昨日、一昨日に引き続き、本日も「未来の教室」実証事業を開催。データに基づくチーム分析の第3弾は、『STEAM Baseball 〜打順シミュレーターを使ってチーム戦略を考える〜』。茨城県内にある東洋大付属牛久高校の野球部38名(女子マネジャー4名を含む)を対象に、3時間のワークショップを実施しました。プロ野球のデータを使ってデータ活用の重要性を理解した後、一つの活用方法として、練習試合で収集したスコアブックデータを用いて打順シミュレーション。結果をもとに仮説を検証したり、実際との類似や相違を考えながら戦略思考をトレーニングしました。
- Sports & STEAM(中央大学理工学部数学科 酒折准教授)
- 野球におけるデータ活用(データスタジアム 山田アナリスト)
「ノーアウト満塁は点数が入りにくい。」「左打者は左ピッチャーが苦手。」「変わった選手のところにボールが飛ぶ。」昔からよく聞くけど、これってホント?こんなことも、データを見ると一目瞭然。近年では、『フライボール革命』や『オープナー』という考え方や戦術がプロ野球でも聞かれるようになりましたが、これもデータをもとに紐解いたもの。データを収集しやすい野球の世界において、データ活用は課題発見や戦略策定に大変有効です。
- スコアブックデータを用いた打順シミュレーション(STEAM Sports Lab. 中島)
練習試合を通じて収集したスコアブックデータから、各選手の打順シミュレーションに必要なデータを抽出。各グループでスターティングメンバーと打順を仮設し、シミュレーションソフトを使って得点力を検証。メンバーや打順を入れ替え、ベストを探求しながら、戦略思考を高めていきました。
それにしても、効率という面では大変便利な世の中になりました。AIが勝手にベストな打順をシミュレーションしてくれる時代です。おそらく、今後ますますこの傾向は強まるでしょう。しかし、どんなにAIや科学技術が進歩しても、「それをどのように使うのか」「何のために使うのか」を考えるのは選手自身です。従って、まずもって大切なことは、「どうなりたいのか」「何をしたいのか」というビジョンであり、マインドをしっかり持つことですね。強い思いを持って、その実現に向けて、いろんなことにチャレンジしてください。