国連を知ろう! 〜下部組織編〜

皆さん始めまして!りょんです。前回に続き、今回も「国連を知ろう!」やっていきたいと思います!
今回私が伝えたいのは、
「国連の下部組織」についてです。「総会」や「安保理」など、どこかで聞いたことはあるけど、何のことかよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか。今回はそんな国連の下部組織について説明していきましょう。

国連を知ろう!

りょん
Let's MUN!

総会って、なに?

国連総会は国連最大の附属機関です。すべての国連加盟国によって構成され、毎年9月の第3火曜日から12月中旬までの約3ヶ月間、様々な国際問題について議論します。国際平和と安全の維持を除いたすべての事項における国連の最高機関として活動しています。
国連加盟国は総会において1国1票の投票権を持ちます。人口や面積、経済規模などにかかわらずすべての国が平等です。投票の際には、安全保障や新加盟国の承認、予算の承認などの重要事項の場合には3分の2以上、それ以外の事項については過半数の賛成があれば可決されます。
実は、国連総会で毎年議論されるテーマは300個近く存在します。それを国連総会だけで3ヶ月以内に議論するのは困難だということで、国連総会は6つの下部組織を持っています。それが委員会と呼ばれるものです。それぞれの委員会には明確な役割がありますので、紹介します。

  • 第1委員会:軍縮・国際安全保障問題
  • 第2委員会:経済成長と開発(マクロ経済政策を含む)
  • 第3委員会:社会開発や人権問題
  • 第4委員会:特別政治問題および非植民地化
  • 第5委員会:国連の行財政
  • 第6委員会:国際法規の整備や国際法の法典化

模擬国連では、国連総会のこれら6つの委員会のどこかが議場になることがほとんどです。議場というのは「会議が行われる舞台」のことです。その中でも、軍事問題を扱う第1委員会、経済問題を扱う第2委員会、社会問題を扱う第3委員会が議場としてよく登場します。模擬国連において、それぞれの委員会でどんなテーマが扱われるのかは、スタッフの持田が書いているこちらの記事を読んでみるといいでしょう。

有名議題を掘り下げる 〜核軍縮〜

持田 隼人
Let's MUN!

安保理って、なに?

実は安保理というのは略称です。正式には「安全保障理事会」といいます。
先ほど総会について説明した時、総会は「国際平和と安全の維持を除いたすべての事項における最高機関」だと説明しました。国際平和と安全の維持が例外になっている理由は、総会ではなく安保理が国際平和と安全の維持分野における最高機関になっているからです。名前に「安全保障」とつく通り、安全保障分野に関する議論を専門に行なっており、その決議の拘束力はすべての国連加盟国に及びます。また、場合によっては国連軍の出動も決定することが可能という、安全保障分野における圧倒的な権限を持っています。
国連加盟国全てが参加する総会と違い、安保理に参加できるのはたった15か国だけです。このうち、任期がない常任理事国が5か国(アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5つ)と、2年間の任期がある非常任理事国が10か国存在します。
常任理事国の構成は第二次世界大戦以降75年間変わっていません。この75年の間に力をつけたドイツ、日本、ブラジル、インドなどは常任理事国入りを目指しており、安保理の構成をどう変えるかというテーマは模擬国連でもよく扱われます。

経済社会理事会って、なに?

経済社会理事会は、その名の通り経済問題・社会問題に対する会議を行う機関です。国連総会における第2・第3委員会と似た働きをしていると考えるといいでしょう。
経済社会理事会は54か国によって構成され、各国の任期は3年間です。安保理のような常任理事国はありません。毎年、3分の1にあたる18か国を改選する選挙が行われています。また、地域ごとに参加できる国の数が決まっており、アフリカ14、アジア11、中南米10、西欧その他13、東欧6となっています。

信託統治理事会って、なに?

信託統治理事会の仕事は、自治権を獲得していない植民地の運営を支援することです。かつてはミクロネシア連邦やマーシャル諸島など、主にオセアニア地域で信託統治を行っていますが、1993年に信託統治下にあったパラオが独立して以来、その活動を休止しています。


ということで、今回は国連の下部組織について説明してきました。次回は国連に所属するその他の機関について紹介します!それでは次の記事でお会いしましょう!