皆さんこんにちは! さやかです。
10月30日に、国境なき医師団様と合同イベントを開催いたしました!!
国境なき医師団(MSF)は、「 独立・中立・公平」の活動原則のもと、医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。
MSFは、1971年に医師とジャーナリストによってフランスで設立されました。
なんと、1999年には、ノーベル平和賞も受賞されています!
特に「機動力」はMSFの大きな特徴のひとつです。
MSFは、まさに「バンドエイドのような役割」だと例えられるように、
緊急事態発生から48時間という非常に短い時間で援助に向かうことが可能です。
ここで!貴団体との合同イベント当日の内容を一部紹介します。
1.「日本のあたりまえは、世界のあたりまえ?」
例えば、
「もうすぐ雨の季節です。心配すべきことは何ですか?」
という問いに、あなたならどうやって答えますか?
私だと、「洗濯物が乾かないなぁ」とか、「ムシムシして嫌だなぁ」などと考えていました。
しかし、南スーダンに住んでいる人の答えは、
「病気が蔓延すること」
なんですね。
元々の不衛生な環境や物流の滞りが予測されることから、南スーダンでは、
「雨が降る」=「自分の命が脅やかされることにつながる」
と認識されるということです。
このようなシチュエーションテストを考えることを通じて、
南スーダンの常識と日本の常識が全く違うことに衝撃を受けました。
私たちの持つ常識は、特に南スーダン等の緊急医療の必要性が高い地域や国の常識とは、大きくかけ離れている可能性があります。
2011年に独立したばかりの南スーダンですが、
私たちは、彼らの現状を見過ごすべきではないでしょう。
そして続くディスカッションとしては、
「あなたはこの現状を変えることができると思いますか?」
「あなたにできることは何ですか?」
というテーマで行いました。
ゼロの会員の一人が、
「現状を変えられるかどうかではなく、変えなければならない。
できないから変えないという選択肢はない。
発展途上国だからできないということはあり得ない。」
と言っていたことが私の中でとても心に残っています。
今の自分にでもできること、変えられることは必ずあるのではないでしょうか。
そして、その一歩が何よりも大切なのではないでしょうか。
国境なき医師団様は、
私たちに最初にできることは、
「知ること」と「忘れないこと」
とおっしゃいました。
「何かをしようと思う気持ちをみんなが持ったら世界は変わる」
と。
私はそれを聞いた時に、
「知ることと忘れないことか、それなら私にもできるかもしれない!」
と思いました。
学生という立場で今できることは限られているものの、
現状の問題を知ること、それについて考えることは、一生をかけてやっていこうと思います。
2.「人道危機の現場では、どんなジレンマに直面しているのか?」
「独立性」・「中立性」・「公平性」
この3つは、国境なき医師団様の活動原則です。
この3つの活動原則は、MSFの迅速な援助を可能としている一方で、
時にはジレンマを引き起こすこともあります。
例えば、その国の政府に敵視されているものの、医療援助を必要としている特定のグループAを援助することを考えてみます。
援助を行った結果、政府が怒って、グループAへの支援を止めなければ、その国の他の医療援助を必要とするグループBに対する支援も禁止すると脅したのです。
この場合、政府からの独立性を補填することを優先するならば、あなたはグループAへの援助は止めるべきではありません。
しかし、グループAを援助することでグループAもBも援助することができなくなれば、
元も子もないですよね。
他にもこのようなジレンマがあります。皆さんも考えてみてください。
バックグラウンドこそ違うものの、急いで治療しなければ命を落とす危険性のある子どもが二人います。
しかし、その病気の治療薬は1つしかありません。
薬をどちらにも与えないという選択は取れません。
あなたならどうしますか。
このような状況下で担保しなければならない「公平性」とはどういった意味の「公平性」なのでしょうか。
最後の最後まで公平性を追求して、コイントスを行うことなのでしょうか。
或いは、単に親の職業などの患者のバックグラウンドにとらわれないことなのでしょうか。
明確な正解は存在しません。
このような倫理的な問題はディスカッションの中でも最も意見をまとめにくく、コンセンサスを取りにくい問題です。
しかし「医の倫理」に基づき「選択」を必ずしなければならない。
だからこそ、苦しいのです。
このような葛藤の中で現地の職員の方々は、
常に生死と向き合いながら意思決定をせざるを得ないことを想像すると、
本当に頭が下がります。
私たちは普段ディスカッションを行っていますが、必ずしも「答え」を出すことは要求されません。
しかしながら、社会に出ると、明確な答えが存在しないような状況で、決断を迫られるといったことがごまんとあります。
今回のイベントのディスカッションを通じて、ゼロのメンバーは、国境なき医師団様が抱えているジレンマを少しでも理解することができたのではないかと私は考えています。
これからも、答えのない問いについて、私たちは自分たちなりに必死に考えていきたいと思います。
最後に、国境なき医師団様、貴重なお時間を割いてレクチャーをしていただき、本当にありがとうございました。
この記事を読んで少しでもゼロの活動に興味を持った方は、他の記事も見てみてください!
お忙しい中、ありがとうございます‼️☺️