バリエーション、グラデーション #病名というラベル1

「私はポジティブな人間だと思う」
「○○はしっかりしてて頼りになる!」
「いつ見ても□□はおしゃれだねー」
私たちは、自己や他者に対して何気なくラベルを貼っています。
ラベルを貼ることで分かりやすくなる、曖昧なものがはっきりすることで落ち着くのだと思います。

でも、疾患、障害、特性、性格…。
すべて、まったく白黒つけられるものじゃないんですよね。

例えばLGBTQやSOGIの考え方においては、「性はグラデーション」という言葉がよく用いられます。AかBかはっきり決められるものではなく、グラデーションの中にある程度幅があるものだと考えられています。そして性と一口に言っても、身体の性、心の性、性的指向、表現したい性など、様々なものがあります。
分かりやすいところで言うと、私は表現したい性は女性~中性と幅があり、かわいい服もカッコいい服も好きでブランドにこだわらないので、我ながら統一性のない衣装棚になっています。

医療者は、患者さんに対して病名というラベルを貼ります。

ただ患者さんが同じ病気でも、人によって症状も、治療法も状況も、さまざまで曖昧です。診察の時に10段階でどれくらい痛いか表現してもらうことがあるのですが、我慢強い人は普通なら9と答えるところを、7と答えることだってあるかもしれません。
そのようなことを踏まえて、Personalized medicine(個別化医療)という考え方が提唱されています。患者さんひとりひとりの個性に合わせた医療を提供しよう、という考え方です。

でも、どんなに患者さんの病気がバリエーション豊かで状況や人柄もグラデーションであると理解はしていても、実践するのってはちゃめちゃに難しくないですか?
医学部の入試要項でコミュニケーション能力が云々...と散々見ましたが、人と話すのが上手いというより、人と向き合うコミュニケーション能力がいかに要求されるか、ひしひしと実感しています。
将来医療者として、この患者さんはこの病気だな、といった風に色々とラベルを貼ってしまうとは思いますが、ラベルからはみ出してしまう部分、そもそも単純なラベルで表現できない部分を見落としてしまわないよう、成長していきたいものです...🌱


話があちらこちらに飛びそうなので、「#病名というラベル」でシリーズ化することにしました。
今のところ全部で3記事、6月中に公開したいなと思っています。タイトルは、
 #2 「変わる他者と変わらない自己」
 #3 「病気になってほっとする人」
の予定です。よろしくお願いします!

あおい
2020.05.25

#3がすごい気になる😳😳

Ellen
2020.05.23

全部めっちゃ気になる。。。。

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