1ピクセルに命をかける美大生

こんにちは!SHAKE ART!24号アートディレクターの林若菜です。第14回目の記事になりました!6月下旬では最終回に向けて6月上旬に登場していた3年生メンバーが再登場しつつ、SHAKE ART!をさらに深掘りしていこうと思います!


今回は私たちが作るフリーマガジン「SHAKE ART!」にこめる伝えたい想いや、美大生ならではのこだわりも交えつつ、実際どうやって作ってるの?という疑問にお答えすべく最新号の制作ワークフローをお伝え出来ればと思っています!


3月に発行した24号は遡ると2019年の10月からプロジェクトが進んでいました!

みんな大学が第一なので集まるのは月に2回、それ以外はSlackやLINEを活用して連携をとっています。

半年間でどのように制作を進めているのか?

【10 ・ 11月】

まず最新号全体のコンセプト、発行部数、ページ数など雑誌の枠組みを決め、メンバーみんなで企画案を出して、雑誌の中身(企画)を詰めます。

私が一貫して考えていた24号の狙いは「ファッション誌をパラパラめくるように楽しく気軽にアートに触れてもらいたい」というものでした。なので文章企画を少なめに、読み物というよりビジュアルブック寄りの号になりました。巻頭企画ではファッション誌さながらに作家さんのスタイルコーデやアイテムを作品とともに掲載しました。その号のコンセプトや方針はある程度アートディレクターがバシッと決めてブレない芯を持っておかなければいけないのですが、私がやりたい!と提案したコンセプトについてきてくれたメンバーのみんなにはとても感謝しています。ありがとー!!!

ページ構成が決定したあとライター・デザイナー共にページ担当を分けます。ここでグループワークには欠かせないSlack!ページごとに担当メンバーでチャンネルを作って企画別にプロジェクトを進めます。

【12月】

企画が決定したらその号の企画概要書・広告概要書が作成できるのでそれを持って、広告や作品を掲載していただける企業・作家様にアポを取り始めます。取り上げたい推し作家さんにアポを取る時はどきどきしますね・・・!

【1月 ・ 2月】

企画ごとに進行具合は違いますが、まず取材をします。対談企画はメンバー何人かで作家さんの所にお邪魔してインタビューをさせてもらったり、大学のスタジオで撮影をしたり・・・。

取材が終わればライターは原稿を書き、デザイナーはデザインについてアートディレクターや企画メンバーと相談しながらデータを作成します。最初はデザイナーごとにデザインのテイストがかなり違いますが、読みやすい程度に皆の足並みを揃えていきます。10人ほどのデザイナーたちの気持ちを否定せずにそのページが1冊の中でどういうデザインであるべきか、最適解を考えながら指示を出したり提案します。大人数のグループワークをディレクションするのはなかなか難しいですね(笑)

【3月】

最終調整を残す段階まできたら大学の一室を借りてみんなで入稿合宿をします。ライターは校正、デザイナーは校正した文章の修正やデザインの微調整をします。その他にも紙見本を見て表紙・本文用紙を選びます。どんな質感が良いか、色味が良いか、同じ紙でも厚みによって本当にたくさん種類があります!最後にアートディレクターがチェックをして入稿、数日後段ボールにギッシリ詰まった最新号が届きます!

実はかなり細かい所に気を遣って誌面を作っている

私はアートディレクターだったのでスケジュール管理だけでなく、誌面全体で統一するフォントや配色をかなり考えました。

どのくらいの級数(フォントサイズ)なら読みやすい?ページごとに雰囲気を変えながら一冊の雑誌として統一感を出すにはどんな配色がいいか?などなど・・・。

タイトル・見出し・本文と1ページの中で登場する文字の大きさは1つではありません。読み手が疲れないように文章タイプごとに級数を調整したり、配色はメンバーに共有したパターン以外も含めると20パターン以上考えました(笑)。色でもスマホやPCで表現できる色の領域と、紙などアナログ媒体で表現できる色には違いがあるのをご存知ですか?制作段階はデジタル、できる物はアナログなのでそこも考えてCMYK値(カラー印刷に使われる4種類のインキの濃さ)を調整します。目視ではほぼ分かりませんが眼をこらすと例えばM値(マゼンタインキ)を1%増やしただけでも印象は変わります。マガジンを作ってると聞くとキラキラして見えるかもしれませんが、実際はほとんどPCに貼りついてマウスをカチカチしてる時間がほとんどです。

色だけではなく、レイアウトにも細かく気を配ります。例えばある程度眼が鍛えられると10px(ピクセル)の太さの線の中に1本だけある11pxの太さの線がパッと見分けられるようになります(笑)。

そんなことにこだわってても雑誌を手に取る人にはほとんど気づかないのは分かっているんです。と同時に大衆が気づかないレベルの細かいこだわりが自分たちのつくるもののクオリティを上げることも分かっています。作品の質を上げるためならどこまでも手を動かす、美大生の哀しい性ですね…。

いかがでしたか?美大生が細部までこだわったフリーマガジン、ちょっと気になりませんか?

この春オープンした公式サイトでは最新号の24号だけでなくバックナンバーも読み放題です!ぜひ遊びにきてくださいね。

https://shakeart.studio.design/backnumber

次回は第3回目に登場した広報長がSNS時代の広報戦略について語ります。

お楽しみに!


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