ベトナムで仕事したときのトラブルエピソードと対処法

こんにちは、デザイン部門の中村です。!

現在デザイナーとしてお仕事させていただいてますが、実は前職では都内のWeb制作会社のオフショア先であるベトナムに住みながら現地企業でWEBディレクターとして働いておりました。
今回はそのときのに体験したトラブルエピソードと対処法について紹介させていただきます!
オフショア とは?
開発業務を、海外企業や海外子会社に委託・発注すること。
人件費の削減が目的だが、品質や認識のズレによるトラブルなども多いのが実情。トラブルを解決するためのコストがかさんでしまうというデメリットもある。
目次
  • 仕様追加したら想像以上に納期が伸びた...!
  • 斬新なデザインと修正の嵐
  • 振り返るともういない。彼らは家族を守る ”絶対定時で帰るマン” だった
  • 【最後に】価値観の違いはお金では解決しない

仕様追加したら想像以上に納期が伸びた...!

納期通りに成果物がこない」という話は当時いたディレクション部内でもよく聞きました。
ただ、実際ベトナムで一緒に働いてみると、ベトナム人も日本人と同じ勤勉な国民性と言われる通り納期はしっかり守ってくれました!

しばらくして…

なんだ!心配して損した〜!
あ、そうだ!今作業進んでいる箇所でお客さんから修正きたし、
そこまで量はないからプラス1営業日の納期で修正追加でお願いしちゃお〜

このテンションの仕様追加結構やばかったです。。

日本人同士なら柔軟に対応できたりするケースでも、当然ですが異国のサービス開発をしているベトナム人からすると少しの追加機能や追加デザインでも理解するのに時間がかかってしまいます。
また、意図しない共通パーツを変更してしまったり、色々探り探りっている中で別のバグが起きてしまうなど、結果、1つの仕様追加が原因で想像以上に期日が伸びてしまうことがありました。

この仕様追加は意外と根が深く依頼する側も軽作業だと思い込んでいる分、確認が甘くなり第二ラウンドとしてシステムのバグで炎上案件になることもありました。

あまりにも想定外の箇所がバグりだすと「これ夢か?」と一瞬思うこと、ありますよね!!


対処法
仕様追加は本当に必要な場合だけにするのと、日本人同士の暗黙了解は当然無いものと考え、仕様はしっかりと固めて依頼すると良いです!
(当然のことも、忙しくなってくると手が回らなかったりしますよね、、)


斬新なデザインと修正の嵐

でた。オフショアあるある堂々のNo.1ですね...!!
日本とベトナムでまったく感性が違うので日本人向けに修正する作業が結構大変でした。
ベトナム人デザイナーも自分たちの感性では最高のものを作っているのになぜ日本人は修正するのかと思われていたと思います。

海外デザイナー:
めっちゃ派手なデザイン作る(本人はそう思っていない)

日本人ディレクター:
色数を抑え、余白もバランスよく修正指示する

海外デザイナー:
ワイヤーレベルのシンプルなデザインが上がってくる(日本人地味だな...)

日本人ディレクター:
いい感じに色を足す修正指示する

海外デザイナー:
「…コイツこないだ色数減らせって言うたやん、、どっちゃねん」

このやりとりがほぼ全てのページで発生してました笑

ただ、このあと紹介する傾向を知り、お願いするときのポイントを抑えることでお互いハッピーになれました👍

傾向

■ケース1: 派手
簡単にいうと赤やピンク、黄色、オレンジなどの原色を多用する傾向があります。

参考: 以下はベトナムの大手格安会社Vietjet Air(tベトジェットエアー)の公式サイト
vietjetair.com

■ケース2: フォントの扱いが苦手
これは当然なのですが、外国人からして難しいのが「日本語」の書体/行間/ジャンプ率と余白の扱いです。
そもそも日本人でも難しい分野だと思うのでこれを日本語がわからない方が調整するとなると結構厳しい作業になってしまいます💦

例えば以下のようなコンテンツがあったとすると...

日本人デザイナーの場合 


ベトナム人デザイナーの場合 ↓

このようにジャンプ率が弱かったり、行間が詰め詰めで仕上がってくることは多かったです。ちなみにこれはどんなに凄腕のデザイナーさんでも起こりました。
シンプルなデザインであればあるほど目立ってしまうのでフォント周りは気をつけたいところですね!

対処法
依頼する際、日本人デザイナーの場合はワイヤーと参考サイトが一般的だと思いますが、外国人デザイナーへ依頼する際は、他にも以下2点があると精度の高く見やすいデザインを作っていただけることが多いです。
  • 書体/行間/ジャンプ率 (h2あたりのサイズもあると良い)
  • カラー比率 (派手になりすぎることを防止するため)
デザイン力ではもちろんデザイナーさんの腕の見せ所ですが、さすがに日本語に関してはネイティブである日本人の方が精度が高いので、お互い修正の工数の節約と最終的に納品物になるので品質の担保する意味でも序盤は現実的な進め方をしたほうがスムーズに進んだりしました!

ただ、どの場所にもすごい方はいて、日本人向けのデザインを日本人デザイナーよりも綺麗にいい感じにつくちゃうベトナム人デザイナーとお仕事させていただいたときはめちゃめちゃ頼りになりました!


振り返るともういない。彼らは家族を守る ”絶対定時で帰るマン” だった

特にベトナムは何よりも家庭や仲間との時間を大切にする国民です。
そのために基本的に残業はせず、しっかりと定時で帰宅します。

定時退社の意識はかなり高く、30分前からデスクを片付け始めます、5分前にはヘルメット被り出す人もいました。
オフィス内はみんな裸足なので靴履いたり、食器持参しているので洗い物したりと(業務時間内ですが)何かと終業前は忙しそうにしてます。
定時に帰るために。。!
したがって、日本人側から、案件が押してるから残業してほしいという要望を通すことはかなり難しかったです
日本人感覚で仕事をしていると、ちょっとスケジュール遅れているけど後で巻き取ろう!が通用しないので残業を見込んだスケジュール管理は避けるに越したことはないです。(そもそも論ですが、、)

対処法
とはいえ仕事は自分だけの都合で回らないのも。
どうしても対応が必要な際は必ず「理由」を伝えて相談するとすごく親身になって対応してくれました。
そのためには、よかったことはしっかりつ伝え「仲間の一員」と思ってもらえるようなコミュニケーションを日頃から取り信頼関係を築くことがとても大切だったように思います。


【最後に】価値観の違いはお金では解決しない

トラブル系ではないですが、日本とベトナムで仕事してみて感じたことです。

海外(主にベトナム人)の方と一緒にお仕事をしていると日本では必ず以下のような心ない声を耳にします。
私も日本で依頼しているときはあまりに修正工数がかさむとつい思ってしまう時もありました。

「日本の仕事を受けている以上、そのクオリティでやるべきだ」
「お金を払っているのだから対応すべきだ」

ごもっともです。しかし実際に現地で彼らと一緒に働いてみて思うことは、この考えがいかに日本人の価値観を押し付けているだけということと、職種とかお金とかでは解決できない文化や国民性の壁をしっかりと理解することの重要性に気づくことができました。


今回はすごーく限定的な話でした。(すみません、、)
今振り返ると大変なこともありましたが反面、いかに自分が自分の価値観中心で物事を考えていたことに気づかせてくれる体験でした。

また、一緒に働いていたベトナム人の方々は本当に真面目に家族のために働いていて、自分よりも全然しっかりしている同世代と触れ合うことのできた貴重な体験でした!

(仕事以外のベトナムの生活についてはまたどこかで書きたいと思います~)

Shun
2021.10.01

>斬新なデザインと修正の嵐
我々の中でよしとされてきたデザインも、国によっては真逆に捉えられるかもしれないんですね。。
日本人同士でも起こりうることですが、オフショア開発はまたちょっと違う視点が必要かもしれないですね。。こうした経験談すごく参考になります。
日頃から、自主的に世のデザインやプロダクトに触れていくことの重要性を再認識しました。

中村隼
2021.10.01

和食は薄味だけど出汁が効いてて日本人からすると美味しく感じると思うのですが、逆にベトナムだと屋台に行くと必ず醤油系ソースとチリソースがあって足して濃くして美味しくするので、デザインも料理の好みが国によって違う感じにすごく似ているように思いました。
(結局どっちもうまいので少し違うかもですが...😃笑)

ありがとうございます!
実はキャプチャで載せてるVietjet Air(tベトジェットエアー)の公式サイトも、数ヶ月前まではコテコテの感じだったのですが、最近はベトナム人以外の利用も増えてきたからなのか、リニューアルしてワイド目でカード要素が並んでいる今風の感じになってました!
(多色で賑やかなのは引き継いでますが)
vietjetair.com

たしかに私も普段利用なんとなくプロダクトを利用してましたが、デザイン部に入ってからは様々なアプリケーションで馴染みのあるUIが、口コミサイトやPandoでも採用されていることに気づき、私自身も改良を重ねる立場として自主的に世の中のプロダクトに触れていこうと思っています✨!

れな
2021.09.30

「期日が延びてしまう事」に関しましては、お仕事内で
よく有りますね💦

又、最後の部分に有る「お互いを理解する」と言う事関しましても
引き続き、実行して参りたいと思います!

中村隼
2021.10.01

期日。。。。なんかもう人生でいろんなところで出てきますよね...笑!
その時の状況や依頼者と作業者のスキル/関係性などにもよるので本当に正解を出すのが難しいですよね💦

私も気を抜くとすぽっと頭から抜けてしまうこともあるのでこれを機に改めて意識します🙌

No Name
2021.09.30

オフショアあるあるのまとめ方がとてもわかりやすくて面白かったです!

私も前職場でベトナムにオフショア会社があって依頼をしていたのですが、サイト作成時のダミー画像がベトナム人社員のサングラスかけたキメキメの自撮り写真でびっくりした思い出があります😂笑
文化の違いでびっくりすることも多い分、価値観を広げてお互いを尊重し合って仕事を進めるって簡単なようで難しいなって思います・・・

ハノイ観光したことがありますが食べ物美味しいし、物価は安いしで
旅行としては楽しすぎて帰りたくなかったです・・⛈
実際に生活された目線でのベトナム記事楽しみにしてます☺︎!!

中村隼
2021.10.01

たしかにダミー画像もあるあるでした笑!

向こうのエンジニアさんがデバックでアップロードしてる画像が、手書きの謎キャラクターだったり、それこそ友達のが画像でした。
炎上案件のときは、日本で謝ったのに、遠いベトナムからセカンドページを経由して煽る感じになってしまったときはさすがに焦って光の速さで消しました..🙃笑

みんなほんとに仲良しなんですよね〜笑
それ以降はルールでサンプル画像は花か大自然になりました🌷
ただ、人の入れ替わりが激しいので定期的に起こるイベントになってますね。笑

驚くことがたくさんあって刺激的でした!

ハノイも観光もできるし適度な田舎感あっていいですよね〜!!
はい!生活編も追々書こうと思っておますのでよろしくお願い致します!

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