UGBASでの4年間を振り返る(2019年度代表 白石航暉)

1年生(2017年度)
コロナ禍以前の東京大学には、駒場キャンパスの教室に様々なサークルがブースを構え、やってきた新入生にサークルの魅力を紹介するサークルオリエンテーション(通称サーオリ)というイベントがあった。

当時新入生だった僕は高校野球部の同期と一緒にサーオリを回っていて、最後の最後にサークル一覧を見て目に止まった「ウガンダ野球を支援する会」のブースに行って話を聞いた。

物理がやりたくて東京大学を目指したので、適当な野球サークルに入っておいて勉強に専念するつもりだったのだが、どの野球サークルにもピンと来なくて結局野球サークルの新歓には一度も行かなかった(高校野球部の先輩がいた準硬式野球部の新歓練習にだけは参加したが、やっぱり勉強がしたかったので部活には入らなかった) 。ノンサーは流石に不健全かなと思ったので、とりあえずウガンダ野球を支援する会に参加することにした(正確には物理や数学の自主ゼミをするサークルに入っていたが、一般の人々は勉強会しか活動がないものを”サークル”とは呼ばないだろう)。

当時のウガンダ野球を支援する会の新歓には1年生が10人以上参加していて、渋谷のアフリカ料理屋をほとんど貸し切ってやっていたのを覚えている。その後の五月祭にも多くの1年生が手伝いに来ていて、「結構大きなサークルなんだなぁ」「知り合いも増えそうだ」と思ったが、この期待は後になって間違っていたことがわかる。ちなみにこの数の多さは、恐らく時代〇〇社のタダ飯リストに載ってしまったせいだと思われる。

五月祭後は定期的に開かれるミーティングに参加していたが、ここで段々と顔を合わせる同級生は減っていき、夏休みは先輩たちについて行って河口湖に旅行にも行ったのだが、ここでついに1年生が自分一人になった。あれ?

↓スマホを漁ったら出てきた写真、写っているのは僕の2個上の代の代表で、高校の先輩、なんと実家の最寄駅も同じだった。(サークルに入ってから知った。)

今では東京大学の学園祭である五月祭、駒場祭のみでのカフェの出展(ウガンダ産のコーヒ、紅茶を提供している)、最近に至っては学園祭のオンライン化に伴いカフェの出展すらできなくなってしまったが、実はこの年まで一橋大学の小平祭でもカフェを出展していた。この頃は活動的というか(決して今活動をサボってるとかではないのだが)、今のUGBASとは少し雰囲気が違っていたように思う(雑に言えばそう、昔は陽キャっぽさがあったというところか)。唯一の下っ端として小平祭、駒場祭と目一杯働いた。学生団体総選挙にも参加し、団体の将来をアピールするプレゼン発表もした。正直ウガンダ野球がどうとかいうよりも、自分しかいないから頑張っていた感じであった。

↓この年の駒場祭はMPJ Youthさん (http://mpjyouth.official.jp) との合同出店だった。

2年生(2018年度)
2年生になり、ともかく新入生を入れないとUGBASがそこで終わりになってしまうので、新歓を頑張った。前年度は新歓の手を広げすぎたことを反省し、サークルオリエンテーションに来てくれた新入生にターゲットを絞って加入率上げるように努めたのが奏功し、定例会に1年生が4, 5人来てくれるようになった。新歓を通して人が増えたのも嬉しかったが、それよりもサークルの魅力を伝えるためにいっそうこのサークルやウガンダの事情に詳しくなれたのが、その後自分がUGBASで活動していくための糧になった。

1年生のうちにサークルの業務はしっかり経験しておいたので、五月祭の責任者、1年生が責任者を務める駒場祭のサポートなど、割とうまくこなしていたと思っている(が、実際どう見えていたのかは知らない)。UGBASでは2年生になると、サークルの定例会の司会をやったりするようになるので、この1年で一気にこのサークルが何をしているのかわかるようになる。しかし、当時の自分は”なぜ”この活動をするのか、この活動が”どのように”ウガンダ野球に影響を与えているのかは全くわかってなかった。今思うと、こういった疑問をしっかり自覚して、先輩たちにぶつけることが出来ていれば少しはマシだったのかもしれない。

 UGBASの活動を真に理解する上で欠かせないのがウガンダ渡航である。2014年3月に発足したUGBASは、これまで2015年2月, 2017年3月, 2019年3月と隔年で3回のウガンダ渡航を行い、野球に限らず現地の雰囲気を肌で感じてきた。僕が2年生だったこの2018年度は、年度末の春休みにこのウガンダ渡航を控えていたので、ウガンダの地理、歴史、文化、教育etc…を学ぶためにサークル内で勉強会をしたり、黄熱病のワクチンを打ったり、ビザを取ったりと充実した活動をしていた。

 ウガンダ渡航では本当に色々あったのだが、それを話すとすでに長いこの記事がとんでもない長編になってしまうのでここでは書かないことにする(興味がある方は、以下にリンクを貼っておくので滞在レポートを読んでいただきたい)。

https://pando.life/ugbas/article/1804

【第1回】ウガンダ滞在レポート

ヨシノカンジ
ウガンダ野球を支援する会

https://pando.life/ugbas/article/1839

【第2回】ウガンダ滞在レポート

ヨシノカンジ
ウガンダ野球を支援する会

https://pando.life/ugbas/article/1883

【第3回】ウガンダ滞在レポート

ヨシノカンジ
ウガンダ野球を支援する会

https://pando.life/ugbas/article/1934

【第4回】ウガンダ滞在レポート

ヨシノカンジ
ウガンダ野球を支援する会

https://pando.life/ugbas/article/1941

【第5回】ウガンダ滞在レポート

ヨシノカンジ
ウガンダ野球を支援する会

https://pando.life/ugbas/article/1986

【第6回】ウガンダ滞在レポート

ヨシノカンジ
ウガンダ野球を支援する会

この旅を通してUGBASのメンバーとして得た最も貴重な成果は、先入観なしのウガンダ野球を知ることができたということだ。例えば、最初は貧困から抜け出す手段として、ハングリー精神を持ってプロ野球選手を目指している人がいると思っていたのだが、そんな人は1人もおらず、みんな純粋に野球が楽しいから野球をやっていて、どちらかというと草野球に近いものがあった。しかし、それも変化しつつあり、野球がうまければMLBの球団が運営する中学校に特待生で入ることができるので、そういった野心を持って野球をする子供達も増えているということもわかった。

https://pando.life/ugbas/article/14269

ウガンダ野球の今

山本 将巳
ウガンダ野球を支援する会

https://pando.life/ugbas/article/24044

ウガンダ野球を支援する会の"良さ"について書こうとしたが気づいたら自分の思想を語っていた。

白石 航暉
ウガンダ野球を支援する会

そして個人的には少し価値観が変わったように思う。僕はインターネットで散見される「海外に行って価値観変わりました!」みたいな話は心のどこかで馬鹿にしていて、海外で2週間過ごしたくらいで変わっちゃう価値観なんて薄すぎるだろと思っていた(る)んだけれど、それでもやっぱりこの2週間の前と後とでは自分の価値観が少し変わっていることを認めざるを得ない。実際、20歳かそこらの小僧の価値観なんて薄っぺらいものだ。

どう変わったというと、ざっくりいえば”こうあるべきだ”という考えが薄れて、気が楽になった。文にしてしまえば当然のことだが、文化が違えば何が幸福とされるかも違うということを実感したし、世間一般がではなく自分が何を幸福とするのかをちょっとだけ多く考えるようになったと思う(あまり多くを語ると薄っぺらさが滲み出てしまうのでこの辺でやめておく。言葉にするほど薄っぺらく思えてくるから不思議だ)。

 3年生(2019年度)
UGBASの代表になったが(正確には2年の駒場祭後から代表だった)、ウガンダ渡航を通して活動の方向性が見えてきたし、何よりもともにウガンダに行った一個下の後輩たちが居てくれるのが心強く、割と気楽にやっていたと思う。リーグ戦の支援は続けつつ、何か新しいことを始めようということで、特に優秀なウガンダ人を1人選び、経済的支援をして野球場の近くに住まわせ、練習機会を確保し日本の独立リーグを目指すという企画を開始した(残念ながら彼が現地で交通事故に遭ったりコロナ禍で日本への渡航が困難になったりと自分たちの手の及ばないところで残念ながら失敗に終わってしまった)。

https://pando.life/ugbas/article/2665

オメリ始動!

小牧 将吾
ウガンダ野球を支援する会

 代表になると、学園祭は1, 2年生がこなしてくれるし、活動についての提案も自分が出さなくたってメンバーからどんどん出てくるので、やることといえばみんなの提案にいいんじゃないとかここはまずいとか言ってみたりするだけ。あとはウガンダ現地の関係者と連絡をとりあって交渉するというのが主な仕事だった。このサークルでは現地のリーグ戦開催資金を援助している以上、海外とのお金のやり取りや予算折衝が発生する。慣れない英語でこれらをこなすのはいい経験だった。

4年生(2020年度)
代表を山本に譲った後は、いよいよ完全に気が抜けてしまった。もう1年で卒業だし自分が出しゃばってもいい事ないよなと言い訳しつつ無責任に気楽にこんなことやってみたら〜とか言っていた。未来に無責任な老害は団体運営に関わらないほうがいいね!

コロナ禍の中でのサークル活動は難しいことも多かったが、これを機にとウガンダ現地、日本各地にいる人たちとも繋いでオンラインミーティングを開いてみたのは良かった。英語を使う機会にもなるし、英語で金銭的な面も含めてウガンダ野球の将来を議論するのだから、大学生がオンラインでのサークル活動を通して得られる経験としてはかなり上質な物だと思う。メンバーのみなさん、英語を勉強しましょう。

https://pando.life/ugbas/article/37875

8月定例会!!

長浜 駿斗
ウガンダ野球を支援する会

https://pando.life/ugbas/article/52300

1月定例会の報告

Takashi YAMADA
ウガンダ野球を支援する会

 本当ならば隔年のウガンダ渡航を予定していたのだが、コロナ禍での渡航はできるはずもなく、未だ渡航できる見通しは立っていないのが気がかりだ。UGBASの活動を続けていく上で、やっぱり現地を自分の目で見るのは大切なことだと思うし、ウガンダで現地とのコネを使って安全に活動ができるというのがこのサークルの最大の強みでもあるわけで、これを目当てにサークルに入ってくれたメンバーは多かったはずだ。渡航の見通しが立つまでは、せめてこのコネとオンラインミーティングをフル活用して現地と密なコミュニケーションをとって欲しいと思う。現地に行くほどではないにしろ得られるものはあるはずだ。

こうして振り返ってみると、4年間を通してサークル同期には恵まれなかったけれども先輩後輩には恵まれたと思う。本当に感謝してもしきれない。そして、下級生にはコロナ禍であることもあり、この団体の多くのことを伝え損ねた様な気もするので、せめてこの記事を通して伝え損ねたうちの幾分かを伝えることが出来れば嬉しい。

修士1年生(2021年度)
なんだかんだ大学を卒業した後も、大学院に入学しいまだに学生をやっているということもあって定例会にはちょくちょく参加している。サークル卒業のタイミングを見失っちゃった…

松下 耕三
2021.05.18

こんにちは。ウガンダ野球って何だ?と思いましたが、過去の記事も含め、いろいろと読んでしまいました。未来を担う学生の皆さんにとっては、良い人生経験になる活動ですね。コロナ禍で途絶えることの無いよう頑張ってください!!
協賛募集の情報も拝見しましたので、弊社の担当からご連絡させて頂きます。

白石 航暉
2021.05.18

コメントありがとうございます!
精一杯サポートして、後輩たちにもこの経験をぜひ引き継いでいってほしいと思います。
連絡お待ちしております🙇‍♂

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