2019年度代表、東京大学4年生の白石です。
我々、ウガンダ野球を支援する会は、第6回学生団体総選挙にエントリーしているわけですから、今回の記事では、この団体の良さについてアピールしてみようと思います。
とはいえ、言いたい事は代表の山本が書いた新歓記事に全部簡潔に書かれているので、今から始める長〜い話を読む前にこちらを読んでいただけたらと思います。今回の記事はこの記事の詳細バージョンです。
2020新歓 第2弾 by 山本
超ローカルな国際協力団体
"ウガンダ野球を支援する会" という名前にはなかなかのインパクトがあります。私も新入生のころサークル紹介冊子のサークル一覧をぱらぱら眺めていたら"ウガンダ"と"野球"というまず一緒に見ることのないワードが並んでいるのが目に留まり、気づけば入会していました。
よくある質問の中で、「なぜウガンダなのですか?」というものがあります。まず一つ目の理由は、これは設立者の二人がウガンダでJICAの野球隊員と一緒に活動したのがきっかけだからです。もし彼らが行ったのが例えばルワンダだったら、ルワンダ野球を支援する会になっていたでしょう。そして、二つ目の理由はウガンダだけに留めることで学生の手に負える範囲で支援ができるからです。
この二つ目の理由は我々にとって非常に重要で、もし、"アフリカ野球を支援する会"であったり、"国際スポーツを支援する会"などと大風呂敷を広げてしまっていたら、掲げた看板と実際の活動に乖離のあるしょうもない国際協力団体になってしまっていたことでしょう。
"ウガンダ"という一つの国の"野球"という一つのスポーツに注力することで、我々はリーグ戦の開催、有望な選手の支援など密接な支援ができていると自負しています。
しかしながら、ここまで対象を局所的なものに絞ってもなお、我々だけではウガンダ代表の国際試合を組んだり、ウガンダ人選手をプロ球団に送り込んだりといった大きな活動はできていないというのが現状です。悔しい現状ですが、この団体がまだまだ大きくなる余地があると前向きに捉えて新入生たちに託していきたいと思います。
支援のあるべき姿をしっかりと考えている
ローカルな支援をしているからと言って、グローバルな問題が見えないわけではありません。スポーツをはじめとした文化というものは精神的な豊かさをもたらしますが、文化は安定した生活があってはじめて楽しめるものです。従って、野球を支援していると自然と貧困などのグローバルな問題にも触れることになります。(これをどうにかしようとするのは我々の活動から外れますし、そもそもこれは見かけよりももっと複雑な問題です。)
我々が触れているもう一つのグローバルな問題は、支援そのものの在り方についてです。"支援依存"、"援助依存"、と言った言葉が表すように、支援する事が本当に発展を助けるとは限らず、むしろ自立していくことを不可能にしていくという問題があります。
また、先進諸国は発展こそ正義として支援をしますが、そもそも発展を善しとするのは我々の価値観であって、それを押し付けていやしないかという考えもあります。実際、現地の人たちと話してみて感じたのは、彼らは先進国のような生活を求めてはいないし、良い職業についてより多くのお金を稼いだり、社会的に高い地位を目指すべきだ、というような競争は彼らの中には存在していないということです。( 注:私個人の主観です。) 私には彼らの考えはわかりかねますが、十分幸せに生活しているのに、先進諸国が入ってきて「発展途上でかわいそう」あるいは「自国市場が停滞してきたからアフリカに市場を拡大しよう」と言って勝手に支援をしているとしたら非常に傲慢ですし、いい迷惑ですね。(注:あくまで一つの極端なケースを仮定した話です。)
ここまでに挙げた問題は、我々もしっかりと向き合う必要があるものです。例えば、今我々はウガンダ野球のリーグ戦開催費用を出していますが、これはウガンダ野球協会の自立を阻害してはいないかどうか、と言ったものがありますし、他にも色々あるでしょう。すぐ答えが出たり、決まった正解があるような問題ではないですが、我々はこの問題があるということを常に意識しておく事が大切だと考えています。
また、私なんかは最初はウガンダ人がプロ野球選手になることで貧困から抜け出せるというハングリー精神を持って野球をやるのではないか?と想像していましたが、これは完全に経済的成功を善しとする先進諸国の驕り高ぶった考えでした。今では反省しています。
もっと具体的な話としては、昨年3月のウガンダ渡航の際、以下のnoteに書いてあるような事がありました。簡単にまとめると、我々の"支援"とアメリカの"支援"がかち合ってしまい、リーグ戦の運営が少しうまくいかなかったという話です。
支援というものは、言葉の響きからして何でもかんでも素晴らしいことのような気がしてしまいます。しかし、実際のところは、価値観の押し付けでしかないかもしれないということは常に頭にとどめておきたいものです。ウガンダ渡航の後、渡航メンバーで話し合って出てきたのは、
- まず自分たちが楽しいかどうかを大切にする
- 継続性のない支援はしない
- 現地と密に連絡を取って本当に現地のためになっているかを常に検討する
というものでした。まぁありきたりではありますが、支援依存などの問題に意識的になれたのは大きな成長だと思っていますし、実際に定例会ではこの視点から様々な案を検討しています。
これが正解ではないし、きっとさらに良い考え方があるでしょう。だからこそ、問題に対して常に意識的であり続け、次の代、その次の代...と代を重ねるごとにより良いものにたどり着いていくことが、言うなれば唯一の正解なのかなと私は考えています。(注:カッコつけました。ごめんなさいm(_ _)m)
最後に
長々と文を連ねてしまいましたが、ここまで目を通していただき本当にありがとうございます。
ネタかと思うようなインパクトのある名前なのに中身は超真面目、しかし活動はゆるい超ローカルな国際支援サークル、"ウガンダ野球を支援する会"をこれからも何卒よろしくお願いいたします。
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