『電車でお年寄りに席を譲ったら、年寄り扱いするなと怒られた』『本当に席を必要としている人がわからない』いわゆる電車の「席ゆずり問題」。
この問題を解決するべく、現在クラウドファンディングに挑戦している“学生団体さぼてん。”さんにインタビューをさせていただきました!
今回のインタビューは、代表の西田様とメンバーの岩崎様のお2人に参加していただいております。
リサ
なんと学生団体さぼてん。さんは、設立したのが今年の5月!!
設立して間もない団体であるのにも関わらず、精力的に活動している学生団体さぼてん。さんに迫ります!!
学生団体さぼてん。とは?
ーー団体を設立しようと思ったきっかけや原体験を教えてください。。
西田
中学生ぐらいの時にお年寄りに電車の席を譲ろうと声をかけ、怒られてしまったことが原体験になっています。そのお年寄りの方から「年寄り扱いをするな」と怒られてしまい、その後席を譲ることに躊躇いを感じてしまったんです。
そしてこういった気持ちは周りの人も感じてしまっているのではないかと考え、この社会課題の解決を目指し、学生団体さぼてん。を設立しました。
ーー団体として、目指しているビジョンや大事にしている考え方はありますか?
西田
さぼてん。では「社会にいるみんなが温かい心を持った温かい社会を作る」というビジョンを掲げています。
ここでいう「みんなが温かい心」とは、人の温かさを重視していて、特にコミュニケーションを重視しています。現在行っている気づかいマークの活動も、お互いのコミュニケーションが活発化されて温かい心が伝え合える形になれればという想いが込められています。
また、大事にしている考え方として、「常に問題意識を持とう」「問題を自分ゴト化して考えてみよう」「自分のアイデアを大切にしよう」という3つのバリューを設定しております。
ーーその3つのバリューについて詳しく教えてください。
西田
1個ずつがバラバラなものではなく、3つを繋がっているものとして捉えています。
問題意識を持つことで、1つ1つの問題を自分ごと化することに繋がっていくと思っていて。そして問題を自分ごと化して初めて、アイデアが生まれてくると考えています。そうやって生まれてきたアイデアを大切にしていくことが、良いプロダクトを作りあげることに繋がるのではないかという考えから、この3つのバリューを設定しています。
ーービジョンやバリューがしっかりと考え込まれているように感じられますが、そんな学生団体さぼてん。の魅力はどういったところにあるのでしょうか?
西田
団体が本当に立ち上がったばかりなので裁量権があるというか、かなりスピード感をもって活動を行っていけるのかなとは感じています。例えば、SNSの運用一つとっても、1人・2人という少人数で行っているのでPCDAも早いと思いますね。
岩崎
もちろん人数が少ないからこそ裁量権がある状況ではあるのですが、もしこの先人数が増えたとしても、「新しい企画を思いついたら言って」とメンバーには伝えています。
日常の中で、こういうことを変えたいとかこうしたいということがあれば積極的に発言して、そこから実行に移せる団体ではあるのかなと思いますね。
学生団体さぼてん。のクラウドファンディング
ーー普段の活動はどのようなことを行っているのでしょうか?
岩崎
普段の活動は週1回ミーティングを行っています。今はメンバーが6人いるので、タスクを分担して、次週のミーティングでその進捗を報告する、という動きを繰り返していく形ですね。
※MTGの様子です!設立して間もない団体なので、今のところMTGは全てオンラインで実施しています。
ーータスクというのは、例えばどういったものでしょうか?
西田
最近の活動はクラウドファンディングに重点を置いているので、それを始めるにあたっての準備がメインになってきますね。例えば、クラウドファンディングのリターンについて話し合ったり、SNSのフォローバックの状況を確認しながら今後の運用戦略を決めていったりしています。
ーーやはりクラウドファンディングが活動のメインになっているのですね。今回のクラウドファンディングがどのようなものか詳しく教えてください。
西田
このクラウドファンディングは、電車でお年寄りに席を譲ろうと思った時に声をかけにくいといったような『席譲り問題』の解決を目指しているものになります。具体的には、席を譲って欲しいと考えているお年寄りが意思表示をするための『気づかいマーク』を作成し、それを広めていくことで解決していこうと考えています。そしてゆくゆくは、このマークがなくても自然とコミュニケーションが取れるような社会を実現することが最終目標です。
ーー気づかいマークへのこだわりや想いのようなものはありますか?
岩崎
こだわりが2点あって…
1つ目は、認知度が必要ないという点です。日本語と英語で文字が記載されているので、マークを知らなくても何を意味しているのかが伝わると考えています。
2つ目はデザイン性です。マークの中に四葉のクローバーがあるのですが、これはシルバーマークをインスパイアしています。これにより自然とお年寄りに関係したマークであることが伝わるようなデザインになっています。
※気づかいマーク
しかしとはいっても、気づかいマークの認知度自体は高めていかなければならないとは思っていて。
マークの意味が伝わるという点でいえば認知度は必要ないと思いますが、かといって政府や大きな機関が配ったりするものではないので、社会的に浸透をさせるという意味ではマークのデザインだけでは解決できないとも考えています。
ーーかなりこだわって制作されたマークなのですね。クラウドファンディングに参加してリターンである気づかいマークを受け取るのは若者がメインだと思うのですが、受け取ったマークはどのように使っていけばよいのでしょうか?
西田
私たちとしても、クラウドファンディングに参加してくださるのは若者がメインだと考えているので、気づかいマークを受け取った方はそれを必要としている方。例えば、近くにいる高齢者や親戚の方などに送っていただければなと思っています。
マークを送っていただく際にも、日頃の感謝を込めて送ることができるように、「いつもありがとう」というようなメッセージが入ったお茶などもリターンに組み込んでいます。
ーーでは、気づかいマークを使用した人の感想や意見などはありますか?
岩崎
メンバーの祖母にご使用いただき、「デザインが分かりやすく、緑と白で遠くからでも目立つ」「可愛いからつけやすいので、これからも使い続けたい」という感想をいただいております。
しかし、今のところはお年寄りのデータが少ないので、それを集めていくことが直近の目標の1つにもなっている状況です。そのため、今回のクラウドファンディングには、お年寄りの意見を集め狙いも含まれています。
『温かい社会』の実現のために
ーー次に、クラウドファンディング終了後に実施予定の活動について教えてください。
西田
クラウドファンディング実施後は、それこそお年寄りからの意見を集めさせていただいき、マークの認知度向上に努めていこうと考えています。長期的な展望としては、協賛をしてくださる企業様を探して、一緒にマークの拡散を行っていくようなことも視野に入れています。
ーー協賛というお話が出てきましたが、協賛の目的や具体的な考えなどはありますか?
西田
やはり私たちの団体だけの力では、より広く、多くの方にマークを認知してもらうことは少し難しいのではないかと感じておりまして。そこで、企業様からのサポートも受けながら、活動を続けることによってマークを作り続けたり浸透させることに繋がると考えています。
岩崎
具体的には、資金面でのご支援をいただくという形だけでなく、企業様の広報部などと協力しながら私たちの活動を広めていければいいなと考えています。
西田
気づかいマークの活動は鉄道会社様との親和性が高いのでは、とメンバーとも話しているのでそういった企業様にご協力いただければ、本当にマークを必要としている方に届きやすいのではとも感じています。例えば、みどりの窓口に気づかいマークを設置することができれば、マークの認知度も上がり必要としているお年寄りの目にも触れやすいと思うので。
ーーでは、より長期的な目線からビジョンの達成に向かって考えていることを教えてください。
西田
温かい社会をつくるというのはこの活動だけでは難しいとも感じているので、これやりたいなこれがあったら社会がもっとよくなるんじゃないかなっていう視点から色々な活動を行い、ビジョンの達成を目指していければと考えています。
ーーありがとうございます。続いて、団体のものではなく個人ベースでのお2人のビジョンを教えてください。
西田
私自身としても、小さな物事に問題意識を感じて生きていくように心がけているので、どんな問題からも目を背けずに自分ごと化して、小さな気づきを大切にしていきたいです。目指すビジョンとしては、「あったらいいな」というものを形にしていけるような人になりたいと考えています。
岩崎
私は「人が幸せに感じたり、ワクワクする瞬間をたくさん作りだす」というのを目標にしています。幼少期からバレエをしていて人前に立って踊ったり、イベントの運営などを経験して、誰かを幸せにするみたいな瞬間がすごい好きでなので。そういったようなことができる職業に就きたいですね。
ーーでは最後に、ご支援いただける方にメッセージをお願いします!
岩崎
多くの方が電車やバスなどの公共交通機関を日常的に利用していると思います。
多くの方にとって必要不可欠な場所であるからこそ、より優しくて温かい空間にしたいという想いで活動しています。共感してくださった方は是非支援していただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
西田
自分の経験をきっかけにして、このような活動を始めてアンケートであったり、多くの人からの協力のおかげでクラウドファンディングの実施までたどり着くことができました。『温かい社会』を作っていくために、このマークをきちんと世の中に広め、メンバー全員で責任をもって活動していきますので、ご支援よろしくお願いいたします。
学生団体さぼてん。へのお問い合わせ
学生団体さぼてん。さんの活動に興味を持ってくださった、学生様・企業様は下記SNSにご連絡ください。