デジタルビジネス時代の到来により、データ活用の重要性が叫ばれる昨今。
誰もがその必要性を感じる一方で、着手しきれていない企業割合は、データを活用している企業を上回るといいます。
そのような企業に対し、学生主体でデータマーケティングコンサルティングを行い、日本を変革する次世代人材の輩出を目指す団体――。それこそが今回お話を伺った、一般社団法人Datact Japanです。
創業者であり、運営を統括するCEO 樋口拓人(ひぐち たくと)さんとCOO 湯川晟(ゆかわ じょう)さんは現役の大学生。活動への思いや団体が目指すビジョンとは……?
アメリカ・シアトル発!学生主体のデータ分析コンサルティング集団“Datact”
――Datactとはどのような団体ですか?
樋口 Datactはもともと、2016年の11月にアメリカ・シアトルで立ち上げた学生団体です。
大学3年生時、僕と湯川はワシントン大学に約9ヶ月間の短期留学をしていて、その中で出会い活動を始めました。現在は日本・シアトル・LAの3ヶ所に拠点を構え、2018年には日本での活動を法人化。「一般社団法人 Datact Japan」として本格的に取り組んでいます。
活動内容を一言でいうと、データを基点とした「学生主体のコンサルティング」です。
クライアントであるパートナー企業様が持っているマーケティングデータやwebデータ、顧客データといったさまざまなデータを、機械学習や統計解析等のいわゆるAIの分野を活用しながら解析し、マーケティング施策や戦略を練る。さらに実際に施策を打ち、効果検証していく――。
この全てのフローをDatactの学生メンバーが主体となって行っており、学生は実践の中でデータ分析やマーケティングを学ぶことができるという仕組みです。
――Datactのビジョンやマインドについて教えてください。
[一般社団法人 Datact Japan CEO 樋口拓人さん。慶應義塾大学 環境情報学部先端生命科学専攻4年]
樋口 Datactでは「日本を変革する次世代人材を輩出する」をミッションに掲げ、学生たちが自分で考えて行動し、経験を積むことができる環境を提供したいという思いのもと活動しています。
中でも、学生たちがデータドリブンなプロジェクトに取り組むことをバリューとしていて。現代社会の潮流的にもデータを扱える人材を増やし、日本からイノベーションを生み出すことが重要と捉えています。
目指すのは、学校でインプットしたものをすぐにアウトプットできる環境。企業のインターンシップのような、ある程度枠組みが決められた中での活動ではなく、自分たちで案件を取ってきて、自分たちの頭を使ってバリューを出すといった、アウトプット思考のプロジェクトをやりたいなと。最終的には、学生一人ひとりが次世代のロールモデルになって欲しいという思いがあります。
――お二人はワシントン大学で出会ったとのことですが、どのような経緯でDatactが誕生したのですか?
樋口 留学中、アメリカの学生は挑戦的な行動を取れる人が多いのに対して、日本の学生は保守的になっていると強く感じていました。次第に、日本の教育はすごくもったいないという気持ちが大きくなって、なんとか教育に対して切り込めることがしたいなと。そこで湯川に声をかけたんです。
湯川 ちょうどその頃、マイクロソフト本社でマーケターをやられている日本人の方との交流もあって、その方と話をしているときに焚きつけられたのも大きかったですね。
樋口 そうなんですよ。留学前、バイリンガールちかさんというYouTuberの方とマイクロソフト本社でマーケターをされている石坂誠さんとのコラボ動画をたまたま目にして。「シアトルに行くので会いましょう!」と連絡したことがきっかけで交流が始まりました。
引用元:バイリンガール英会話 | Bilingirl Chika「Microsoft本社で働く日本人に聞いてみた!石坂誠さんにインタビュー!」
この石坂さんが、めちゃくちゃパッションの塊のような人で(笑)。彼はマイクロソフト本社のクラウドチームで働いているので、データがビジネスにどういった影響を与えるか等、いろいろな知識を教えていただきました。それらがヒントになってDatactの立ち上げに至りましたね。石坂さんには今もDatactのメンターとしてサポートしていただいています。
湯川に声をかけたときは、まだ活動の形は決まっていなかったのですが、僕自身が生命科学で学んでいたデータ分析をビジネスに応用し、学生が主体となったプロジェクトをやりたいと思っていました。2人で相談していく中で「学生主体のコンサルティングチーム」として現地企業と共同プロジェクトをしようという形にまとまったという感じです。
――これまでどのようなプロジェクトを実施したのですか?
樋口 シアトルでDatactを立ち上げた頃は、ラーメン店やパン屋等の小売店舗に対して、店舗やオンライン上でできる施策を考えるプロジェクトを行いました。
パン屋の事例でいうと、どの商品とどの商品が一緒に購入されているか、統計的な組み合わせをデータ分析から導き出し、セット販売のメニューを提案したり、“アメリカ版の食べログ”と称されるYelp(イェルプ)でターゲット広告を打ったり……。3ヶ月で売上が1.5倍になったこともありました。
また、シアトルに店舗を構えるラーメン店「Ramen Yoshi~ラーメン吉~」とのプロジェクトでは、通常ハッピーアワーである17時から18時は価格を下げて提供する飲食店が多い中、Ramen Yoshiの時間別売上分析をしてみると、結構お客様が来店しているのが分かって。むしろ、あまりお客様が来店していない20時から21時こそ売上を伸ばせる見込みがあると踏んで、その時間帯の単価を安くし人を呼び込む施策を行いました。
その他にも、ソーシャルメディアを使い、既存顧客のデータを見ながらターゲットマーケティングをしたのも大きかったですね。
現在はターゲティング戦略を少しずつ変えていて、ECのプラットフォームを持っている企業様にフォーカスを当てています。理想は実店舗とEC、両方持っているような企業様。規模感とデータの両方が整っている企業様にアプローチをしているところです。
Datactは「学生たちの自己実現の場」という考え方
――Datactはノウハウを与えるわけではなく、学生たちの主体性を育む“箱”としての役割が大きいのでしょうか?
樋口 そうですね。もともとDatactをシアトルで始めたばかりの頃は「自分自身のスキルアップのために」という意識が強かったのですが、自分でプロジェクトを何個か回して実務体験を重ねる中で、学校でインプットした知識をできるだけ早くアウトプットして自分のものにすると、加速度的に成長できると感じたんです。
この体験を、自分だけでなく多くの学生に提供できれば、社会に実務経験を積んだ学生が増えていく。そこからDatactを“箱”として学生に使ってもらおうという方向性が定まりました。
[一般社団法人 Datact Japan COO 湯川晟さん。東京大学 経済学部経営学科経営戦略専攻4年 ]
湯川 僕自身は“箱”のような組織に居続けたのが大きいと思っています。
ひとつは、大学1年生からBizjapanという国際交流系の学生団体に所属していたこと。「グローバル×アントレプレナーシップ」をテーマに、自分たちが今必要だと思う企画をどんどん立案し、プロジェクトとして取り組むという活動をしていて。そのような場に身を置いていると、否が応でも「自分は今、何をやりたいんだろう」と考えるようになりました。
もうひとつは、主体的な学生が多く集まるLab-Cafeというこの場所に身を置いていたということです。
[湯川さんは取材場所であるLab-Cafeの運営にも携わっている]
Lab-Cafeは学生団体のミーティング場所として利用されることが多いんですね。Bizjapanもそうですし、TEDの東大版であるTEDxUTokyoもLab-Cafeに出入りしていた学生たちが立ち上げた活動です。
このように、ここには社会的に意義があることをやろうというマインドセットの人が多く集うので、その影響を受けてだんだん自分がやっている活動の意義等を考えるようになりました。
一緒にイベントをやったりしているうちに、自分もやりたいという考えになる。「やりたくなる環境」に身を置き続けていたことが今のDatactのあり方にも繋がっていると思います。
――そういった環境に身を置き、互いに影響を与え合うことが大事ということですね。
樋口 めちゃくちゃ大事だと思いますね。
Datactでも、普段出会えないような人たちと出会って刺激を受ける機会を学生メンバーに提供できるよう、意識しています。
湯川 環境が違っていたら、こんな活動やってないなっていう自信がありますよね(笑)。
――Datactにはどのような学生メンバーが集まっていますか?
湯川 みんな、一癖二癖ある人が多いですね(笑)。
現在11名が所属していますが、共通点といえば僕たちが開催している、リクルーティングを兼ねたデータマーケティングを学ぶワークショップに参加して入ってくれたということでしょうか。それ以外は大学や専攻もいろいろですし、下は高校2年生、上は大学4年生と幅広い年齢層です。
樋口 彼(三上さん)なんておもしろい例ですよ。15歳から入っていて。
[現役高校生メンバーの三上紘生さん。関東国際高校 外国語科海外大学留学クラス2年]
樋口 彼はまだ高校2年生ですが、すでに海外の大学に行くと決めていますし、その他の高校生メンバーも開成高校や筑波大学附属高校に通っていたりと、優秀な学生が多いですね。
それ以外にも、将来は海外の大学に進学しギャップイヤーを使ってDatactで活動すると決めてくれている学生や、大学進学せずにスタートアップのウェブマーケティング系の企業でインターンをしている学生世代の人等……バラバラですね。なんにせよ変な人しかいないです(笑)。
湯川 僕たちの活動テーマであるデータ分析は、アカデミックの分野でもさまざまなところで使われているんですね。
僕は経済学がバックグラウンドですが、経済学や経営学にはデータ分析がつきものですし、樋口の専攻である生命科学も、バイオインフォマティクス等の分野であればデータ分析が絡んでくる。ビジネスの領域であればマーケターはもちろん、営業だって使います。
このように幅広い領域に関連するスキルセットなので、どのような場面でも関わってくるからこそ、いろいろな学生がきてくれているのかなと。
学生メンバーの中には、Datactの活動にコミットしてくれている人もいますし、他の活動がメインで、サブ的にデータ分析の力をつけたいといった形で入ってきてくれる子もいますよ。
――Datactの学生メンバーに求める条件はありますか?
樋口 「この専攻でなければ~」「これを学んでいる学生でなければ~」といった制限は特にありません。
ただし、パートナー企業様へのコミットが求められるので「きちんとオーナーシップを持てる学生か」という点は、こちらでスクリーニングをかけるようにしています。
アルバイト感覚の学生でなければ、基本大丈夫かなという感じです。
湯川 自主的な活動に近いところがあるので、自走できる学生でなければなかなか難しいかもしれません。自分自身で足りないスキルセットを勉強して、しっかり成果を出すことを真剣にやれる学生であれば、どのような人でも大丈夫です。
できるだけ内部向けのワークショップ等でスキルセットを磨くためのお手伝いはしますし、案件を僕たちで獲得することもあります。
しかし、基本的にはDatactを箱として使ってもらいたいので、学生自身がデータ分析のスキルセットを学び、自分でプロジェクトをやって、PDCAサイクルを回す……ということを、実際にやりたい! という学生が最も求める人材ですね。
樋口 データマーケティングはわりとホットトピックなので「おもしろそう!」と感じる学生って多いんです。
ただ、それだけでDatactに入ってしまうと結構しんどいかもしれませんね。自分から動いて取りにいかないと得られるものは少ないので。
――学生メンバーに対しての研修は行っていますか?
湯川 リクルーティングの場となっているデータマーケティングのワークショップを通して、基本的なスキルセットを学んでもらっていて。
その後はどういったスキルセットを身につけて欲しいかのガイドラインを引き、学生自身でスキルアップしていく。必要に応じて僕たちがサポートする、という形で進めています。
ただ、もっと研修としてやったほうがいいんじゃないかという意見もあるので、今後は勉強会の実施を考えているところです。
Datactのプロジェクトマネジメントプロセス
――ワークショップ後、プロジェクトにはどのような形で携わっていくのでしょうか?
湯川 ワークショップで基本的な学び方を教わった後は、各メンバーがしっかり成果が出せ、データ分析を回せる状態になれば、クライアントワークに入ります。
樋口 現在の学生メンバーのほとんどがワークショップを経て入っているので、基本的なスタートは大体同じ。あとは個人がどれだけ自分で勉強しているかの差だけですね。
Datactでは「営業チーム」や「コンサルチーム」というようにあえて役割を分けず、営業からプロジェクトを終わらせるまで一気通貫で担当します。
これは「プロジェクト作り」「課題解決」「プロジェクトマネジメント」の全てを学んでもらいたいという思いがあるからです。
どういった企業様を候補にどうアプローチしていくか、仮設を立てどんどん営業にあたる。案件が取れたら案件化してきた人がリーダーとなり、データ分析、マーケティング、コンサルティング、それぞれのスキルセットに強みを持つ学生をアサインして、4~5名のチームを作って案件を進めていく……という形です。
湯川 繰り返しにはなりますが、Datactという箱を使って自分がやりたいことをやってくれたらなと思っているので「自分で案件を取ってきてオーナーシップをとってリーダーとしてやるんだ!」という気概を持って動いてくれるといいなと思っています。
――ひとつのプロジェクトに要する期間とパートナー企業が負担する費用はどのくらいですか?
樋口 プロジェクトの形態に依存するのですが、web系のマーケティングやデジタルマーケティングの場合だと、データを分析し施策を打って、その効果測定をする……というサイクルを、大体2サイクル回します。期間は約3~4ヶ月ほどですね。
パートナー企業様のコストは、プロジェクトに参画する学生メンバーに発生するコンサルティング費用が基本コストです。時給単価と期間をかけて、3~4ヶ月で30~50万ほど。プロジェクトの長さによって変動する形です。
――プロジェクトが長期間に及ぶ場合もありますか?
樋口 1~2年……のようなプロジェクトは今のところありません。特にデジタルマーケティング系であれば、そこまで長期間かけてやるような施策はないですね。
湯川 また、こちら側の要望ではありますが、学生メンバーにとって最初の「データ分析で問題を見つけ、施策・戦略を立案する」という部分が最もおもしろいところだと思いますし、Datactとして伸ばして欲しい必要なスキルセットです。
ですから、その部分が体験できるようなプロジェクトを一緒にできればという思いがあります。
期間が長くなってしまうと、効果測定と施策の繰り返しになってしまうため、長期ではなく最初の部分を重視したプロジェクトをやりたいですね。企業様にそのようなお願いをすることもあります。
――“学生主体”であるからこそ難しいと感じることはありますか?
湯川 そうですね。クライアント候補の方とお会いする際に、学生ということで身構えられることもたくさんあります。
僕たち自身、ある程度のスキルセットと自信はあるものの、本物のプロフェッショナルの方と比べるとどうしても劣ってしまう部分はあるでしょうから、その面で難しいと感じますね。
ただ、データ分析やデジタルマーケティングのスキルセットは、勉強すればすぐ身につけることができますし、キャッチアップも早い。学生だからレベルが低いということもなく、むしろ学生のほうが高いスキルを持っている場合もあるので、その点をお伝えするようにしています。
また、案件化の部分で苦労しているのが、Datactの活動に興味を持っていただき「一緒にやりたい」と思ってくださった場合でも、大企業や老舗企業のように窓口となる方と意思決定者が異なれば、社内承認がおりなくて、そこでスタックしてしまうケースもあるんです。
ですから、なるべく意思決定者の方と直接会えるような機会を作り、ダイレクトに話を通すようにしています。
Datactの思い描く未来と展望
――お二人は卒業後、企業に就職されるんですよね。なぜDatactに専念するのではなく就職の道を選んだのですか?
樋口 僕は将来的に、日本の教育システムを変えたいと思っていて。しかし、それには相当な時間がかかるでしょうし、さまざまな根回しをしなければならない、すごく大変なことだと思います。
Datactの活動は、下からプロジェクト数を重ねて学生を巻き込んでいくアプローチ方法ですが、それだけでは仕組み化できません。上からも攻めるためには、トップダウンで仕組み化ができる影響力のある企業に入社して、そこから社会システムを作るプロジェクトをやる必要があると思ったんです。
就職先のマイクロソフトは、大企業との繋がりがありますし、特に現在は教育の領域でIT化を進め、基盤を整えることに力を入れているので、大企業側と学生側、両方からのアプローチができると考え、就職を決めました。
湯川 僕の場合、就職を選んだ理由は3つあります。
ひとつは単純に、自分自身まだまだ至らないところが多いと思っているので、スキルアップしたいから。自分を高めるために、自分よりすごい人がいる環境に身を置いて、何年間か修行しながら自分のやりたいことをしたいと思っています。
ふたつめは、大企業の肩書きがあるとDatactの活動で有利に働くことが多いと思ったから。クライアント企業様に案件化の提案をする際、得体の知れない学生団体がプロジェクトをやりたいというよりも、マイクロソフトとリクルートの社員が運営しているといったほうが多少でも信用されるのかなと。リクルートは社内のリソースとしてデジタルマーケティングに強い会社なので、メンタリングを頼みやすくなるかとも思っています。
最後に、超長期プランではありますが、最終的にハンズオンVCやソーシャルインパクトボンドに興味があるので、そういった活動に必要なスキルセットを社内で身につけたうえで、Datactに還元していきたいからです。
――就職は目的ではなく、自分たちの成し遂げたいことを軸に考えたということですね。
樋口 間違いないです。就職を目的にしてしまうのが最もナンセンスだと思っているので。やりたいことをやるための手段で、一番効率の良い手段を選んだという形です。
湯川 この考え方は、留学中に強くなった気がしますね。アメリカの学生は「ワークアズライフ」の考え方に近く、生活と仕事が溶け合っている。
自分のやりたいことをやるためにその職に就くんだという意思が強いので、そういう学生に揉まれていると自然とそういった考えになったというか……。
樋口 特に新卒は日本とアメリカでは仕組みが全く違っていて。アメリカの場合、新卒でいきなり大企業に入るのはかなり難しいんです。
そこで、大企業に入るためにはどのようにスキルアップしていくか、長期的なビジョンを学生のうちからしっかり考えているんですね。その部分はめちゃくちゃ影響を受けています。
――今後、東京以外でもDatactの活動を広げて行く予定はありますか?
湯川 どのくらいコミットできるかわからないですけど、Datactがやっているデータ分析等を本当に必要としているのは、自社でできていない企業様。そう考えると、地方の中小企業にこそ困っている人がいるんじゃないかと思うんです。
将来的には、どうやってデータ分析のスキルを身につければよくて、やりたいことが見つかったとき、どのようにプロジェクトを形にしていけばいいか、というのを誰もが使えるオープンな形で整備したいと考えています。
そうすれば、地方の学生もそれを見て勉強しながら、地方の企業様とプロジェクトを組むことができますよね。Datactの活動も日本中に広まると思います。
樋口 そうですね。地方の場合、デジタルマーケティングの“デ”の字もわからないような学生が多いと思うので。確かに、都市と地方とでは情報格差があることは否めませんが、学生が「地方はつまらない」と感じる状況はもったいない。周囲に同質な人がいて、一緒にプロジェクトができる環境を整えていきたいです。
今後、Datactの活動がもっと多くの学生に広まれば、地方での活動もできるようになると思います。まずはできるだけ日本全体にリーチして、学生でも実務ができるレベルになれるということを知ってもらいたいですね。
Datact Japanから学生・企業へのメッセージ
――学生へのメッセージをお願いします。
樋口 僕は普段から自分の下の世代に対して「プロアクティブになれ」という言葉を伝えています。要は「主体的にどんどん自分から動け」ということ。
高校や大学は、いろいろなことを教えてくれる機関ではなくて、“学ぶための箱”という意識で使うくらいがちょうど良い。受け身になってしまうことが一番もったいないと思います。
自分が本当に何をやりたいのかを考え、そこに向けてどんどん動いてみて欲しい。その中でDatactの活動に興味があればぜひ参加して、一緒にプロジェクトをやっていければと思っています。
湯川 自分がやりたいことから考えるようにしたらいいんじゃないかな、というのが学生に向けてのメッセージですね。僕らも含め、やりたいことがあったときにその実現をサポートしてくれる人が近くにはいなくても、絶対どこかにいるはずだし、声を上げれば繋がれる時代だと思っています。
やりたいことがなんとなくでも見つかったら「どうすればいいんだろう……」と立ち止まるのではなく、とりあえず一歩踏み出してみて周りを上手く頼ればいい。「こういう人に会いたい」とか「こういうことをやりたい」というときに繋がれるルートって実はいろいろ隠れているもの。Lab-Cafeのコンセプトでもありますが、実は見えない裏道がいっぱいある。それを意識しながら生きて欲しいと思います。
――企業へのメッセージをお願いします。
樋口 端的にいうと「一緒にプロジェクトをやりましょう」ということなんですけど(笑)。
ぜひ学生と企業の距離を縮める活動ができればと思っています。企業様が持っているリソースやノウハウを学生に還元することで、長期的に見て日本のイノベーションエコシステムが構築されていくと思うので、そこの距離を縮めて、学生と一緒にいろいろなプロジェクトを回せる仕組みを作っていきましょう!
湯川 ことデータ分析の分野においては、学生でもめちゃくちゃ面白くてできる人がたくさんいます。データ分析をプロフェッショナルとしてやっている学生もいるので、彼らをぜひ使ってやって欲しいと思っています。
また、そういった学生たちを育てるという目線で、一緒に共同してくれる企業様があればいいなと。自分たちのためだけではなく、社会貢献として「こういう社会にしていきたいから一緒にやろうぜ!」という企業様があれば嬉しい次第です。
一般社団法人 Datact Japanへのお問い合わせ
Datactの活動にジョインしたい学生様、Datactのメンバーと共同プロジェクトをしたい企業様は、下記よりお問い合わせください。
〒113-0033
東京都文京区本郷4丁目1-3 明和本郷ビル Lab-Cafe
E-mail:info@datact.jp
HP:http://datact.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/datactseattle/
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