義塾賞(慶應義塾賞)受賞記念:事業革新のメガトレンド(三枝匡先生)にどう対峙するか?

 この度、73年という長い歴史を持つ「義塾賞(慶應義塾賞)」を受賞する運びとなった。表彰状は非常に重厚なもので、卒業式をもう一度体験したような気持になった。
 実は、この義塾賞は「慶應義塾大学の教員の中で、学術上有益な研究業績、教育実践または教育行政上の功績を挙げた者に授与する」ということになっている。正直なところ「これから30年~40年慶應義塾大学に勤務する中で一生のうちでもらえればいいな」という気持ちでとらえていた賞だった。だから、着任数ヶ月というタイミングでこのような名誉にあずかったことに恐縮している。

 今回の受賞は『イノベーションを生む“改善”』(有斐閣)に対するものだが、これまでの研究成果をすべてひっくるめての評価というように考えている。

※義塾賞表彰状入れ

※義塾賞授賞式の様子

 この研究は、日本企業の調査から、日本を元気にするアイデアを生みだして、自分なりの社会貢献をしたいという想いからおこなったものだ。自分の中では、『日本“式”経営の逆襲』(日本経済新聞出版)とセットでようやく一つの研究になったと思っている。
 それというのも、これまで日本の産官学は「優れた経営をおこなっていても、それを論理的なフレームワークにして活用する段階で、負け続けてきた」と思うからである。そして、それこそが、日本が現在では世界に負け続けていることの根本原因だと思うためである。ただし、私はこのことを頭ではわかっていたけれど、実務的な根拠がなかった。そんな中、ミスミグループ第二期創業者・名誉会長の三枝匡先生から、『事業革新のメガトレンド』という話とこの本への応援メッセージを頂いたことで、こうした考えが実務的にも正しいのだと確信を持てるようになった。
 それとともに、次の自分の仕事は、「日本の産官学のフレームワーク化段階での世界競争での敗北を、自分事として捉えて、自分ならこんなフレームワークをつくると世の中に示すこと」だと思った。上記2著書はその出発点になるはずだ。
 こうした決意を、義塾賞という形で、後押しされた気がしている。

松下 耕三
2021.11.24

受賞おめでとうございます!更なるご活躍を楽しみにしております。

岩尾俊兵
2021.11.24

ありがとうございます!
ちゃんと世の中の役に立つようにいたしたいですね。

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