点目は、レス・質問が鋭い先輩を味方につけることで、他のメンバーに一目置いてもらえることができる。
つまり根回しをするだけで「円滑な議論」「メンバーからの信頼」を担保できるだけでなく、「企画の完成度」を上げることができます。少々勇気がいることですが、実践するだけで企画運営の円滑度が格段にあがります。
とはいえ先輩からのレスを退けたとしても、企画で一番重要なのは「実践して、成功するか否か」です。特に新しいチャレンジをする場合、失敗のリスクは常に付きまといます。失敗のリスクを軽減するために私が実践してきた考え方があるので紹介させてください。
②ボトルネックを徹底的に考える。
ボトルネックとは簡単にいうと「全てを決定づける根本的な課題」と定義することができます。
具体例として、ミーティングを挙げてボトルネックを説明します。
ミーティングは、一般的に会議室に集まり、資料を参照しながら話し合うのがオーソドックスな手法です。ですがコロナ禍である現在、対面のミーティングが避けられるようになり、今までのような議論ができません。
それでもミーティングを継続するために、最初は「電話」「LINEビデオ通話」「SKYPE」を使っていた組織が多いでしょう。
ですが上記に挙げた電話ツールは共通して「なにかを説明するときに必須アイテムとなる」資料を共有しながら電話することができません。
そういった組織の課題を察知したZOOMという会社は、他のツールに先立って資料共有に特化したビデオチャットを提供したことで、一躍有名企業になりました。
ZOOMの成功ストーリーは置いといて、コロナ禍の組織においてボトルネックとなっていたのは「ビデオ通話をしながら資料共有を円滑にしたい」という課題です。この課題を解決するために、ZOOMを導入し、またオンラインでも字が見やすいように企画書、パワーポイントのフォントを大きくするなどの取り組みがなされました。
企画においても同じことが言えて、テーマ・場所・時間が決まり次第、ボトルネックは何か徹底的に考えることが重要です。
私が昔担当したベトナムの小中学校を対象にした運動会を例にします。
当時の運動会は以下のテーマ・場所・時間的制約が背景にありました。
- 対象者・・・ベトナムの小中学校三校、一つの学校につき20名~40名の生徒が参加
- 運営・・・日本人メンバー10名、ベトナム人の大学生・・・15名
- テーマ・・・運動会。4個の競技を生徒が実践し、チームで競い合う
- 場所・・・ベトナムのダナン市郊外のサッカーグラウンド
- 時間・・・3月の昼間に90分間実施。気温は25度~30度
上の条件を見て、皆さんはなにがボトルネックになると考えますか?
私の考えを述べると、運動会の運営条件は申し分ないです。立派なグラウンドを用意することができました。あとは生徒が楽しめる要素を用意するだけです。
運営するマンパワーも足りていました。ベトナム人の協力者も大勢いて、コミュニケーションを上手くとれば運営における不安点はありません。
ここでの一番の課題は「日差しの下で運動をする生徒の健康状況」でした。
熱中症にかかれば、その対処に追われ運動会を中止しなければなりません。体調不調という危険をリスクヘッジすることがここでのボトルネックです。
この一番重要な課題(ボトルネック)を骨組みに以下のように企画の要素を確定しました。
・予算の大半を、スポーツドリンク、応急キットの購入に使う。
・90分という短い時間の中で休憩時間をしっかりとる。
・運動量が抑えられて短時間で終わる競技に絞って企画を運営する。
・屋外での競技だけでなく、体育館を使う種目も織り交ぜる。
要素が決まっていけば、あとは簡単なパズルを組み立てるだけです。確定した要素を企画書に当てはめれば完成です。高校数学の数ⅠAなんかより全然簡単です。
また上からわかるようにボトルネックを設定することでより鮮明に「どのような企画を作ればいいのか」見えてきます。そもそもどんな企画を立案しようか悩んでいる方がいれば、まず「この企画における最も大事な課題ってなんだっけ」と自問してみてください。
以上が私が伝えたい企画作りのコツでした。企画作りにつまづいている方の参考になれば幸いです。
なにか質問があれば、コメントにてお伝えください。
Great suggestions!!!
サトシさんのレス本当に的確でまず企画書チェックして欲しい人ナンバーワンです✨
いつもいつもありがとうございます!あと少しでサトシさんのお話聞けなくなってしまうの悲しいです〜😭
さすが、Dien Phuocの兄貴です!!!😍
参考にさせていただきます🐰