学生時代にやっておくべきこと

やらない理由

 小さい頃から小賢しいガキだった。足るを知る。現実を知る。地に足つける。食っていけない夢は、早々に諦めた。だからずっと中途半端で、遊んでみても踏みとどまって突き抜けられない。学問の道は大学2年で専攻が決まってから、先はないと悟った。単位だけは地道に取る。決して要領がいいわけではない。いっそ講義にも出ず、呑む打つ買うのどれかに、一心に打ち込んでいたらひとかどの人物になっていたかもしれない。

 ずっと道を踏み外すことを恐れていた。

 泥やゲロにまみれながら、小賢しさからは脱却できたつもりだが、それでも道を踏み外す勇気はなかった。食えない夢を見る勇気がなかった。すっぱいぶどう。どうせ食っていけねえよと試しもしなかった。

泥にまみれよ

木谷 太郎
株式会社クインテット

 でもよくよく考えてみると、食えなくてもいいじゃない学生だもの。3年なり4年なりチャレンジして、精いっぱい努力して、自分はこの世界で生き残れない、食っていけねえわと思い知らされたなら切り替えて就職活動でもすればいい。

 自分とは違う、本物の才能を他人に見出したら諦めもつくだろう。

 最初から諦めたなんてうそぶいて、挑まない奴はくすぶり続ける。就職しても。封印した思いが邪魔をする。本当にやりたかったことはこれじゃないという違和感。口先はどうあれ結局のところ諦めてなんかいないんだ。あれだけやっても、どれだけあがいてもどうにもならないという本当の現実にぶち当たっていないから。

 だから、食っていけないなんて学生にとってはやらない理由じゃないんだよ。

 食っていけないかもしれない。それは社会人にとってのリスクだ。妻子持ちならなおさら。今! 4年間、3年でもいい。学生のうちにやっとけ。ぶつかれ。現実と対峙しろ。そしてだめなら諦めろ。それが次の世界に進む方法だ。万が一、まかり間違って、その道でやっていけるようになったらハッピーですね。

 そして小賢しい私は理解している。

 ここに書いたことも今の私にとってのやらない理由なんだろう。いつの日か道を踏み外す覚悟ができたらと思う。

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