21世紀に紙媒体を。

こんにちは、第2回の記事をご覧いただきありがとうございます!

SHAKE ART!デザイナーの林若菜です。

現在、京都市立芸術大学に在学中の課題に追われる3年生です。

最近の活動では最新号の24号のアートディレクターを務めていました。


今回は私たちのメインの活動の1つであるフリーマガジン

「SHAKE ART!」についてお話ししたいと思います!


現在発行は1号につき約5000部ずつ、年に2回おおよそ春夏・秋冬に1回ずつといったところです。発行予定の時期から遡って5ヶ月ほど前から制作が始まります。

最初は企画から。

ライター・デザイナーなど役職関係なくアートを学ぶ学生としてメンバー皆で頭を合わせて企画・ページ構成などを考えます。どんなことがやりたいのか?ターゲットにする層は?届けたい人たちは何を求めてるだろうか?自分たちが何を発信するべきなのか、発信したいのか、自己満足に終わらないか。毎号毎号アートプロデュースグループとしてどのような在り方でいるべきか考えさせられます。

その号の概要が決定するといざ制作段階へ。

作家さんへの取材から文字起こし、原稿の作成、撮影、写真の修正、デザイン、入稿データ作成、校正・・・制作作業もしながら、発行費用を広告の出稿費で賄っているため、いつも広告を出していただいている企業様との連絡や営業なども同時に行います。

学生団体が無料で使えるワークスペースに集まって作業会をしたり、入稿直前には京都市内のメンバーが在籍している大学の一室を借りて、皆で集まってデータの最終チェックをする「入稿合宿」などが恒例のイベントだったりします。

そうして繁忙期を乗り越え出来上がった雑誌が大きいダンボールに入って届き、手に取った時の達成感はひとしおですし、長期間の大規模なグループワークは学生団体といえども、かなり責任能力やコミュニケーション能力が鍛えられたな、と感じます。非営利団体ですが2009年の創刊以来、たくさんの学生さん、企業様に支えられています。社会人でも子供でもない私たちですが学生という身分に甘えず、社会に自分たちのクリエイティブで何が還元できるか、ずっと考えています。

コロナ騒動を受け4月よりSHAKE ART!もwebコンテンツに力を入れているわけですが、この時代とSHAKE ART!の変革にフォーカスした記事はまた後日・・・。

昨今のペーパーレス化と紙媒体の衰退の中、完全にwebマガジンに転向すれば印刷・配布など発生しないコストが大幅に削減できます。


なぜ、私たちは紙媒体で発信することをやめないのか。


それは自分たちの作るコンテンツが紙に乗って届くことに価値があると確信しているからです。


ここ10年でニュースを新聞や雑誌で取り入れる人は本当に減りました。私はニュースをwebで習慣的に見ない人間なのですが、合理的に考えても現代社会に生きる人が紙媒体を捨てて日常の動作を全てスマホで片付けたくなる気持ちは理解できます。そんな余裕はないんですよね。

ニュースをスマホで見る様子をまるで「滑車のない狭い井戸に沈んでいくよう」だなと思ったことがあります。

サイトでは記事が際限なく並び、1つの記事を下までスクロールして読み終わると10件ほどの「あなたへのおすすめ」が出てくる。そのどれかの1つをクリックして1番下まで指を動かす。そしてまた1つ。また下へ。そうして要らない情報を捨てて自分の関心のある情報だけ選択していき、隣の井戸の存在など知りもしない。

対照的に新聞や雑誌などは様々なコンテンツを束ねた集合体であり、自分が意識的に取り入れていない世界を無意識的に見せてくれます。紙という媒体は読む人を普段重なることのない世界に連れていってくれる、自分の世界を広げる素晴らしい媒体だなと皮肉にもスマホ人間になってから気付きました。

そして今ペーパーレス化が進む中、ふと紙媒体の書籍を手に取り、お茶を飲みながら読むなどしてみると、なんだか落ち着いてその1日の生活の質が上がったような気がしませんか?あなたを次の情報の消費へ促す次の記事も、視界の端に映る広告バナーもありません。

いつの間にかweb媒体の一般化が進むのと同時に紙媒体がどこか「特別なもの」「QOLを上げるアイテム」「粗雑に消費できない」「大切にしたいもの」というような認識に変わっていったように思います。


だからこそ、手にとって「大切に」触れて欲しい。


コンテンツの質量を手に感じ、私たちが提案する「アートと出会うきっかけ」を体験してもらいたい。

私たちはB5サイズ40枚の紙束を作っているのではなく、

顔も知らない誰かの日常にささやかな特別を、アートを添える体験を作っています。

これからも私たちSHAKE ART!は紙で伝え続けていきます。


第2回の記事は以上です!

第3回の記事は明日6/5、SHAKE ART! の広報の話です。


次回の記事を読むとより私たちのことについて深く知っていただけるかと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


林若菜


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