43年の歳月を振り返る

私が産まれた日、福岡は雪に覆われた寒い日だったそうです。奇跡ともいうべき幸運に恵まれて、私は生まれてきました。那珂川町にある福岡学園という非行少年の更生施設の広大な自然に囲まれて、育ちました。カブトムシやザリガニを水槽に溢れるほど入れていた思い出が蘇ります。

さて、誕生日という日は、子供の頃はお祝いされる日ですが、だんだん歳を経る度に、自分の中では感謝の日となっていることに気がつきます。私がどれだけ恵まれて生きられているか、私を生かす全ての存在に改めて感謝する１日です。

私が生かされる為に、何千という豚さんの命を頂いてきました。鶏さん、牛さん、魚さん、植物も同じくです。それは食べものだけではありません。この宇宙の全てが私の命と繋がっています。

そして私がより良く生かされる為に、多くの人々の貢献の積み重ねがあります。その血や汗や命は、遥かな歴史の中に積み重なっています。

生まれてくることなく終える命もあれば、生まれても長くは生きられない命もある中で、43年もの歳月を豊かに幸福に生きられていることは、幸運としか言いようがありません。

人生には、幸福感に満ち溢れる日もあれば、絶望を感じるような日もあります。有能感に溢れることもあれば、無力さに打ちひしがれることもあります。

その全ては、偶然の産物でもありながら、全身全霊で生きるからこそ感じられるものであり、その全ての想いは無限に湧き出す意志の力の源泉です。

私の願いはどこからかやってきて、私に使命を授けました。なぜなのか、どうしてそうなったのか、理由などありません。

また1年また1年と、多くの恩恵を与えられ、素晴らしい人生が織り成されていきます。私を生かしてきた全ての存在への感謝で織り成された衣を纏い、この一年を新たなる決意で挑みます。

心身を研ぎ澄まし、全身全霊で打開していく1年を送ります。打開し突破していく壁は途方もなく多いけれど、千里の道も一歩から。魂を込めた歩みを続けていきます。