コロナによって増えているのは、感染者数だけではない〜深刻なフードロス問題〜

メイン画像 出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター

こんにちは!関東コアのT中です🌟

最近のコロナウイルスに関する様々な報道があります。特に、感染者数・死亡者数、外出自粛要請や、マスク配布などの政策といったものが、一日中取り上げられています。

これらのニュースは、コロナウイルスに対する危機感をもたらしたり、新型コロナウイルスに対する関心を大きくさせるものです。

しかし、同じコロナウイルスに関するものでも、感染者数・死亡者数などの報道に隠れてしまっているニュースも本当にたくさんあります。


久しぶりにFacebookをぼんやりみていたら、こんな記事を見つけたのです。

江木食品工業株式会社公式Facebook【問題提起】4月8日
アクセス日:2020年4月16日


この記事は、

明日、大量のパンが廃棄されます。

という衝撃的な一文から始まります。


これはどういうことなのかというと、4000食の給食で使うパンを作った後に、政府による緊急事態宣言が発動(4月8日時点)されたため、学校が休校措置をとり、4000食もの給食パンを廃棄せざるを得ないということだそうです。


廃棄になるんだったら、売ればいいじゃん!という簡単な話ではないのだそうです。

それは、給食のパンには「給食利用に限定された」関税品の「脱脂粉乳」が使われているからです。

給食用に指定された関税品を、給食以外で使用することは禁止されています。
なので給食提供されない給食パンは廃棄しかありません。


もっと噛み砕いていうならば、

給食のパンに使われている脱脂粉乳は、「この脱脂粉乳は、絶対給食のパンに使います!」という約束をした代わりに、関税(輸入品にかかる税金)は免除されています。

ということです。


もし、給食用のパンを作っている会社がたとえ儲けようとしなくても、「勿体無い」からと言って、税関への申請なしにネット販売などをしようものならば、本来かかっていた関税を払っていない分、お金が浮いているのですから、言ってしまえばやっていることは脱税と同じです。

だから、給食用のパンは捨てることしかできません。この場合も、本来かかっていた関税が無税なのに捨ててしまったことと同義だから、税関への報告が必要だそうです。


では、なんで脱脂粉乳を給食で使うのかというと、引用が長くなってしまいますが、

誰もがその取扱に苦しむ関税品を、
何故か扱いをやめるという話になりません。
それが古い体質と利権による構造が絡んでいるかだと思っています。
つまるところ給食事業者の元締めである学校給食会は脱脂粉乳を流通させることが一つの事業の利益になっているのです。
かつての脱脂粉乳は大きな意味を思っていました。
学校給食が戦後再開された際、国内の物資供給と安定のため、日本はアメリカから小麦と脱脂粉乳を買いました。
これにはいろんな話があります。
パン文化を根付かせたいために小麦をかわせたとか、
飼料にしかならないチーズの絞りカスである脱脂粉乳をさばきたかったなどなど。
現実はわかりませんが、戦後の日本の学校給食はアメリカの物資とともにあったことは事実です。
しかしそれも昔のこと、物資が安定し、品質も向上し、栄養価もよく、美味しいパンが家庭でも作れるようになった今、関税品である脱脂粉乳に拘る理由はどこにあるんでしょうか。私にはわかりません。

給食事業の、もといパン製造における脱脂粉乳の意義はいくつかあります。
一つは栄養価、一つは製パン性、そして最後に価格。
これに関しては意見の分かれるところではありますが、いずれにしても代替品代替案がないということはありません。
結局の所関税品にこだわるのはそれを流通させることがそもそもの目的になってしまったからなのです。。。

ということなのだそうです。


戦後、物資が不足する中でスタートした学校給食は、当時は栄養価・保存性・海外支援で安価など、様々な理由から脱脂粉乳を使っていました。今やめようと思っていても、利権や関税などの絡みがあり、安易に給食の脱脂粉乳を廃止できない状況がずっと続いています。


この記事を読んで、私には決定的な解決策が思い浮かびませんでした。

簡単にはフードロスを解決できないことを知っているので、これをやればいいという打開策というのは見つけれません。


たとえば、食品ロスで話題になっている商慣習「3分の1ルール(商品の新鮮さを守るために、製造日から消費期限までの1/3までに小売業に下ろさなければ、まだ消費期限が先でも廃棄するルール)」を「2分の1ルール(製造日から消費期限までの1/2までに小売業に下ろさなければ、まだ消費期限が先でも廃棄するルール)」に変えて、まだ食べられるのにゴミになってしまうものを減らそうとする取り組みがスタートしたばかりです。菓子・飲料類やカップ麺などの加工品等に限定をし、大手スーパーなどが去年導入しました。

これだけではやはり完全になくせるわけでもないし、1/3ルールと1/2ルールが混じるため、同じ商品でも物流センターが事業先にあった納品期限を管理する煩わしさから、結局1/3ルールを適用してしまうなど様々な課題も山積みです。


しかし、この「1/2ルール」に変えていこうとする取り組みは、長年日本に染み付いていた商慣習を見直そうとする第一歩につながっています。


私は何をやっても無駄ということではなく、このように、

「これってやっぱりおかしいんじゃないの???」

と思い続けたからこそ1/3ルールを改善する動きが活発になったと思っています。

長年続いたものだから、変えるにはかなりの手間がかかるから、などと言っていたらこの問題は絶対に解決できません。


それっておかしい」と思うことがフードロス解決の最初の一歩だと思います。


私は、フードロスについては調べてきましたが、学校給食のことはあまり詳しくありません。

団塊世代は学校給食で牛乳の代わりに脱脂粉乳を飲んでいたことはなんとなく知っていました。


でも、Facebookで見て他内容は、初めて知ったことばかりでした。

今でもなお給食のパンが脱脂粉乳を使っていたこと。そして、私は幼稚園から数えるとおよそ12年もの間、知らずに食べて育っていたこと。簡単に解決できない問題であること。


どんなことにも言えることかもしれませんが、まずはフードロスについて現状を知り、

それってどうなの?

法律で決まっている/長年そうだったから、の一言で見過ごしていい問題なのか??

と自分に投げかけることは学校給食含めたフードロスを解決するのに本当に大切なことだと思います。


作っている過程をちゃんと見ているわけではないので、たくさん調べましたが、もしかしたら誤った情報もあるかもしれないです。

それでも、同じ「食」を取り扱うTFTのメンバーとして、多くの方に知ってほしいと思い、是非Pandoの記事で皆さんに共有させていただきたいなと思いました。


皆様はこの江木食品工業株式会社様の問題提起、そして、フードロスについて、どう思いましたか?


2020年4月17日

TABLE FOR TWO University Association
12代目関東コア 副代表・渉外担当 田中翔子

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