まえがき
こんにちは。京都大学総合人間学部5年の山本周雅です。大学で起業部の部長をしつつ、自分でBARやキャリア支援系の活動をしている人間です。
この文章は、
・起業という言葉は知っているが、まだ詳しく知らない方
・起業にイマイチ興味のない方、起業に対して消極的な方
・起業支援をしている方
を中心に据え、書かせていただきました。
起業に消極的なイメージを持たれている方に、小さくとも新たな気づきをもたらせれば嬉しく思います。では始まります…!
【イントロ】「起業」を食わず嫌いしているあなたへ
さていきなりですが質問です。
皆さんは「起業」についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
皆さん、色々とご自身の意見があるかもしれません。ちょっとでも考えてくれた方、ありがとうございます。
僕は京大起業部の部長としてキャリアの相談に多くの方とお話をしてきたのですが、起業のイメージとして挙げられる言葉として「リスク」という言葉を挙げるケースが非常に多いなと感じています。
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/22501/814005.pdf
実際上の表にあると通り、日本人の「起業」に対するイメージのトップ3は生活の不安定さ(≒リスク)を占めている状況です。
うんうん、やっぱりそうだよね…、起業ってなんかリスクが高そうで怖いよね…
痛いほどその気持ちわかります。なんか怖い。
しかし、僕はあえてこのような感情をお持ちの方に言いたいことがあります。
「起業」の中身が実際どうなっているのか知っていますか?
「起業」にもいーーぱい種類があるのを知っていますか?
もしかして、「起業」への食わず嫌いをしていませんか…?
僕がこれまであってきたヒトで怖いと言っているヒトはほとんどのヒトが中身をあまり知らずに、いや、知らないが故、怖いと言っているのではないかと思うのです。おばけみたいな。
だから今回、この文章を通じて皆さんに、特に「食わず嫌い」をしているあなたへ少しでも「起業」の中身を知ってほしい。
そして結論として、文章を読み終わった頃に皆さんが
起業を学ぶことは生きる上でのリスクをめちゃくちゃ下げてくれる行為なんだ!
という風に起業へのイメージをチェンジしてもらえると嬉しいです。
【前提】起業を学ぶことと起業を実際することは全然違うということ
まず、最初に「起業」という言葉をしっかりと見るところから始めようと思います。
正直ここの認識だけで9割位のヒトの食わず嫌いは払拭されると思っています。
前提、「起業を学ぶ=起業する」ではないことをまずしっかりと認識してほしい。
え、何いってんの当たり前じゃん馬鹿じゃない?と思った方。すんません。
でも多くのヒトの食わず嫌いの原因はここにあるのではないかと思っています。
起業を学ぶ行為そのものがなぜかリスクのある行為だと思っている
無意識下にその片鱗があればヒトはなかなかその行為を進んではしないでしょう。
ここで言いたいことは、起業を学ぶことと起業を実際することをセットで考えるのではなく分けて考えてほしいということです。ここをまず前提にしてください。
では次に起業を学ぶということはどういうことか噛み砕いていきます。
起業を学ぶというと起業の準備をするための知識、例えば、資金調達の仕方、帳簿の付け方、物件の探し方、登記のやり方…などなど、を身につけることと思われている方が多いのではないかと思います。
つまり、どちらかといえば開業する手続きに特化した、汎用性のないことを学ぶという解釈です。
僕は、そう思われている方のココの解釈を少し変えてもらいたいと思っています。
結論から言うと、僕は起業を学ぶ言う行為は、「健全で持続的なモノの生み出し方を学ぶ」という意味を持っていると思っています。
どういうことかというと、起業を実際するまでのプロセスにその秘密は宿っています。
そのプロセスは以下の様に行われます。
①自分の理想や世の中の課題を探索し、それらを実現、解決するアイデアを出す。
②そのアイデアを現実化するときに単発で終わってしまわないような、継続的に運用し続けることのできるシステムをつくる。(ビジネスモデル)
③システムをつくるときに関わる利害関係者(お客さん、従業員、自分、国、社会など)のうち誰かが負担を負い続ける結果にならないように調整する。
④とりあえず完成したシステムを仮のものとし、実験と考察を何度も繰り返す
⑤納得の行くものができる限り①から④を回し続け、磨き上げる
⑥出来上がったものについて必要なヒトとお金を集めたり、今後の運用スケジュールを組み立てる
見てもらえればお分かりの方もいると思いますが、このプロセスは何かモノやサービスを生み出すというかなり汎用的に利用可能なものなのです。
つまり、「起業する」という限定的な枠ではなく、会社でプロジェクトを生み出したり、学園祭でイベントを企画したり、自分で音楽をつくったり、彼女とのデートを組み立てるなどのこの世の森羅万象に適用することが可能なのです。
ここが起業を学ぶ上での1番の意義になると思います。
【本題】起業を学ぶことと生きる上でのリスク
さて、起業を学ぶことの意義を示したところで、具体的に得られる産物は何があるのでしょうか?
結論から言うと冒頭にあったように
・モノの生み出す上での具体的なプロセス・知識
と、さらに加えて
・アントレプレナーシップ(起業家精神)
であると思っています。
まず一つ目のモノを生み出す上での具体的なプロセス・知識に関しては先程述べた汎用性からすぐわかると思います。自分でなにかものを生み出したい、自己表現をしたいという衝動に駆られたときに、その知識はいつでも活かすことができます。
また、先程のプロセスには①の前に
0 好きなこと、得意なこと、やりたいことを整理し、自分の大まかなライフプランと見合わせて規模とやることの方向性、ビジョンを見出す
というのも実はあります。
起業を学ぶことは自分との対話を促し、社会と自分の関わりを考える機会を提供してくれます。そのなかで健全性を担保し、持続的なモノの生み出し方を身につけられるというのはこれ以上になく素晴らしいものではないでしょうか?
そして、その過程を超えていく上で形成される精神性というのを僕はアントレプレナーシップ(起業家精神)であると思っています。
世の中にとって良い健全なものと自分の中の真善美との調和し、関わりあって、更に高い次元のものに昇華し、より洗練された「良いもの」を創ることができる精神。
この精神性は他の事象ではなかなか体系的に学ぶことはできないのではないかと思います。
これら2つを持っていれば、正直どんなところでも生きていけるものだと僕は考えています。自分で起業するにしろ、会社で事業を立ち上げるにしろ、フリーランスで仕事を掴みに行くにしろ、モノを生み出すことができれば、あなたにはその時点で生み出す力と交渉力が兼ね揃えられています。(あまり好きな言葉ではないですが、いわゆる自分の市場価値が上がったということです)
これが結論として、起業を学ぶという行為は生きる上でのリスクをめちゃくちゃ下げてくれるであるという所以になります。
【まとめ】最後にお伝えしたいこと
起業を実際するというと、もともとはひとつの大きな壁が立ちはだかっているように感じる方が多かったのではないかと思います。
しかし現実は、起業を実際するまでに小さな小さな階段が数多く存在しており、それを少しづつ登っていくことで、結果、壁の上までたどり着いているというケースがほとんどなのです。
その階段の最初の1段目に当たるのが、今回お話した起業を学ぶということ。
階段を1つ1つ上がっていく中での産物として、アントレプレナーシップは形成されていきます。
これを知っているだけで皆さんの起業に対する食わず嫌いを多少は克服できるようになるのではないでしょうか?
起業を学び、自分の中にアントレプレナーシップを形成することで、生きる上でのリスクを下げ、より自己表現をする可能性を最大化できるようになりましょう。
この文章がそのきっかけになることを祈っています。
【次回予告】さらに1歩踏み込みたい方へ
今回は起業を学ぶこととそのリスクのついて中心に話しました。
次回は、その1歩先、起業を実際することとリスクについて検討したいと思っています。
起業をすることは我々、特に学生にとってリスクが本当に高いことばかりなのでしょうか?
結論を話しておくと、
・起業をするにしても色々種類があって、低リスク高リターンのやり方も腐るほど存在している
・学生の成功・失敗の経験はどちらにせよ資産になるので正直無敵
などを詳しくお話できればと思います。
また、起業する上で本当に踏み入れてはいけない初見殺しのリスクについても次回はお話できればと思います。お楽しみに。
あとがき
僕自身はこの社会に生きる多くの方にアントレプレナーシップを身につける機会を届けたいと思い、日々活動しています。起業をするしないに関わらず、この精神性を身につけるヒトが多くなれば世界は少しだけでもいい方向に行くのではないかと信じています。
今後、このアントレプレナーシップを世に広めるべく、コミュニティを始めとし、自身の研究のテーマであるベーシックインカムと絡めて様々な取り組みをしていこうと思っております。もしなにか始めたときは、少しでも僕の応援していただけると嬉しく思います。
興味のある方や僕と話してみたいなと思われる方がいらっしゃいましたら、twitterのDMにぜひメッセージをお送りください。お待ちしています。(@521Syuga :山本周雅)
今回はこのクソ長文の稚拙な文章をお読みいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。
周雅さん
素晴らしい記事ありがとうございます!こういった学び、日本だとなかなかできる機会少ないですもんね。知識を入れることで選択の幅も広がると思います!次回も楽しみにしています!