「みんな意外と節税とか資産形成って興味がないのね」
私の場合は大学出た後ぷらぷらしていた時期があるので加入期間の問題かもしれませんが、たまに届くねんきん定期便を見ると「うわっ、私の年金低すぎ……」と老後不安がいや増すわけで、それでも独り身の頃はどうにでもなーれ♪と思えたものの、所帯を持つとそんなこと思っているだけならともかく口に出そうものなら各方面から怒られるわけで、いっこうに心が休まりません。仕方がないので、妻が勝手に資料請求した個人型確定拠出年金(iDeCo)を嫌々始めたところ、別に心は休まらないがメリットしかなかったので刮目した次第です。
まあ、所帯じみた中年男からの忠告だと思って、興味のある人は読んでみてください。今なら今年の年末調整に間に合うかも! ←書いたのは8月だった
1.個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?
まず公的な年金の種類として、20歳以上の国民が入る「国民年金」とサラリーマン等が入る「厚生年金」があります。更には企業が独自に運営する「企業年金」がありますが、クインテットにはまだありません。企業年金は、もともとは企業が運用するものですが、不況下では運用損の穴埋めも厳しいということで、従業員に運用を任せる確定拠出年金(401k)も誕生しています。
この確定拠出年金に個人で加入するのが、個人型確定拠出年金(iDeCo)です。運用はもちろん掛金も自己負担。国は、将来的な年金の縮小をカバーすべく個人での資産形成を推奨しており、個人型確定拠出年金の普及のために様々な税メリットを用意しています。
2.個人型確定拠出年金(iDeCo)の税メリット
上にも書きました通り、クインテットには企業年金がありません。企業年金のない会社に勤めるサラリーマンであれば、iDeCoの月の掛け金の上限は23,000円。この全額が所得控除となります(年末調整では小規模企業共済等掛金控除に記載)。
つまり23,000円×12か月=276,000円の所得控除を受けられるので、税率が20%としたら1年間で55,200円戻ってくるということです。
更には運用益に係る税金がゼロ。
でも……、受け取り時に課税されちゃうんでしょ……?
という心配もご無用。
一時金で受け取る場合には「退職所得控除」の対象に、分割して年金として受け取るのであれば「公的年金等控除」の対象となります。
たとえば「公的年金等控除」を利用する場合、65歳未満は年70万円まで、65歳以上で120万円まで非課税です。ただ、他の年金も含めての金額なので、退職所得控除の枠が空いていれば一時金で受け取るなど、状況に合わせて受け取り方を工夫しましょう。
3.個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット
メリットしかなかった、と書きましたが、発言修正。考えようによってはデメリットもあるので列挙します。
・60歳まで引き出せない
余裕資金でやりましょう!
・運用損が出る可能性がある
投資なので……。リスクが嫌なら元本保証の商品だけで所得控除を享受するという方法もあります。
・手数料がかかる
これ。意外とちょこちょこかかります。運用商品の信託報酬だけじゃなくて、金融機関の管理手数料もかかるのです。私も最初の1年近くは手数料のせいでマイナスだったような。SBI証券や楽天証券は手数料がお安いので、そういった視点で口座を開く金融機関を選んでもいいかと思います。
4.運用について
iDeCoの運用は、金融機関ごとに用意された運用商品の中から、購入する商品の割合を選択し、月々積み立てていきます。商品と割合を決めたら後はほったらかしでもOKです。
そういう意味では株式などでアクティブに売買してきた人には、食い足りないかもしれません。買いたくない局面でも毎月掛け金は何かしら投資されますので、逃避用の安全商品を用意しておくのも手ですが、一喜一憂してあれこれ弄りまわすより、慌てず騒がずコツコツ積み立てていく方が精神衛生上もよろしいでしょう。所得控除だけで所得税率の分はリターンはあるのですから。
・運用商品の違い(アクティブファンドとパッシブファンド)
簡単に説明すると、前者はファンドマネージャーが積極運用している分、信託報酬が高い。ベンチマーク(日経平均やNYダウ)よりも高いリターンを狙うが、人のやることなのでベンチマークを下回ることも……。
後者はインデックスファンドともいって、ベンチマークと同じ銘柄構成なので余計なことはしない。ゆえにベンチマーク程度のリターン。そして信託報酬が安い。
私は後者しか買いません。
・スイッチングと配分変更
スイッチング……。私やったことありません(やってみた記事はこちら)。
保有する商品を売却して他の運用商品に乗り換えることをスイッチングといいますが、商品によっては売却の際に手数料がかかります。成長重視で買っていたリスク商品を利益確定して、安全資産に乗り換えるときなどに使えばいいのかな?
一方の配分変更は、購入する運用商品の比率を変えることをいい、たとえ配分を変更して0%にしてもそれまでに購入した分は残りますので、その後の変動の影響は受けます。私は当初、国内と外国で株式とReit(不動産投信)ををそれぞれ20~30%で配分していましたが、配当利回りがいいイメージのあったReitのリターンがいまいちで、信託報酬も割高なので今はReitの購入は国内外合わせて15%まで下げています。ただし、安値圏ではむしろ購入した方がいいので、値下がりしたからといって慌てて配分を減らすのはやめましょう。
iDeCoのような長期積立投資は下手に考えず、淡々と積み立てていっても(つまり放置)、それなりにうまくいくようにできています。そういう意味でも忙しい会社員の資産形成に向いているんですね(多分)。
5.最後に
今は国や会社に頼って老後はおまかせという時代ではありません。正社員であってもスキルアップなり資産形成なり、自分自身で取り組んで財産にしていかないと、人生設計は容易に破綻します。会社員の資産形成の方法として、お手軽かつメリットが大きいiDeCoを紹介しました。
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