自由な顔をした不自由な世界。

 

お久しぶりです。真徳です。

佐賀からお送りしています。

 

いつもは一人暮らしをしていると、自分ではつけないのですが、実家ではTVはついているもの。だから、予期せぬ情報との出会いがある。一人で暮らすということは自分の意図した通りの生活しかできないので、可能性が閉ざされていた、という事にハッとしました。

 

ちょうど、今流れていたNHKスペシャル「揺れるアメリカ、分断の行方」を見ながらこの記事を書いているのですが、これを見て書く内容を決めました。

 

皆さんは今、スマホもしくはPCでこの記事を見ていると思いますが、あなたにとってスマホはどんな存在でしょうか。ちょうど、私の一個前の記事で秀星がスマホを無くして、意外にもラッキーだと思った話がされてましたね。「これでスマホを触らないですむ。」と。

皆さんホーム画面に戻って、右スワイプしてスクリーンタイムを見てみてください。今日、何時間スマホを触ってましたか?私は3時間33分でした。帰省して全然触らなくなったと思っていたのに。。。

 

今日あなたが一番大切な人、例えば、家族と過ごした時間はどれだけだったでしょうか。私たちが大切にしようと思っているもの、実はスマホより大切にできていないかも知れませんね。

そのスマホは本来、大切な人にすぐ電話ができるように出来ているはなずのに。


 

さて、スマホは人と人とを繋ぐだけでなく、他にどんな恩恵を私たちの生活に与えてくれたでしょうか。

一つ、劇的な変化をもたらしたと言えるものは「誰もが簡単にインターネットにアクセスできるようになった」ことです。

これによって、誰もが簡単に大量の情報を手に入れることができるようになり、どんな情報も私たちの手に届くようになりました。このインターネットという装置は、これまで閉ざされていた情報を万民に開放したことで、誰もが情報の偏在から生じる可能性の壁を乗り越えられるようになりました。いや、本当はどうなんでしょう。

 

Googleで検索する時に出てくる予測の候補は、人によって違うことを知っていますか?

あなたがさっきAmazonで見た商品が、Web広告に出てきたことはありませんか?

Twitterではいつも、あなたが気にかけている人たちのツイートばかりが表示されていませんか?

いつも間にか一部のSNSで、メッセージ中に「相手が入力中」と表示されるようになった事に気がつきましたか?

 

実は、こうする事で人は、返信が気になりすぐにSNSを開き続ける事が分かっているのです。例えば、人は通知音を聞くとメッセージが届いたと思い、ドーパミンが放出されることが分かっている。そして、この事実を元にさらに通知機能が実装される。そうする事で、SNSを長く見てもらう。これによって、広告の値段を上げる事ができる。こうした感情設計が、人の行動を無意識のうちに変化させている。そうして私たちは無料でSNSを使うことができる。



不思議に思いませんか?SNSやインターネットの利用料はタダなのに、なぜ世界で最も株価の高い会社群にGoogleやFacebookなどがいるのか、と。

私たちが無料で商品を使うことができるということは、つまり私たちが商品になっていることを意味するのです。私たちの行動の変化、それが広告費という形に変えて。

 

インターネットの情報は、より人が満足するように、多くの場合自分の志向性にあった情報に触れてもらい、ドーパミンの量を増やせるようにデザインされているのです。そのデザインコンテストに最も優秀だったものが、最も多くの広告費を手に入れる。そうした世界。

 

だから、私たちが自由だと思っているもの、本当は誰かの掌の上で”偶然”見つけたものかも知れません。

 

 

今、アメリカ大統領選挙が話題になっていますが、ちょうど4年前の大統領選挙で、トランプ陣営がある会社を通して、Facebookのデータを利用し、広告を効果的に意見が変わりやすい若者の中間層に出すことで支持者を増やし、選挙に勝ったことが報道されていましたね。Brexitも実は、その実験場だったという話も。

これの是非はさておき、政治的な信条ですら、実は誰かにデザインされている。そして裏では、大きなお金が動いている。こんな話も実はフィクションではないかも知れないですね。


 

さぁ、NHKスペシャルに戻りましょう。サブタイトルの「分断の行方」に表されているように、近年分極化が進み、極右と極左が増え、中間が減ってきています。この先にある分断の行方、あまり輝かしいものには思えません。

これまで見てきたように、インターネットも、きっとこれを助長しているでしょう。私たちが、スマホという姿で、手に入れたはずの膨大な情報庫への鍵は、実は行き先が決まったコンパス、なのかも知れません。

自由の顔をした不自由な世界。本当の自由はどこにあるのでしょうか。

 

 

スマホを置いて、外に出る。道を歩き進めると、ふと、いつもは気にかけてなかったバーに今日は、踏み入れてみる。そして、そこで出会う、予期せぬ人との予期せぬ会話。

それこそ、本当に「偶然」で誰色にも染まっていない、あなたの次の1ページ。

そういう場所が、私たちが運営する語りBar カタルシスだったらいいな。

そう思ってバーカウンターに立つ日々です。


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