31歳の誕生日を迎えて:社会科学で「世の中から不合理をなくす」の実践へ

 今日、31歳の誕生日を迎えた。といっても、メイン画像にあるようにWeb講義の第一回目ガイダンスの音声を撮ったり、資料を作ってアップロードしたりしているうちに、日が空けていた。日付をみたら誕生日だったという状態だった。

 30歳の1年間でめまぐるしく変化があった。まず、有斐閣から『イノベーションを生む“改善”』の出版が決まり、執筆に全力を注いだ。しばらくして群像新人評論賞の最終候補に選ばれたかと思ったら、賞分離後初の「受賞者なし」となってしまった。私は小説・評論執筆と社会科学論文の執筆とが両輪となってようやく自分の考えを世の中に十分公表できると考えているので、これにはしばらく気を落とした。

 しかしやはり見ている人もいるもので、出版社5社から出版や連載のお誘いがあった。児童小説1、裏方1、経営学新書1、経営学教科書1、Web記事連載1の5つだ。それらはどれも「経営学・社会科学のアイデアを世の中に広め、世の中から少しでも不合理と非効率をなくす」という自分のビジョンに沿ったものだった。

 すでにみられるものとしては扶桑社『SPA!』編集部biz SPA!フレッシュにおける『“気になる経営”学』と『文学で“読む”経済』の二つの連載がある。これは、元々あまり経営学を学んでいなかった人や、文学作品を読んでいなかった人に、それらの魅力を伝えるものだ。同時に、それをどう社会や自分の生活に活かすかを考えるきっかけにしてもらおうとしたものでもある。こうしたことを通じて、経営学ファンを増やしたいし、文学を通じて経営学を考えるという文化も少しずつ作っていきたい。

 これらは経営学者としての活動のど真ん中からは少し外れていると思われるかもしれない。しかし、自分の中ではこれらも『イノベーションを生む“改善”』の実践である。

 もうひとつ、一般社団法人社会システムデザインセンターのアドバイザーに就任し、志のある学生に無償で経営学の授業を提供した。さらに業界のトップランナーと交流する機会を設けた。授業の詳細はPandoの記事にすでに沢山おいてある。

東京大学GCLプログラム

GCLとは文部科学省・日本学術振興会博士課程教育リーディングプログラムによって発足した分野横断的な教育の取り組みです。東京大学の下記研究科が参加しています。情報理工学系研究科、学際情報学府、工学系研究科、医学系研究科、農学生命科学研究科、教育学研究科、経済学研究科(2018年度まで)、公共政策大学院、法学政治学研究科

 もうひとつ……とめどもなく今年一年の取り組みが出てきそうだ。明治学院大学岩尾ゼミでも色んなイベントを企画・実行したし、公益財団法人日本生産性本部での研修講師など、色んなことをおこなった。個々の取り組みについて書くとそれだけで1万字を超えそうだ。

 いずれにせよ、経営学・社会科学の力で世の中を少しでも良くするための活動に力を入れた、とは胸を張って言えると思う。その一方で、相変わらずのハードワークになってしまったようだ。私は身体はそこそこ強い方なので(4時間も寝れば翌日30キロ行軍しても平気、また4時間寝て元気になる)ほっとくとずっと仕事をしてしまう。……いや本当は弱いのかもしれない。数年前(大学院生時代)には短時間睡眠を繰り返しているうちに、帯状疱疹や一時失明などになってしまうこともあった。本当は休めと体がメッセージをくれていたのかもしれない。

 そんなわけで、自己管理として、本を出版してからは意図的に休むようにしたつもりだった。しかし、冒頭に戻るが、やはり誕生日も忘れるくらいに仕事をしていたようである。

 そんな31歳の誕生日だが、今年は自分にとって(これも今は言えないのだが)大きな転機がくる。あと数年後と思っていたチャンスが、ふいに今年やってきた。研究と教育の発信力を高める大きな機会である。自分の努力だけではどうにもできないものだけれど、努力を続けるものに神様は微笑むと信じたい。……後一年はやっぱりあまり安めなさそうだ。

粟本 邦幸
2020.04.20

お誕生日おめでとうございます。
岩尾先生の力強く歩まれるお姿を拝見し、朝から良い刺激を頂きました。有難う御座います。今後、益々のご活躍をお祈り申し上げます!

岩尾俊兵
2020.04.20

ありがとうございます!
粟本さんの朝はやいですね!やはり仕事は早起きに限りますね。
私は今ちょっと目が覚めましたが、少し二度寝して仕事であります。

粟本 邦幸
2020.04.20

しばしの休憩も大切ですので、ゆっくりなさってください。

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