要約
学生団体は学生のおままごとである。いくらある程度の実績があるところでも、それは否めない。その要因として、対価が少ない事によるモチベーション、優先順位の低下が挙げられる。改善には充足的対価を上げることが最重要で、それには意識改革として、団体をまとめる立場にあるものが圧倒的力量を学び得て実践することで、牽引する必要がある。
SFTの特徴
まず、SFTは一般社団法人であり、同時に学生団体です。つまり、企業のように実績も求めながら、立ち位置としては大学のサークルの様な場所です。一般的に言われるようなビジネスのノウハウが、はたしてこの団体の最適解なのか、その疑問に基づいて、はじめにSFTの特徴をまとめてみましょう。
表のように、ざっくりとSFTの特徴をまとめると(それぞれの特徴の説明は省略、それぞれについての投稿を別でするかもしれません。)、
●できることの自由度が高い
●モチベーション、能力が一定以下になりやすい
といった感じになります。
表を見ると、その原因は
●メンバー自身のメリットが少ない事による、SFTの優先度低下
ということになります。
つまり、学生団体はいわゆるモチベーションの課題が発生しやすく、その解決には「対価」が必要ということです。企業のような質の追求だけでも、サークルのような楽しさの追求だけでもモチベーションにはつながりません。
「対価」とは何か
対価には3種類あると考えています。一つは物理的対価。もう一つは快楽的対価。最後は充足的対価です。まず、物理的対価は、「報酬」のこと。給料など、個人の得になることです。
快楽的対価は、いわゆる「楽しさ」。その行動によって直接楽しさを得られるようなことです。例えば飲み会や、交流イベント、居心地の良さなどがこれにあたります。
充足的対価は、「誇り」「達成感」のこと。自分のやっている活動に対して自信をもてること。もっと頑張りたいと思える向上心の源になるものです。
では、この3つの中で最も学生団体に不足しているのは何でしょうか。それは、物理的対価と充足的対価です。さらに、学生団体がこの中で最も伸ばすべき点は充足的対価だと考えます。
物理的対価は制約条件が多く、すぐに達成するのは困難で、企業やアルバイトの方が多く稼げる点であまり学生団体むきではありません。
快楽的対価は、学生団体のモチベーションを上げるうえでよく用いられますが、これによって上がるモチベーションには限度があります。少なくとも私の考える理想には到底達しません。
充足的対価を得るために
前述の通り、学生団体の課題として、「メンバー自身のメリットが少ない事による、SFTの優先度低下」があります。つまり、「これを頑張っても学校やアルバイトに比べて将来に活きない」、「所詮はサークル活動だから」という感情による優先順位の低下です。ただでさえ社会の知識の乏しい大学生が、片手間で活動すればできることは限られてきます。しかし、大学とは本来最高学位であり、社会に出られる年齢です。あまりに現状のレベルが低すぎる。
しかし、自分の活動が、1つの社会的活動として意味を成し、認められたものであれば、やりがいとやる気につながるはずです。
充足的対価を得るためには、「行動」の規模を拡大する必要があります。販売、計画、広報、調査、営業。すべてにおいて、学生のおままごとではなく、社会に通用するものを行い、プロではなくても、せめてプロ意識を持つことが大切です。そのために、まずは団体をまとめる立場の人たち(SFTでいう学生代表、事務局)が圧倒的な力量を得て実践する姿を見せることで、メンバーを牽引していくことが不可欠です。
ここで重要なのが、意識改革の「指示」ではなく、「ビジョンを見せること」「背中を見せること」。特に物理的対価を上げにくい学生団体で、過度な指示は禁物と言える。その団体に「誇り」を持ってもらえるような団体に"する"ことがまずは最も必要なことです。