皆さんこんにちは。好きな方程式はシュレディンガー方程式、常盤です。
突然ですが、皆さんは数学がお好きですか?
僕は好きです。積分とか複素数とか大好きです。
ですが、正直なところ、私みたいな人は稀でしょう。
実際、数学が嫌いな学生は特に多いようです。
2020年の中学生白書(※1)によれば、嫌いな科目第1位は数学で、約24%の生徒が嫌いと回答しています。さらに2018年の高校生白書(※2)でも、嫌いな科目第1位は数学で、約21%の生徒が嫌いと回答しています。
(参照
※1:https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/j202008/chapter8/01.html
※2:https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/h201809/chapter7/01.html)
僕の周りにも、特に数学が苦手だという知り合いが多くいました。
なんでサインやコサインの性質を勉強しなきゃいけないんだ。xやyを使って一体何になるんだ。二次方程式が解けて何が嬉しいのか。微分や積分なんて、一体いつ使うのか。
こんなこと勉強して、将来何の役に立つんだろう。
勉強する必要ってあるのかな。
勉強していて、一度はこんなことを思った方も多いのではないでしょうか。
でも、数学って本当に役に立ってないのでしょうか?
僕はそうは思いません。
そこで今回の記事では、数学がどのように私の生活の中で役立っているのかを、そもそも数字や数学は何なのかというところからお話しします。
そして、なぜ数学が役に立っていないと思ってしまうのか、僕なりの考えもお話ししていきたいと思います。
それでは早速本編に入りましょう。
数字はこの世に実在しない!?
突然ですが皆さんは、朝起きたら”数字の1”が見えたことはありますか?
リンゴが“1”個、パンが“1”枚とか、記号・図形としての“1”ではなく、ただの“数字の1”です。
そう言われると、見たことないのではないでしょうか?
見たことあるという人は、たぶん疲れているのでゆっくり休みましょう。
何が言いたいかというと、そもそも数字って“この世に実在しない”ものなのです。
では、数字とはいったい何なのでしょうか?
この世界は私たち人間にとって、そのまま扱うにはあまりにも複雑です。そこで昔の頭のいい人たちは、“この世の仕組み”を考えるうえで、この世界をもっと簡単に表す方法を考えました。
それが“言葉”です、こと数学においては、“数字”と呼ばれるものです。
このあたりの詳しい話は、言語学や認知学などが絡む難しい問題なので、これ以上の深堀は控えます。一応、参考になりそうな先輩たちの記事を貼っておきます。興味ある方はこちらもぜひ読んでみると面白いと思います。
世の中には、2種類の人間しかいない。俺か、俺以外か。
ここでは単に、「この世界を簡単に理解するための道具=言葉、数字」ということが分かればOKです。
そう、そもそも数字なんてこの世に実在しないものなのです。
数学は、この世の仕組みを解き明かす
先ほども言ったように、数字はあくまでこの世の仕組みを簡単にするための道具にすぎません。実体を持ちませんし、そのままでは社会のために活用することは難しいのです。
それは昔の人たちにとっても同じでした。そこで、昔の頭のいい人たちは考えました。
『“数字”という道具を使えば、この世の仕組みを簡単に表すことができた。ならばそれを解明し、現実に活用できないものかと。』
そこから生まれたのが、数学という学問です。
まとめると、数学とは「この世を簡単に表した“数字”という道具を用い、この世の仕組みを解明する」ことを目的とした学問で、そこで分かった仕組みが、今現在も様々なところで活用されているのです。
(ちなみに、数学を通して分かった仕組みを、具体的にどうやって現実で活用できるのか、というところは物理学や化学など、数学とはまた別の学問で扱われています。)
数学で便利になった世界
ここまでの話で、数学がどんな学問なのかが分かりました。では具体的に、どういったところに、数字をはじめとした数学は活用されているのでしょうか?
まず、誰もが使うところで言えば、「モノを数える」ことでしょう。食べ物、動物、お金、本、道具などをはじめ、気温や湿度、長さや速さ、重さなど曖昧なモノも、数字を使えば数えることが可能です。
数えることをさらに発展させれば、ある程度法則性を見出すことで、“未来を予想する”ことができます。天気予報とかまさにそうですよね。
他には、「モノの形をとらえる」ことが挙げられます。いわゆる“図形”という奴です。
円とか三角とか四角とか、なんとなくわかるけど、それがどういうものかきちんと表したいときに、数字や数学ってすごく相性がいいのです。
「ある点から、同じ距離にある点をすべてつないだ時にできる図形を球とする」って書けば、誰でもみんな同じ図形(=球)をイメージできますよね。ちなみに、さっきの「モノを数える」というのが、ここでも距離=長さを数えるのに使われています。
これをさらに発展させていけば、例えば、空気の抵抗を一番少なくできる形など、ある特徴をもった形を見つけたいときに役立ちます。新幹線や飛行機を作るときに、こうした形は欠かせないですよね。
この二つは、数学の中のほんの一部にすぎません。しかし、これだけでも私たちの生活をかなり便利にしていますよね。
もちろん、これら以外にも数学は色々なところで使われています。皆さんが今手にしているであろう、スマートフォンやタブレット、PCなど、まさに数学が活用されている代表例ですよね。
数学が役に立たないと思う理由、ズバリ…
ここまでの話で、数学がいかに私たちの生活を便利にしているか、お分かりいただけたことでしょう。なるほど、確かに数学は十分役に立っていそうだ、と皆さんも思えるはずです。
ではなぜ、数学は役に立たない、と思ってしまう人が多いのでしょうか?
これについて、僕なりの答えをお話しします。
数学が役に立たないと思う人が多い理由、それは
「数学が目に見えず、認識しづらいから」
だと思います。
数学ないし数字はこの世に実在しないと、さきほどお話ししました。この世に実在しないから、当然見ることもできない。
ですが、数学によって人々は、世界の仕組みを解き明かすことが出来ました。そして人々は、社会の中で数学を活用し、この世界を便利にしてきたのでした。
では、社会の中で活用されている=役に立っている数学って、どこにあるかわかりますか?
当然、見えないのですから、直接自分の目で見つけることは出来ません。では、どうにかして世界の中から、数学を認識=見つけ出したいところです。
が、しかし。この認識をすることが、実はかなり難しいのです。
そのため、多くのひとは世界と数学の繋がりに気づけず、数学は役に立たない、と思ってしまう。これが僕なりの考えです。
学校で習う数学の使い道
先ほど、世界の中の数学を見つけ出すのは難しいとお話ししました。ですが、数学の知識があれば、隠れた数学を見つけ出すことは比較的容易になります。
簡単な例で言うと、モノを投げたときに、そのモノが描く“放物線”ってありますよね。あれは、数学で言うところの“二次関数”というものを使って表すことができます。
簡単に言えば、放物線という“現実”の中に、二次関数という“数学”が隠れているのです。
このような認識をするには、数学の中の“二次関数”を知っていることが不可欠です。
学校などで習う数学も当然、世の中の数学を見つけるのに大いに役立ちます。
一見、役に立たないように思える色々な数学の知識には、実はこうした使い方もあるのです。
数学を勉強する必要はあるのか
ここまでは、「数学がいかに役に立つのか」ということについてお話してきました。
数学は、この世界の中でひっそりと隠れながら役立っている。だからこそ、その存在に気づくことは結構難しい。
では、そもそも数学の存在に気づく必要って、あるのでしょうか?
わざわざ学校で学ぶ必要が、本当にあるのでしょうか?
僕は、大いにあると思っています。それこそ、老若男女問わず、皆が数学を学ぶべきだと思います。では、それはなぜか。
先ほども話したように、数学は色々なところで役に立っています。
ということは数学を使えば、私たちのより身近な生活をもっと便利にすることも可能なわけです。
買い物をするときをはじめ、お金を扱うには数字の知識が必要不可欠です。数字に強くなっておけば、そうしたトラブルには巻き込まれにくくなるでしょう。
また、さまざまな情報を処理するためにも数学は大いに役立ちます。Excelなど表計算ソフトは、数学の知識があればかなり使いやすくなります。
この他にも、すごく身近なところで数学が役に立つ場面って実はかなり多いのでは、と思います。
数学、意外と便利な奴だと思いませんか?
おわりに
いかがでしたでしょうか。
少し長くなり、ところどころ読みづらい部分があったかもしれませんが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございます。
一応、断っておきますが、僕は数学を専攻しているわけではないので、上で述べてきたことは厳密には違います。あくまで、ふんわりとしたイメージであり、僕なりの解釈です。
もっと詳しく知りたい!という方は、数学の歴史についての本など読んでみることをお勧めします。哲学と数学の繋がりとか、個人的には特に面白いところだと思います。
数学が何の役に立つのか分からない。数学を学ぶ必要が感じられない。
もうそんなこと、言っていられなくなったのではないでしょうか。
今回は、特に嫌われている数学についてお話しましたが、ほかの学問についても同じことが言えると思います。
役に立っていないのは、ただ自分が気づいていないだけ。実際には、色々な使い道がある。
「何の役に立つんだろう…」と消極的に考えるより、「なんか役に立たないかな~」と積極的に考えて勉強してみると、意外な発見があるかもしれませんよ。
すごく興味深い記事でした!!
私は中学生の頃に数学嫌いを発症し「英語強化コース」という名前にかまけて数学を置き去りにしてきたので、「数字は実在しない。だから世界と数学の繋がりに気づけず、数学は役に立たない、と思ってしまう」という言葉がぐさーーーっと刺さりました。「実在しない。でも確実に生活を便利にしている」と思うと興味が湧いてきました😳数学好きな人の頭の中を知れる機会はなかなかないので面白かったです!
コメントありがとうございます😊
数学に少しでも興味が湧いたのなら、筆者としてこれ以上に嬉しいことはありません。