未来は自分で掴み取る

闘志は湧いていますか?

困難な状況でこそ、自分が何とかするのだと闘志が湧く、それが人が力強く生き抜く為の原点にある、人生を謳歌する為に必要なモチベーションです。

事業が要求する成果は、優れた商品、ソリューションを生み出し、それをより効果的に利用者に使って頂く為のサービス提供、効果的な広報活動といったものです。

既に人の行う多くの仕事は知的生産となっており、脳の能力をより使い倒していく事なくして、良い仕事は出来ません。取扱い説明書=マニュアルに沿ってやるような頭を使わない仕事は機械の方が上手くなります。創造的な仕事が人に残されていく仕事になるのです。

脳も人体の一部です。肉体と同じように、生まれ持った差もある一方で、目的の為に鍛え上げなければ、それに対して強力な仕事ができる能力を手にすることは出来ません。

創造的生産を要求されるなら、創造的な仕事ができる脳に鍛え上げ無ければなりません。

さて、創造とは何でしょう。人が作った料理を食べる。これは消費であり、旨い、不味いを評価して大脳を全く使わないわけではないけれど、創造の主体は料理人であって、自分ではありません。

料理人がただレシピ通りに作っているだけであれば、やはり知的生産という面での創造の主体はレシピを作った人です。優れた料理人は、レシピ通りに作るだけなのでなく、市場で素材を見極め、その季節、その素材の状態、お客さんの味覚、火加減、味付け、そして料理を出すタイミング、店内の空気感、それら多くの要素を統合した意思決定によって、その時にそのお客様に感動を届けられるような仕事をしています。このような頭を使う仕事が、創造です。

価値ある創造とは、子供が粘土で創作するものではありません。それも創造の練習にはなっていますが、仕事の創造が要求するのは、より大きな価値の創出を伴う創造です。

そうした水準の創造がなされる原点には、人の意志があります。より高度な創造ほどに、強い人の意志が必要です。そして頼りない知識ではなく、この宇宙の性質に根差した法則という叡智が必要です。

強い意志を要求するのは、大脳にかかる負荷が段違いに大きいからです。問題を指摘するのは小石を持ち上げる程度の容易さですが、問題に対する優れた解決策の創造は大岩を持ち上げるくらいの負荷の違いがあります。

小石を持ち上げる際には、意志の強さなど必要ありません。楽に出来るからです。大岩を持ち上げるには、それを実現する為に身体を鍛え上げ無ければなりません。1日にしては成りません。より大きな負荷をかけ続ける鍛錬の先にようやく大岩は持ち上げることが出来ます。そこに強い意志が必要なのです。

ここ数年、エンゲージメントサービスというものを良く目にするようになりました。私から見れば首を傾げてしまうサービスです。優れた製品を創造することは容易い事ではありませんが、会社を好きになるのは小石を持ち上げる程度の容易いものです。

自分の意思で簡単に変えることが出来てしまう会社を好きな気分になるという行為が、千里の道を一歩ずつ、鍛え上げながらにしてしか到達できない創造を生み出すことはありません。

これは当たり前のことです。より困難なことに挑戦するときには、容易く手に入るものはおまけでたくさん付いてきます。簡単に出来る事に挑戦していて、簡単に出来ないことがおまけで付いてくることはありません。

高級車を買えばおまけくらいつけてくれるでしょう。おもちゃを買って高級車がおまけで付いてくることはありません。

エンゲージメントの高さを調査すると、それが高い会社は利益率も高いという統計を根拠にして、エンゲージメントを高めれば利益率も上がると言っていますが、そんな馬鹿げた理屈はありません。

優れた製品を創造する意欲を持つ社員が多い会社であるから、そうした創造的な製品やサービス提供が実現していて、それが会社の利益を創出しているのであって、そうした会社はそもそもその創造に対し強い関心と意志を持つ社員の集まりなので、調査をすればエンゲージメントも高いという結果が出るだけです。

よく褒めてもらえて会社が好きに思えてくるから大岩が持ち上げられるようになるのではありません。チームが好きだからプロ野球選手になれるのではありません。その人が大岩を持ち上げようと自らの意志で挑むから、その人がプロ野球選手になるのだと自らの意志で挑むから、その可能性が開けるのです。

未来に自らが、自分の大切な家族や、友人が、より良く生きられる状況を作ろうとする行為は、まさに創造です。評論ではなく創造だからこそ、大岩を持ち上げるような負荷のかかるものです。強い意志を必要とします。地道な歩みを、弛まぬ努力を必要とします。

だからこそ、闘志湧き上がるほどの強い想いを持てるだけの目的が、目指すものが必要なのです。

描く未来を手にすることは創造なので自分の努力無くして届けられることはありません。自分が何としても掴み取るのだという意志が原点にあります。人から言われてやることや、環境に身を置けばそうなるような都合の良いことはありません。環境の良い会社が何とかしてくれるなど、妄想でしかありません。

未来は自分で掴み取る、自らの意志で掴み取る、それしかないのです。そんな意志を持つ人と人が共通の目的に向かって協働する組織こそが、理想の組織であり、最強の組織であり、一人一人が自らの意志で人生を歩んでいるという実感を持ちながら、自らの存在価値を感じられながら、人生を謳歌することの出来る働き方を実現する唯一の道です。

この世は、この宇宙はそのような性質によって織り成されているのです。そして人はそのように出来ている存在なのです。

代表メッセージ・社史
55件
髙𣘺 秀幸
2020.04.26

松下さん、まさに「闘魂」ですね。

先週23日、弊社の創業期にご一緒した経営者が、新型コロナ治療薬候補をAIで抽出できる技術開発に成功されたことを発表されました。同社はこの10年間で大きく進展されています。
その方は「ビジネスは戦争」だと常々私に話されていました。このメッセージの本質は“顧客から選ばれ続けることや社会問題を解決し続けることは、並大抵のことではなく、勝ち続けなければならない”ということです。当時の従業員の方々へ、メッセージの本質を理解していただくことが、私の役割の一つでした。

私も十分な経営資源は備わっておりませんが、闘争心を持ち、メンバーと共に日々励んでいます。

現代こそ、この闘争心が必要であると強く感じています。
未来について考え抜き、未来の姿を実現するために今すべきことの進捗を確認することで、焦りや苦悩を味わいますが、この苦悩へ逃げずに立ち向かうことで、自分自身の存在意義を導き出せるのでしょう。その結果、自分の社会における存在意義が明確になり、社会的課題を解決する事業に全身全霊を懸けることで、人生を謳歌できると考えています。

今回も心揺さぶるメッセージをありがとうございました!

松下 耕三
2020.04.26

いつも有り難うございます。
幸福は不幸の顔してやってくる、不幸は幸福な顔をしてやってくることもある、そんな話しを耳にしたことがあります。
短い視点で見れば、今の自分を満たしてくれるものが幸福を届けてくれているように見えますが、長い目で人生を眺めれば、良薬口に苦しということだと思います。
苦くとも、良薬であれるよう、強い闘志で突き進んで、突き抜けていこうと、思っております。引き続き、よろしくお願いいたします!!

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