意思決定の質を高める自問自答や状況設定

気を抜けば意思決定の質は容易に変わってしまう

人は容易に理屈を作って、出来ない理由を探したり、表層的な解決策を組み立てたりして、より根本的な問題解決や改善に目を向け、取り組んでいくということを怠ってしまいます。常に最善を尽くし、最大限の効果を得る、最高の結果に執念を燃やす、革新的な発想を搾り出し飛躍的発展を目指す、ということが常に当たり前のように行えるようになるためには、日々の訓練の積み重ねが不可欠です。自分自身が常に手を抜かない意思決定に徹する為のコツとして、想像力を働かせて自らをコントロール術をご紹介します。

相手が自分の子供だったら?

本来、【教育】が目指すべき地点は、その人の人生をより良いものにするところにあるはずです。長い一生の中で、より充実を感じたり、幸福を感じられる人生を送っていく為に、この世界を知り、人間という生き物が何者かを知り、どのような人となり、どのように物事を捉え、どのように社会で生きることでそれが手に入れられるのかを知ることが何よりも重要なことです。
例えば社員に対してそのような地点に立って接することに揺らがぬ状態になるには、自分の子供だったらどうか?という想定を立てれば、自ずと、この人の人生にとって自分がどのように接し、何を語り、どんな態度を見せるか、ということに対してより良い意思決定が出来るようになります。それを続けることで、自分の成し得るベストな意思決定の習慣が定着していくでしょう。

子供の命を預けた親が満足できる対応か?

仮に子供の命を預けた親が満足できるだけの対応ができる名医がいたとして、それに相当するような水準の仕事が出来ているかどうか、問いかけてみましょう。自分なりの対応、自分なりに理屈をこねて正論を振りかざしても、それなりの水準にしか到達しません。
非常に重い責任が問われる状況下を想定することで、意思決定の質を大きく高めることが出来ます。手を抜けば命に関わる状況下であれば、一つのミスも許されず、最善の手を打ち続けていって当然という感覚で仕事に挑むことが出来るでしょう。それに加えて、心から安心され、信頼されるだけの説明、相手の気持ちに寄り添った配慮がなければなりません。

誰に聞かれていたとしても納得されるような話をする

ここだけの話しという、他の人に聞かれると信頼を損ねてしまう話をしていては、長い目でみれば、誰も心の底からの信頼を寄せてはくれないでしょう。商談をしているときに、他のお客様にも聞かれている状況、上司や社長が同席している状況、新聞記者が聞いている状況、そういった状況を想像することで、誰に聞かれても納得されるような責任ある話し、意思決定が行えるようになります。誰かに聞かれると困る話し、というのは、短期的には喜ばれたとしても、中長期的には信用に陰りをもたらしてしまいます。
例えば、ネガティブな口コミが投稿された事業者の方がいて、ここだけの話しにしておいて下さい、といって、口コミを安易に削除したとすると、その時は喜ばれるかもしれません。ですが、最終的には他でも同じようにやっているんだろう、と思われるようになって、会社、メディア自体が信用を失ってしまいます。他の事業者の方、社長、口コミサイトの利用者の方々に聞かれていたとしても、何ら問題の生じないような対応を行えなければならない、という前提で対応することで、長期的に信頼を勝ち取っていくことが出来ます。

未来の自分は今を振り返って満足か?

自分でも気が付かないうちに妥協してしまうことは良くあることです。特にチャンスは沢山転がっているのですが、機会を伺って、見逃さないようにしようとアンテナを鋭く張っていなければ、何もなかったように見逃してしまいます。数年後に、あの時はもっとやれることがあったとか、こんなチャンスが転がっていたと気が付くことがありますが、その時にそう思ってももうチャンスを掴むことは難しいものです。出来ることといえば、今転がっているチャンスを逃さないよう、ベストを尽くして挑むことだけです。
未来を想像し、未来の自分を想像し、その時に今、こんなことをもっとやっておけば良かった、こんなチャンスが転がっていた、こんな転機だった、と振り返る日を想像すると、今をより実りあるものにしたい、という意欲が高まり、視野を広げたり、より豊かな発想が出来たりするものです。

死ぬときにどう思えるか?どう思われたいか?今日が最後の日であったら?

多くの偉人も自分自身を高めていく問いの中で、人生の一日一日を積み重ねてきました。一人一人が最高の人生を送る為の究極の物の見方こそ、自分が死にゆくときに、自分の人生をどのように振り返るのか?という想像をしながら、その時に心豊かに、充実感に包まれて、良い人生を生き抜いたと思える為に、日々を過ごせることだと思います。
人は弱い生き物ですので、毎日を妥協の産物として送ってしまいがちです。だからこそ、今日が最後の日だったとしても後悔しないような想定の中で、妥協なく最高の仕事をして、より豊かな時間を過ごして、人生を積み重ねられるように生きていきたいものです。

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