SDGs「質の高い教育をみんなに」

 こんばんは、vent arrièreの竹花悠太朗です。

 私はSDGsの目標4である「質の高い教育をみんなに」について書いていこうと思います。


    SDGs目標4のテーマ

すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」


  世界には約5,900万人もの子どもが小学校に通えていません。開発途上国は世界196か国のうち146か国です。つまり世界人口の約8割が開発途上国に住んでいることになります。この開発途上国での初等教育の就学率は2015年までに91%まで達しています。しかし、サハラ以南のアフリカ諸国では初等教育就学率は60%となっています。また、サハラ以南のアフリカ諸国、南アジア諸国、中近東、北アフリカ諸国での中等教育とそれ以上の就学率は50%未満となっています。特にサハラ以南のアフリカ諸国は世界の中でも識字率が低く、西部・中部アフリカでは識字率は男女ともに70%に満たない数字となっています。


 教育を受けられない理由

 ・家庭の事情
 開発途上国の場合、家庭内の仕事は子どもが担っていることが多いです。洗濯などの基本的家事はもちろんのこと、それに加えて両親が働いている場合は、小さな兄弟の世話をしなくてはなりません。また、貧困であるため学費が払えない、教科書が買えないなどの理由もあります。

 ・労働
 子どもも家庭を支えるために働いています。例えば、私たちが生きていくには水が欠かせません。アフリカなど水が貴重な地域では1日中水源と家を何往復もして、水を運ぶこともあります。

 ・学校や教師の不足
近くに学校がない。学校は建てられたが教員が不足しているため授業が受けられない。また、教員自体が十分な知恵を持っていないこともあります。

 ・戦争
 学校に通えない子どもが暮らしている国では、戦争が長期化しているケースが多いです。学校が頑丈であること、学校が町の中心部に位置しているという理由から、学校を訓練所や避難所に指定しているところもあります。その結果、学校が攻撃されることがあり、子どもたちが命を落とすケースが数多くあります。

 ・性別による問題
 開発途上国の中には「女性には教育は不必要」と考える習慣がある国は少なくありません。かつての日本と同じように、外で働いて稼いでくるのは男、家事は女という関係が存在します。そうなると、女性は学校に通わせてもらえなくなるのです。


 取り組み

 開発途上国
 JICA「みんなの学校プロジェクト」
 このプロジェクトでは子どもたちを守り、質の高い教育の場を提供するため教員や保護者、地域住民の協働のもと、教育改善を目指した取り組みを実施しています。特に親の教育への意識に変化を与えました。2004年に西アフリカのニジェールで24校から始まったこのプロジェクトは14,000校にまで拡大し、成功を収めました。現在ではニジェール以外のアフリカの国々にもこの教育モデルを広めています。

  日本
 日本はESD(持続可能な開発のための教育:Education for Sustainable Development)に注目しています。グローバル化が進む現代の社会に対し、世界への関心やつながりへの意識が低いことが低いとされています。世界の課題と日本との関係を知り、自らの問題としてその解決に向け、主体的かつ積極的に取り組める人材の育成を目指した取り組みです。現在、中学校や高校でも世界の課題について考える活動が、ESDとして各地で行われています


  まとめ
 世界には十分な教育を受けることのできない子どもがたくさんいます。2030年までにそれを改善していこうというのがSDGs目標4です。また、開発途上国だけでなく、先進国である私たちのESDも重要です。「質の高い教育」は他の項目にも大きく関連してくる非常に重要なものなので、皆さんも一度このテーマについて考えてみてください。



  
 最後に目標を構成する10のターゲットを載せておきます。目標4についての細かい目標が記載されているので是非読んでみてください。

4.1 2030年までに、全ての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。

4.2 2030年までに、全ての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。

4.3 2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。

4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。

4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。

4.6 2030年までに、全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。

4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。

4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。

4.b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼(しょうとうしょ)開発途上国、並びにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。

4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。

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