模擬国連の流れ Part2!!

皆さんこんにちは、石川です。前回の記事に引き続き、模擬国連の流れについて説明していきます!

模擬国連の流れをおさらい!

石川 将
Let's MUN!

アンモデ

非公式討議の2種類目はアンモデと呼ばれるものです。モデは正式にはUnmoderated Caucus(アンモデレーテッドコーカス)と呼ばれ、日本語では着席討議とも呼ばれます。こちらは大使全員が起立して、議場を自由に移動して議論します。モデとは違って移動自由なので議場のあちこちに大使が散らばります。モデが他の大使全員と議論する時間だったのに対し、アンモデは好きな大使と議論する時間だといえるでしょう。
とは言ってもアンモデですることはある程度決まっています。何かというと決議案を作ることです。模擬国連の目的そのものですね。この際、大使は議題に対するスタンスが似ている国は地域が近い国と集まってグループを作ります。そのグループの中で議論を重ねて決議案を作るという流れが主流です。
なぜ自分だけで決議案を作らないのでしょうか。後ほど説明しますが、決議案は最後に投票にかけられます。そこで一定の賛成がないと決議案は可決されません。だから、自分一人で決議案を書いても他の大使が賛成してくれないと意味がないわけです。そこで、立場が似ている国がまとまって決議案を作り、一緒に賛成をして可決しやすくするのがグループづくりの目的です。もちろん、立場の違いでグループは複数できるので決議案も複数作られることがほとんどです。
ここで皆さんは、「モデかアンモデどっちをやるの?」という疑問に行き着くでしょう。答えは簡単。多数決です。モデをしたい!という大使が過半数ならモデになりますし、逆にアンモデをしたい!という大使が過半数ならアンモデになります。

投票

決議案が提出されたら投票の時間です。実は投票方法には2種類あります。
1種類目はロールコール投票と呼ばれるものです。Roll-Callは日本語で点呼という意味です。ロールコール投票では、議長がアルファベット順に大使を指名し、大使がYes(賛成)No(反対)Abstention(棄権)Pass(パス)のどれかに投票することになっています。賛成と反対はそのままの意味ですが、棄権は外交的な理由で賛成も反対もできないときに使います。棄権をするとその票は投票数に数えられなくなります。パスは投票を様子見するという意味で、投票が1巡した後にパスをした大使だけ再度投票を行います。重要なのが、パスをした際、2回目の投票では棄権することができないというルールがあります。つまり、賛成か反対しかできないわけです。全ての大使が投票を終えた際、賛成と反対の票数を母数とし(棄権は母数に含まれません)、賛成の割合が一定以上(普通は過半数ですが、3分の2以上の場合もあります)だった場合、決議案が可決されますここらへんは少しややこしいので覚えなくても大丈夫です。
2種類目はコンセンサス投票と呼ばれるものです。Consensus(合意)という意味の通り、大使全員が賛成して初めて可決される投票方法です。コンセンサスが失敗するとロールコール投票に移りますし、コンセンサス投票とロールコール投票が同時に提案されるとロールコール投票が行われます。なぜこんなに面倒なコンセンサス投票が存在するかというと、それは模擬国連においてコンセンサスは非常に大きな意味を持つからです。考えてみてください。意見も立場も異なる大使たちが、1人の反対もなく全員賛成できる決議案というものは素晴らしい合意であるわけです。だからコンセンサスの価値は非常に高くなっています。裏を返せば、意見がバラバラな国でも賛成できるコンセンサスは各国による妥協の産物という見方もできますが、それでもコンセンサスというのは非常に重要です。
ここまで投票方法について説明してきましたが、決議案が複数提出された場合、投票はそれぞれ個別に行われます。言い方を変えると、決議案が1つも可決されないケースや複数可決されるケースなどがあるため、1回の会議で可決される決議案は1つとは限らないわけです。
投票が終わると会議は終了です。お疲れ様でした!

まとめ

ここまで説明してきたように、模擬国連会議は出席確認→スピーカーズリストの開放→スピーチ→非公式討議→スピーチ...→投票という順番で進んでいきます。模擬国連の流れを押さえると、模擬国連をより一層楽しめますよ!
それでは、次回の更新もお楽しみに!