今回の記事のテーマは、「ウガンダ野球の今」。
UGBASの2019年度代表で、東京大学4年の白石が記事を担当します。
2019年のオリンピック予選で、ウガンダ代表は南アフリカ代表に0ー27で大敗し、アフリカ予選2位でヨーロッパアフリカ予選への出場を逃しました。
指導者が不足しており、技術的にもまだまだ未熟なウガンダですが、ポテンシャルにあふれた選手が多くいます。私も現地で選手たちと一緒にキャッチボールなどの練習を共にしましたが、みんな投げる球が強く、身体能力の高さを感じました。その中でも、特にウガンダ北部出身の選手たちは、身長も180cmを超え、体が大きく身体能力が高いです。
こんな可能性を感じさせるウガンダ野球の今についてまとめてみました。
ウガンダ代表チーム↓
ウガンダの野球をずっと支援している私たちとしては残念なことに、まだまだウガンダは野球が普及しているとは言えない状況です。
他のアフリカの国々と同様に、ウガンダではサッカーが一番盛んなスポーツで、小学校の校庭でサッカーをしている光景をよく目にします。また、半公営ではありますが、サッカーにはプロリーグも存在します。(イングランドプレミアリーグの中継が行われていることもあり、イングランドサッカーも人気です。)
加えて、もともとイギリスの植民地であったことから、野球よりクリケットの方が競技人口が多く、野球が普及しにくい状況を作り上げています。
ウガンダにおける野球は、JICAの野球隊員による野球指導から始まり、そこで野球を学んだ選手たちが、その後に学校の先生になるなどして散らばった先で子供たちに教えるという形で広まりました。
現在では野球を教えている各地の学校、地域ごとにチームを作って、我々UGBASの支援のもとリーグ戦を開催しており、ちょうど先月に2020年度のリーグ戦開催資金を現地に送ったところです。
この国内リーグは日本でいう草野球のイメージに近いと言えます。各チームは週に一度か二度夕方に練習をし、休日に集まって試合をしています。
試合の様子↓
ウガンダ全土に広まっているとは言えないまでも、それでも確かに野球が根付いている地域が存在するというのがウガンダ野球の現状です。こういった地域に野球が根付いている要因として、現地の方は主に2つの理由を挙げています。
・礼儀などを重んじる日本式野球が学校などにおける教育の役割を果たす
・スラムなどに暮らす難民の精神的な生活の支えになる
こういった地域では、現在もJICAの体育隊員(名称変更しました)をはじめとした方々が野球の普及活動に取り組んでいます。
昨年の渡航時にお邪魔した2つの小学校↓
現在、もっとも成功しているウガンダ人選手は兵庫ブルーサンダーズ(関西独立リーグ)に所属しているカベンゲ投手です。弱冠19才ながら、昨年8月の来日以降、昨シーズンの終盤戦から一軍の試合でも登板し、今シーズンも一軍で中継ぎ投手として登板しているウガンダ期待の右腕です。私もウガンダ渡航時に彼の投球を見ましたが、綺麗なフォームから放たれる低めにコントロールされた直球が印象的でした。日本に来てからは身体も大きくなり、球速もさらに増したとのことで、今後のさらなる成長、活躍に期待です。
カベンゲ投手ピッチング映像(兵庫ブルーサンダーズ公式Twitterより)
以上、長くなってしまいましたが、ウガンダ野球の今をまとめてみました。
UGBASはウガンダにおける野球の普及と、優秀な選手の支援という、ボトムアップとトップダウンの2つの視点から活動をしています。
以下の記事から、我々の活動について知っていただければと思います。
・野球用具寄付活動について
・選手支援について(COVID-19の影響もあり、オメリの2020年度の来日は叶いませんでしたが...)
あなたもウガンダ野球発展の担い手に
オメリ始動!
この記事を読んで、これからのウガンダ野球を応援したいと思っていただけたら幸いです。
文責:UGBAS前代表 東京大学4年 白石